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2歳の子どもが意味のある言葉を話さなくて不安。【お悩み相談回】

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

現在、保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

今回は子どもの発語に関するお悩み相談です。

今回の記事の内容は音声配信(Voicy)でも聞くことができます。

▼2歳の子どもの発語がなく不安

2歳の男の子を子育て中のお母さんからいただいたご相談です。まずはご相談の内容をご紹介します。

2歳になる子どもが意味のある単語すら全然話せません。不安でいっぱいです。
最近の息子は、まだ相変わらず単語1語も話さないような状況です…
私達が言ったことに対する理解はある程度あるのだろうなと思う行動はとっているので、耳の聞こえに問題があるわけではないのだろうと…
絵本も0歳の時から毎日必ず読むようにしてて、息子も絵本は大好きです。
あと、目線を合わせるようにしたり、息子がとっている行動を実況中継?するようなことはしています。
意味のある発語ではないけど、宇宙語?ですかね?はよく発しています。
言葉が出ないことで、色々発達面の障害についても不安でいっぱいですし、私の今までの関わり方がいけなかったのかな…と自分を責める毎日です。
一時期、色々ネットで検索していたのですけど、検索すると色々当てはまることが多くてまた不安になってしまったので、検索魔はやめました。
でも、不安な気持ちは誕生日が近づくにつれて大きくなるばかりです。
子どもってどーやって発語に繋がっていくのか謎です…
みなさんどーやって毎日接してるのでしょうか?
元々色々マイペースな子ではあるので、いきなりたくさん話始めた!
なーんてことになってくれるといーのですが…
長くなってしまいすみません。

▼発語のペースは子どもそれぞれ

お子さんの発語に関するお悩みっていうのは、私のもとに届く育児に関するご相談やご心配でトップクラスに多い内容です。

それだけ悩んでいる方が多いし、みなさんお子さんとのおしゃべりを楽しみにしているということだと思います。

発語には進み方に段階があって、生まれてから意味のある言葉を話し始めるまでにはまずインプットの時期があります。

そのインプットの時期には、子どもによってとても個人差があるんですね。

1歳すぎくらいから話し始める子もいれば、3〜4歳くらいで話し始める子もいます。今回のご相談者さんのお子さんは、もうすぐ2歳ということで、まさに話している子もいればまだ言葉を蓄えているインプット時期の子もいる年齢です。

「2歳の誕生日が近づいていて不安」とおっしゃっているんですが、大前提としては、2歳の誕生日までに発語がないといけないということはないのです。

もしかすると、なんとなく「2歳ごろまでに…」と意識させられる機会が多かったのかな?と文面から感じました。

絵本も0歳の頃から毎日必ず読むようにされていて、息子さんがとっている行動を実況するようなこともされているんですよね。

親から子へ言葉のシャワーをたくさんかけてあげている毎日で、とっても素晴らしいなと思います。

ご相談の中で「私の今までの関わり方がいけなかったのかな…と自分を責める毎日」とおっしゃっていますが、全くそんな必要はないですし、文面からお子さんを思う気持ちやこれまでできることを考えながら一生懸命されてきたことが伝わりました。

ですから決してご自分を責めないでほしいですし、発語がない状態というのはお母さんが悪いということではなくてあくまで子どものペースで進んでいるだけなんだということをお伝えしたいです。

また、ご相談の中で「子どもってどうやって発語につながっていくのか謎です…」ともおっしゃっていますので、発語につながっていく段階のしくみについて少しお話します。

▼発語の3段階のステップ

先ほど発語はまずインプットがあって、それからアウトプットがあると言いましたが、もう少し段階を分けて考えると、三段階に分けて説明することができます。

その3段階というのは、

  1. 「物の名前を聞いて知る」という段階
  2. 「物の名前が分かっているけど言えない」という段階
  3. 「物の名前が分かっていて言える」という段階

の3ステップです。

インプットとアウトプットの2つに分けて考えると、最初の1段階目がインプット、そして3番目の段階がアウトプットと表現できますよね。でもその間に、実は2番目の段階があるのです。

ご相談者さんは「私達が言ったことに対する理解はある程度あるのだろうなと思う行動はとっている」とおっしゃっていて「意味のある発語ではないけど、宇宙語?ですかね?はよく発しています」とも言われています。

そのため、まさにちょうどこの2番目の「物や言われていることについてわかるけど、自分では言えない」の段階にいるんじゃないかと思います。

私たちは、普段使っている言葉が日本語であれば、子どもの話している言葉が日本語として意味のあるものじゃないと発語があったと思えないかもしれないですが、宇宙語のようなものには、子ども本人的には意味があることばである可能性もあるんですよね。

そうだとすると、段階的には3番目の「物の名前が分かっていて言える」の段階にかなり近づいている状態です。

そして、その大人には宇宙語に聞こえるものが、犬であれば「わんわん」のようにこの言葉を指して言ってるんだなという言葉で、発音しやすい言葉として出てきて、その次に犬が言えるようになります。

このように、階段を少しずつのぼるようなかたちで発語につながっていくのです。

ちなみにこの3段階の考え方は、これから子どもがどんどんいろんな言葉を覚えていく際にも役立ちます。

「セガンの3段階レッスン」と言われる、乳幼児期に用いられる物の名前を覚える方法です。

例えば子どもが、見たことはあるけど、物の名前を言えなかったり間違えて覚えているものがあるとします。ここではそれがりんごだとします。

  1. 「これはりんごだよ」と、ものの名前を伝える
  2. 「りんごはどれ?」と質問を繰り返す
  3. 「これはなに?」とりんごという名前を覚えたか確認する

このように、3つのステップを踏むことで物の名前を覚えていきます。

子どもはだんだん年齢を重ねるにつれて、机の上で教科書を見ながら暗記することができるようになっていきますが、0〜6歳の乳幼児期というのは、自分の体を動かしたり、五感を使って色々なことを感じながら様々なことを吸収する時期です。

そのため、このセガンの3段階レッスンの考え方で、ゲーム感覚でいろいろな言葉を覚えていくやり方を一つの方法として幼児教育などでは用いられることがあります。

この3つの段階をどれくらいのペースで進んでいくかというのは子どもによってペースが違いますが、ゆっくりであっても成長とともに確実に段階が上がっていきます。

今回のご相談者さんも、お子さんについて「元々色々マイペースな子ではあるので、いきなりたくさん話始めた!なーんてことになってくれるといーのですが…」とおっしゃっていますが、本当にいきなりたくさん話始めた!というケースは多いんですよね。

そして何より、今絵本を読んでいたり、実況中継したりと、親としてできることをしてこられていますので、決してご自身を責めないでほしいなと思います。

日々の育児でいちばん大切にしてほしいのは、お母さんが無理しすぎず、育児を楽しめることです。

▼子どもを想うからこその親心

子どものことで落ち込んだり不安になったりすることもあるかもしれませんが、それはお子さんを思っているからこそです。

そんな時は「そんなこともあるよね」と思って、少しがんばらない期間を作ったり、今回のご相談者さんもおっしゃっていたようにネットを見るのをやめたりして、ご自分を責めないようにしてくださいね。

お子さんの人生はまだ始まったばかりで、これからの長い人生を考えれば宇宙語にいる期間は、過ぎ去ってみればかわいくて貴重な時間のはずです。

でもその悩みの渦中にいるときは、子どものことを思うからこそ心配になりますよね。

発語に限らず育児の悩みはその時々で尽きないですが、育児はこれからず〜っと続いていくことなので、無理せず笑顔でいれるように、周りに相談したり、周りに頼りながら子育てをしていきましょう!

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最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

国立大学で子どもの自立支援について研究中の子育て支援保育士。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月、2023年10月に男の子を出産した3児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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