多雨予想が一転、ひどい空梅雨傾向に 農作物の管理など十分注意
6月は多雨予想だった
上図は5月26日発表の1か月予報の降水量の予想です。
今年の梅雨はかなり前から梅雨前線の北上が早まると予想されていたこともあり、6月の降水量は東日本から西日本でずっと多くなる予想が出されていました。この時の発表でも、まだ鮮明な多雨傾向となっています。
またもともと梅雨入りも早まるのではないかと予想されていましたが、実際は関東甲信で6月6日に、ほぼ平年並みの梅雨入りとなった他は、むしろ平年よりは遅い梅雨入りとなり(速報値)、さらに梅雨入りしても、当初の予想とはかけ離れた少雨傾向が続いています。
すでに農作物の生育などに影響が出かねないカラカラ状態の所もあるようです。
実際は極端な少雨傾向に
上図(上)は関東甲信で梅雨入りが発表された6月6日からきのう25日(土)までの20日間の降水量の平年比です。
西日本は全般に平年より少ない所が多く、特に四国や紀伊半島などには40%未満を示す濃いオレンジ色の所も出現しています。一方、東日本や北日本は平年より多い所、少ない所がかなりばらついていますが、関東の平野部などは黄色やオレンジ色が目立っている状態です。
さらに直近の10日間(下)に注目すると、関東の平野部では多くの所が平年比10%未満の茶色が広がっており、ひどい少雨状態となっている様子がうかがえます。
実際に、直近10日間の降水量(平年比)は、水戸0.0ミリ(0%)、宇都宮1.5ミリ(2%)、前橋2.5ミリ(4%)、熊谷0.5ミリ(1%)、東京都心7.5ミリ(12%)などとなっています。
東京都心は6月に入ってからの降水量は64.0ミリ(25日まで)で、もしこのまま100ミリに届かなければ、6月として2007年以来15年ぶりということになります。
この少雨は梅雨前線の影響が小さかったからに他なりませんが、梅雨が本格化してくるこの時期のひどい少雨ですから、農作物などの生育に大きな影響が出始めている所もあるようで、まるで梅雨明けしたかのような真夏を思わせる記録的な猛暑もこの状態に拍車をかけているようです。
この先も雨が多いこの時期に少雨傾向が続いてしまうと、さらに深刻な影響が出かねない状態ですが、残念ながらしばらくはこの少雨状態は解消されそうにありません。
向こう1週間から10日間も晴れ傾向
向こう10日間の予報をみると、梅雨明けの発表があるにしてもないにしても、関東以西ではまさに真夏の晴天が続き、内陸を中心に体温並みの猛暑の続く所もあるでしょう。
東京都心は、きのう25日(土)35.4度と観測史上最も早い猛暑日となり、そしてきょう26日(日)はさらに暑く36.2度と6月の観測史上1位の暑さを記録しました。6月に2日続けて猛暑日となるのも観測史上初めてですが、今週はさらに2回の猛暑日が予想されています。
来週七夕(7月7日)の週は、太平洋高気圧がやや衰退する予想もあり、少雨傾向が少し和らぐ可能性もありますが、もしまとまった雨が降らないようだと、農作物などには一段と大きな影響が出かねない状態となりそうです。
こうなると夏季に向けての水不足も心配となり、首都圏の水がめの状況も気になるところですが、今のところ、東京都水道局による貯水量の情報をみると、すぐに心配するような状態とはなっていません。むしろ満杯に近い状態です。
とはいっても、このまま少雨傾向が続けば、7月以降、どんどん貯水量が減少する可能性はありますので、節水を心がけねばなりません。