開幕70試合で15本塁打&30盗塁は史上最速。このままのペースなら、史上初の「30-60」に到達
6月16日、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、1回表に二盗を成功させ、シーズン30盗塁に到達した。ブレーブスの70試合目だ。
アクーニャJr.は、2日前のダブルヘッダーでホームランを1本ずつ打ち、シーズン本塁打を15本としている。
ESPNスタッツ&インフォによると、開幕から70試合以下で15本塁打&30盗塁は、アクーニャJr.が初。それまでの「最速」は、1974年のセイザー・セデーニョによる71試合だったという。
49年前、セデーニョは、ヒューストン・アストロズのセンターとしてプレーしていた。アストロズが70試合を終えた時点では、14本塁打と32盗塁。翌日の71試合目に15本目のホームランを打ち、「15-30」に到達(70試合目から72試合目まで、3試合連続本塁打)。シーズン全体では、26本塁打と57盗塁を記録した。
通算199本塁打と通算550盗塁からわかるとおり、セデーニョは「パワー<スピード」の選手だった。シーズン25本塁打以上は2度(1973~74年)しかなく、最多は1974年の26本。一方、シーズン50盗塁以上は6度(1972~77年)を数え、1977年は61盗塁を記録している。
アクーニャJr.のシーズン最多は、どちらも2019年の41本塁打と37盗塁だ。ここまでの70試合で15本塁打と30盗塁を、162試合に換算すると、シーズン全体では34~35本塁打と69~70盗塁。史上初の「30-60」あるいは「30-70」に到達する。
また、2019年は、70試合で15本塁打と9盗塁だったことからすると、今シーズンは「40-50」や「40-60」のチャンスもありそうだ。机上の計算になるものの、今シーズンの70試合と2019年の71試合目以降に記録した、ホームランと盗塁をそれぞれ合計すると、ホームランは41本(15+26)、盗塁は58(30+28)となる。
今シーズンの場合、盗塁に関しては、牽制の回数制限やベースの拡大、ピッチ・クロックの導入が、追い風になっていると思われる。
ちなみに、「30-50」は過去に2人。1987年に37本塁打と50盗塁のエリック・デービスと、1990年に33本塁打と52盗塁のバリー・ボンズだ。それぞれのチーム――シンシナティ・レッズとピッツバーグ・パイレーツ――が70試合を終えた時点では、デービスが22本塁打と29盗塁、ボンズは13本塁打と20盗塁だった。