自分がシニアになったことを実感する瞬間とは
「小さな文字が見えづらい」「名前が出てこない」シニア自覚症状
人は誰でも時間の経過と共に歳をとる。単なる時間の経過以外に、自分自身の変化によってもその事実を知ることになる。その実情、具体的項目について、ソニー生命保険が2014年9月に発表した調査結果「シニアの生活意識調査2014」(50歳から79歳を対象、50代と60代+70代・男女で均等割り当て)から確認していく。
今調査対象母集団に「どのような状況が発生した、気が付いた時に『自分が歳を取ったか』と自認するか」について、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。最上位の項目は「小さな文字が見えづらい」だった。いわゆる老眼というものの進行を自認した瞬間である。
この症状は本や雑誌、新聞を好んで読む人には辛い話。「見えづらい」ならまだしも、老眼鏡の類を使わないと文字の判別が出来にくいとなればなおさら。
次いで多いのは「人やモノの名前がなかなか出てこない」で54.8%。記憶力は誰しも減退していくものだが、個人差は大きい。また単なる老化現象ではなく、病気による場合もあるので、症状が激しい時には留意が必要となる。
以上2項目が過半数超えで、以下は「白髪が増えた」「運動の際に思ったよりも体が動かない」が4割台。白髪はまだ見た目だけだが、「若い頃と同じような感覚で体を動かそうとしたが、いうことを聞かない」場合は怪我などにつながることがある。運動とまではいかないまでも、普通の歩行でちょっとした段差を飛びこし損ねたり、階段を登ろうとして段差を登りきれずにぶつけてしまうなどのトラブルを起こしかねない。
これらも含めた上位項目は、大よそ「見た目」「身体の衰え」「頭の衰え」の3タイプに大別できるのがポイント。
男女で大きく異なる「歳を取った」実感
男女別で仕切り直すと大きな違いが確認できる。
「白髪が増えた」「しわが増えた」「髪のボリュームが減った」「若く見られて嬉しかった」など、見た目の点では女性の方が男性より大きな値を示している。特に「しわ」「白髪」は格段の差異が生じている。女性には「見た目」は非常に重要な要素で、そして歳を経てもなお乙女であり続けることが分かる。
一方、「運動の際に思ったよりも体が動かない」「すぐに息切れした」のような運動系は男性の方が高い値を示している。身体を動かす機会が多いだけに、老化による変化も気が付きやすいのだろう。
男女別で順位を見ると男性は「見えづらい」「体が動かない」「名前が出てこない」「白髪が増えてきた」、女性は「名前が出てこない」「見えづらい」「白髪が増えてきた」「しわが増えた」。女性の最上位に「名前が出てこない」がつくのは少々意外さを覚えるが、他は大体なるほど感を覚える順位ではある。
これら要件の老化は個人差があり、必ずしもすべての人がこの順番で具体的変化を生じるわけでは無い。もちろん目安としては十分に役立つはずだ。
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