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スマホは厳禁? 日本代表・中竹竜二ヘッドコーチ代行、始動1週間で初戦へ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
早稲田大学監督時代。選手の自主性を促す意識は当時から変わらず。(写真:アフロスポーツ)

昨秋のワールドカップイングランド大会後初の日本代表が、中竹竜二ヘッドコーチ代行のもと急ピッチでの準備を進めている。

4月24日、都内で合宿を始めた。韓国代表、香港代表と2試合ずつをおこなうアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)の初戦は、4月30日に神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場でおこなわれる。26日の午前練習後、指揮官が取材に応じた。

初戦の相手は韓国代表だ。エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもとワールドカップで3勝を挙げた前体制のジャパンも、猛練習の只中にあった2015年4月18日の対戦時に苦戦。南洞アジアード・ラグビー競技場で、55-30と大量失点を喫した。日本代表にとっては格下と見なされた時期も多いが、今春からはニュージーランド人のジョン・ウォルターズ新監督のもと強化体制を刷新している。

日本代表は昨秋のワールドカップでは過去優勝2回の南アフリカ代表から大会24年ぶりの白星を奪うなど、歴史的な3勝を挙げた。しかし今度のメンバーにおいては、イングランド大会出場者はゼロである。

ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチは、現在務めるスーパーラグビー(世界最高クラスの国際リーグ)のハイランダーズとの契約上、秋以降の着任となっている。

4~6月のARCでは20歳以下日本代表を軸に据えて臨むとされてきたが、4月、やや方針転換がなされた。国内最高峰のトップリーグでプレーする若手、国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズの控え組が中心となった。

昨季からU20を率いる中竹ヘッドコーチ代行は、3月にはU20に数名のオーバーエイジ枠を交えたジュニア・ジャパンを編成。パシフィック・ラグビーカップ(PRC)で環太平洋諸国の代表予備軍とぶつかった。

2006年度から4季務めた早稲田大学監督時代は、「日本一オーラがない監督」を自任。五郎丸歩を副キャプテンに据えた2007年度を含め、2度の大学選手権制覇を果たしている。

以下、取材時の一問一答の一部(編集済み。質問はすべて当方)。

――合宿3日目。いかがですか。

「(知識の)吸収が速い。短い準備期間ですけど、いまのところ順調に来ています。混成チームが、どこで何をするかといったことをミーティングや練習で共有する。そのなかでかなり、お互いが意見を言い合っている。昨日なんかも、もっと時間がかかると思っていた練習が想像以上にスムーズに進みました」

――初日のミーティングでは、着席した選手に「話したことがない人同士が並ぶように席替えを」と促したようですね。

「そうしないと、チームは作れない。基本的に、食事会場ではスマホなし。対面で話をしよう、と。オフ・ザ・フィールドのところはすごく大事にしています」

――韓国代表戦のメンバー、心のなかでは決まっていますか。

「まだです。きょうの午後の練習を受けて…となると思います」

――選考基準は。

「もちろん、勝つためのベストメンバー。ちゃんとゲームを理解して、今回のテーマである『仕掛ける』ができる選手を(起用したい)」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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