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大谷翔平の月間13本塁打はア・リーグ1位だが、ナ・リーグには大谷よりも3本多い選手がいる

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー(ワシントン・ナショナルズ)Jun 29, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月30日の1試合を残し、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、月間13本塁打を記録している。これは、ア・リーグのトップ。2番目に多い3人、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)、ジョナサン・スコープ(デトロイト・タイガース)は、月間10本塁打だ。

 ただ、ナ・リーグには、今月、大谷を上回る本数のホームランを打っている選手がいる。カイル・シュワーバー(ワシントン・ナショナルズ)の月間本塁打は、16本を数える。ナ・リーグで2番目に多いのは、月間9本塁打のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)だ。こちらは、7本もの差がある。

 月間16本塁打は、ナ・リーグとア・リーグの球史において、歴代10位タイに位置する。その上にいる顔ぶれは、以下のとおりだ。

筆者作成
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 6月11日の時点で、シュワーバーの月間本塁打は0本だった。それが、12日から29日までの18試合で16本だ。6月20日までのアーチ量産については「大谷翔平はここ6試合で6本塁打、この選手はここ8試合で8本塁打。ともに週間最優秀選手に選ばれる」に書いたが、その後も勢いは止まらない。19日のダブルヘッダー2試合目から29日までの12本塁打は、1995年9月15日~27日のアルバート・ベルと並び、10試合のスパンにおける最多記録だ。

 昨オフ、シュワーバーは、シカゴ・カブスから契約を解除され、1年1000万ドルでナショナルズと契約した。カブスがノンテンダーとしたのは、財政的な理由が大きく、他の面はともかく、パワーに疑問符をつけたわけではない(はずだ)。シュワーバーは、メジャーリーグ3年目の2017年に30本塁打を記録し、2019年は38本のホームランを打った。2018年は26本、昨シーズンは11本だが、現在の年齢は28歳だ。ちなみに、今シーズンの年俸は、前年とほぼ同じ700万ドル。来シーズンに関しては、1150万ドルの相互オプションとなっている。契約を1000万ドルとしているのは、シュワーバーが少なくとも手にできる総額、今シーズンの700万ドルとオプション解約金の300万ドルを合計したものだ。

 シュワーバーは、6月30日の試合でホームランを4本打つと、1998年6月にサミー・ソーサが記録した月間20本塁打に並ぶ。ソーサも、月間18本塁打の2人も右打者なので、6月30日に1本塁打なら、左打者の月間最多タイ、2本塁打の場合、左打者の月間新記録となる。

 6月13日以降、シュワーバーは1番打者として出場している。他の打順と比べると、打席に立つ回数は多い。また、30日の試合で、相手のタンパベイ・レイズは、ドルー・ラスマッセンをオープナーとして起用し、マイケル・ワカにつなぐと思われる。この2人は、どちらも右投手。シュワーバーが打った、今シーズンのホームランは、25本中23本が右投手からだ。ラスマッセンとは初顔合わせながら、ワカに対しては通算12打数4安打。2017年と2018年にホームランを1本ずつ打っている。

 なお、大谷の月間13本塁打については、こちらに書いた。

大谷翔平が今月12本目と13本目のホームランを打ち、松井秀喜の月間最多とエンジェルスの球団記録に並ぶ

追記:7/2

 大谷もシュワーバーも、6月のホームランをここから増やすことはできなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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