「ガッキー・ショック」は発生するのか? 恐怖する一部投資家
歌手・俳優の星野源と女優の新垣結衣が5月19日、結婚することを発表した。コロナ禍の社会にあって久しぶりに明るいニュースになったが、このニュースに恐怖を感じている人達もいる。それが株式市場などの投資家だ。
人気のある女優などの結婚が発表・報道されると、日経平均株価が急落する「アノマリー」の存在が一部投資家の間で信じられている。「アノマリー」とは投資理論では説明できないがよく当たる相場の経験則のことを指すが、今回の結婚発表も新垣結衣の愛称ガッキーから、「ガッキー・ショック」を引き起こすのではないかと言われている。
最近だと、例えば2016年1月11日に女優の北川景子が歌手・タレントのDAIGOと結婚したことを発表したが、翌営業日の日経平均株価は前日比479.00円安と大きく下げた。また、2015年8月22日に女優の堀北真希が俳優の山本耕史との結婚を発表した翌営業日は、前日比895.15円安と大暴落とも言える値動きになっている。更に2020年10月1日に女優の石原さとみが一般男性との結婚を発表した日は、東京証券取引所でシステム障害が発生し、終日売買ができない状態に陥った。これらはそれぞれ、「北川景子ショック」、「堀北真希ショック」、「石原さとみショック」などと言われている。特に、株価急落ではなく売買が停止した「石原さとみショック」は、高い人気度の裏返しとも言われた。
もちろん、有名女優が結婚発表した時に株価が大きく下げる必要性は全くなく、女優の佐々木希が芸人の渡部健との結婚を発表した2017年4月9日の場合だと、翌営業日は前日比133.25円高と逆に上昇したパターンもある。「佐々木希ショック」は発生しなかった。この「アノマリー」を信じる投資家の間では、当時の佐々木希の人気度から株価急落は必至との見方もあったが、肩透かしを食らった格好になった。
ただ、人気のある女優の結婚発表には主に男性の投資家がショックを受ける傾向にあり、株価が急落すると株式市場(もしくは他の投資家と)の間でショックを共有できたとの印象が抱かれ易いのかもしれない。
「ガッキー・ショック」を本気で警戒している投資家が多いとは言えず、多くの投資家はあくまでも冗談として「ガッキー・ショック」を話題にしているに過ぎない。もちろん、仮に5月20日の株価が急落しても、ニュース報道で「ガッキー・ショック」と解説されることはない。
それでも、なぜか有名女優などの結婚発表後は株価が急落することが多く、「アノマリー」として一定数の投資家から認識される程度の精度はあるイベントになっている。5月20日の株価動向が注目されており、仮に株価急落やシステムトラブルなどの発生があると、「ガッキー・ショック」と騒がれることになりそうだ。