中国海軍とロシア海軍の艦艇が同時に尖閣諸島沖の接続水域を航行
9日未明、沖縄県の尖閣諸島沖の接続水域内に中国海軍とロシア海軍の艦艇が進入し航行しました。これまで中国はこの海域には海警局の巡視船までしか送り込んでおらず、海軍艦艇を送り込んできたのは初になります。そしてほぼ同じ時間帯にロシア海軍の艦隊も現れました。これが中国海軍と呼応した動きとするならば、ロシアの態度は異例のものとなります。なお領海への侵入は行われていません。
確認された中国海軍の艦艇はジャンカイ1級フリゲート1隻。ロシア海軍はウダロイ級駆逐艦1隻、補給艦1隻、外洋曳船1隻の3隻です。
中国海軍に付いてはジャンカイ1級(054型)は2隻しかないので、東海艦隊所属の「525 馬鞍山」あるいは「526 温州」のどちらかです。
ロシア海軍に付いては3月28日にウダロイ級駆逐艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」、ドゥブナ級補給艦「イルクート」、バグラザン級救難曳船「フォーチィ・クリロフ」が対馬海峡を南下していることが防衛省幕僚監部より発表されています。おそらく今日この艦隊が戻ってきて、尖閣諸島の南側から接続水域に入り、このままウラジオストク港に帰るのでしょう。
なお駐日ロシア大使館による説明は以下の通りです。
ロシア側の説明によるとロシア艦隊は通り掛かっただけで中国軍艦とは連携していない。母港ウラジオストクに戻る途中だったロシア艦隊の動きを中国に利用されたという事になります。
中国側の説明では国防部の報道官が「領有権は中国にあるから航行に問題はない」という何時も通りのものでした。なお10日から17日に掛けて、日本・アメリカ・インドの三海軍は合同演習「マラバール2016」を長崎県佐世保から沖縄東方の海域で実施する予定であり、中国としてはこれを牽制する意図があったのかもしれません。