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【名古屋市】旬の素材を使った総菜や明治40年創業当初からあるメニューも楽しめる老舗居酒屋「大甚」

ぽぶ・ばしおライター(名古屋市)

 地下鉄「伏見駅」の近くを夕方に通りがかると、行列が絶えない店舗がある。言わずと知れた老舗居酒屋「大甚」だ。明治40(1907)年創業で、120年近い歴史を誇る。県外から訪ねてきた知人がいたならば、最初に連れていきたい居酒屋である。

行列が絶えない「大甚」
行列が絶えない「大甚」

 昭和29(1954)年に建てられた現在の店舗内は、昭和レトロな雰囲気を醸しており、どこか懐かしさを感じさせる。お世辞にも広い店内とは言えず、肩や背中、ひじなどが他のお客さんに軽く当たってしまうこともしばしば。平謝りに会釈を交わし酒を進めるのも、大甚という社交場でのご愛嬌というものだ。

 大甚の特徴は、自分で小皿の惣菜を取りに行く部分。おぼんを借りてその上に2、3点の惣菜をのせて自分の席に運ぶ。惣菜は旬の魚や野菜、肉類などが並ぶ。価格は掲げられていないが、尋ねれば「だいたいこのくらい」と教えてもらえる。

 私は大甚に来るとアナゴ料理にまず目がいく。焼きアナゴ、煮アナゴ、どちらもうまい。旬の魚の刺身、季節の素材のヌタもうまい。何もかもがシンプルでうまい。

焼きアナゴ
焼きアナゴ

 「かしわのうま煮」は明治40年創業当初からあるメニューで、鶏の卵巣のきんかんとかしわ肉を甘辛く煮た料理。意外にもきんかんはサクサクした食感で、柔らかいかしわ肉と食感の違うハーモニーを楽しめる。

かしわのうま煮
かしわのうま煮

その他にも、いぶりがっこ入りクリームチーズ、明宝ハム、なまこ酢など垂涎の小皿料理が豊富にあり、選ぶのに困る悩む喜びをかみしめてしまうのは間違いない。

なまこ酢
なまこ酢

旬の魚の刺身を楽しめる
旬の魚の刺身を楽しめる

ほたるいかのヌタ
ほたるいかのヌタ

シャコの塩茹で
シャコの塩茹で

 酒は賀茂鶴の本醸造で決まり。ふくよかな香りに包まれ芳醇なうまみが口いっぱいに広がり、どんな食材にも調和する。

賀茂鶴の特別本醸造
賀茂鶴の特別本醸造

 勘定は店の方がそろばんをはじいて算出してくれる。想定していた予算よりも、おそらくは割安に感じるはずだ。たとえ予算を少しはみ出していたからといって態度に示したりするのは、社交場でのマナーに反するし無粋だ。その点は留意が必要だ。

住所:名古屋市中区栄1-5-6

アクセス: 地下鉄東山線・鶴舞線「伏見駅」至近

営業時間:月曜~金曜15:45~21:00 土曜15:45~20:15

定休日:日曜・祝日

公式サイト:https://www.daijin1907.com/

ライター(名古屋市)

5年住んだ豊橋市から帰ってきました。名古屋市には、まだまだココホレ的なモノがある! みなさんと名古屋をココホレしていきたいな。 【実績】 テレビ愛知 「工場へ行こう」「わが社の星」「歴史のバイプレイヤー」など特集ニュース制作。 織田有楽斎 https://news.tv-aichi.co.jp/single.php?id=2929  スタッキングチェア https://news.tv-aichi.co.jp/single.php?id=2277  クリエイティブリンクナゴヤ 「オイスターズ インタビュー」https://creative-link-nagoya.jp/column/1781/

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