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現役最年長、いぶし銀の名棋士・桐山清澄九段(74)通算1000勝にはわずかに届かず引退決定

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月22日。大阪・関西将棋会館において第35期竜王戦5組昇級者決定戦1回戦▲桐山清澄九段(74歳)-△伊奈祐介七段(46歳)戦がおこなわれました。

 桐山九段先手で戦型は四間飛車。桐山九段は中盤でリードを奪う場面も見られましたが、終盤で逆転。最後は桐山玉が詰んで、118手で伊奈七段の勝ちとなりました。

 桐山九段は4組昇級の可能性がなくなったため、規定により、引退が決まりました。次戦の残留決定戦が最後の公式戦となります。

 桐山九段は1966年、18歳で四段に昇段。75年、A級に昇級し、八段に昇段。以来14年間、A級の在籍し続けました。タイトルは棋聖3期、棋王1期。玄人受けのする渋い棋風は「いぶし銀」と讃えられました。

 門下からは矢倉規広七段(47歳)と豊島将之九段(31)が棋士となりました。

 桐山九段の通算成績は996勝957敗(勝率0.510)。1000勝にはわずかに届きませんでしたが、確固たる実績を残し、今期竜王戦を最後に、現役生活にピリオドを打つことが決まりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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