太平洋に3つの渦 台風は日本・朝鮮半島に上陸、ハリケーンはハワイ直撃か
現在太平洋では、西部に台風19号と20号、そして中部にハリケーン・レインが発生しています。今後台風は朝鮮半島や日本に上陸、ハリケーンはハワイを直撃するおそれがでています。
【台風19号 (国際名Soulik)】
気象庁の予想によると、19号は「非常に強い勢力」のまま、今夜には奄美地方に最接近する見込みです。
その後23日夜には朝鮮半島に上陸する予想となっています。仮に韓国に上陸した場合は、2012年台風16号以来、北朝鮮の場合は2015年9号以来の上陸となります。
なお19号は左右対称の綺麗な円形と大きな目が特徴的です(写真上)。こうした台風は「環状台風」と呼ばれ、勢力がなかなか弱まらないことが知られています。
【台風20号 (国際名Cimaron)】
21日正午現在、20号の中心はサイパンの北に位置しています。22日には「強い台風」へと発達し、23日夜頃に四国や紀伊半島周辺に上陸する見込みです。もしそうなれば、今年3個目の上陸台風となります。その後25日から26日にかけて、北海道に接近する予想となっています。
【ハリケーン・レイン (Lane)】
一方中部太平洋では、ハリケーン・レインが発達しています。勢力は、日本時間21日正午現在、ハリケーンの分類で上から2番目に強い「カテゴリー4」です。(「猛烈な台風」に相当)
米気象局の予想によると、レインは週末にかけてハワイ本島に接近または直撃する恐れがあります。ハワイは昔からハリケーンの直撃がほとんどなく、前回の記録は1992年カウアイ島を直撃したハリケーン・イニキです。イニキはハワイ史上最も多くの被害を出したハリケーンで、5,000棟以上の家屋が損壊、また31億ドルもの経済損失が出ました。
太平洋で異変
今年太平洋は、例年になく多くの熱帯低気圧が発生しています。先週は5日連続で台風が発生し、史上初の記録となった他、今月はこれまでに8個の台風が発生し、例年を上回るペースです。
また、日付変更線を挟んだ反対側の海域でも、今年はこれまでに例年を上回る6個のハリケーンが発生しています。中でも先週ハリケーンから台風17号に変わったヘクターは、7日以上もカテゴリー3(最大風速50メートル~)以上の勢力を維持し、この海域における史上最長記録となりました。
160年ぶりにハリケーン襲来の恐れ
こうした太平洋の異変は、海水温が例年よりも高いことが一因です。今月、米西岸サンディエゴ沖の海水温も観測史上最高温度を記録し、1858年以来ハリケーンの上陸の記録のないカリフォルニア州に、160年ぶりにハリケーンが上陸する可能性も危惧されています。