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第30エンド「MD世界戦3日目、クロアチアをくだし2勝1敗。ゲームに飢える小笠原歩というカーラー」

竹田聡一郎スポーツライター
昨季から氷上でメガネを装着している。今は999.9(フォーナインズ)を愛用。

カナダ・レスブリッジで開催中の平昌五輪新種目、ミックスダブルスの世界選手権は3日目を終え、日本代表のチーム阿部(阿部晋也・小笠原歩ペア)はグループリーグの3試合目、クロアチアと対戦した。

序盤、アイスリーディングに若干、時間を要したが、相手のミスにも助けられ、2エンドで4点を奪うと3エンド目にも4点スティール。早々に大勢が決した。

相手のクロアチアは世界ランク43位のカーリング新興国で「勝たなければいけない試合だった」と阿部が語る通り、いわば格下との試合だったが「いい形で4点取れた」(阿部)「置きたいところ、昨日よりいいところに置けている」(小笠原)と、チームとしての手応えを得たようだ。

また、ブラジル戦に続き、相手のパワープレー宣告を受けたエンドを経て、さらにタイムアウトを意識的にとったりと、今後の戦いに向けて準備できた部分もあり、収穫のあるゲームとなった。

特に阿部は試合を重ねるごとに、効果的なドローが増えてきた。今大会に限らずどのゲームでもスロースターター気味な特性があるので、LSDの数字を含め、今後にさらなる期待がかかる。

これで日本は2勝1敗とし白星先行。5戦全勝で首位を走るラトビアを追う2位タイにつけている。明日のダブルヘッダー、ベラルーシ戦とハンガリー戦で連勝して一気にクオリファイに(決勝トーナメント進出)に近づきたい。特にハンガリー戦は世界カーリング機構HPでライブ中継がある(日本時間26日水曜日朝8:45~)ので、高いパフォーマンスでの勝利が望まれる。

そのダブルヘッダーに挑むにあたり、疲労について聞かれても、「全然、大丈夫です。今は早く試合をしたい」と小笠原は言う。いつでもゲームに飢えていて、誰よりも負けず嫌いな彼女だ。

また、平昌五輪について質問しても、「どこかで背負っている部分はもちろんあるけれど」とした上で「氷上に上がれば、関係ない。1試合1試合、勝つだけです」と特に気負う様子もない。今、持っているストーンをより良い位置に運び、そのエンドを優位に進め、ゲームを制して、その結果、五輪がついてくればいい。それは日本選手権から彼女が言い続けてきたことである。

新種目で五輪へ。小笠原と阿部の挑戦はここからが正念場だ。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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