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ローテ危機のソフトバンクを救うのは……山田、笠原、「ドラ1」コンビは?

田尻耕太郎スポーツライター
二軍戦で好投を続ける山田。昇格となれば筆頭候補か

タマスタで今季初ナイター

5月16日、ソフトバンクはウエスタン・リーグで中日と対戦した。

【5月16日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,218人】

中日     000200000 2

ソフトバンク 000010000 1

<バッテリー>

【D】○小熊(1勝1敗)、小川、祖父江、ロンドン、S浅尾(3セーブ)――赤田、武山

【H】●山田(3勝2敗)、岡本、小澤、児玉――栗原

<本塁打>

なし

<戦評>

今季初のタマスタ筑後でのナイター。ホークスは3度の満塁機で決定打が出ずに惜敗した。初回は2死から3番吉村のヒットなどで塁をすべて埋めたが、6番城所が一ゴロに倒れた。6回は1死満塁から8番高田と9番曽根が凡退。8回も1死満塁を作ったが、代打の斐紹が二ゴロ併殺打に打ち取られた。

先発の山田は6回2失点。失策がらみの失点で自責は0も敗戦投手となった。(了)

千賀離脱? 鷹先発陣大ピンチを救うのは誰だ

タマスタ筑後は今年初のナイター試合で18時開始。

同時刻に始まった一軍の京セラドームで、プレーボール早々に大アクシデントが起こった。

ここまでリーグトップタイの5勝を挙げている千賀滉大が、まさか1回途中でわずか9球を投げただけで緊急降板したのだ。その後、ソフトバンク球団から「背部の違和感のため降板致しました。念のため、大阪市内の病院にて検査を受けます」と発表があった。

千賀の離脱となれば、ソフトバンク先発事情はさらに火の車だ。現時点で和田毅と武田翔太がリハビリ組におり、具体的な復帰の目途はまだ立っていない。当初は中継ぎ要員だった寺原隼人が先発ローテ入りしているのが現状である。

山田大樹が見せる、昨年とは違う投球内容

直近4戦の防御率0.64は見逃せない数字
直近4戦の防御率0.64は見逃せない数字

タマスタ筑後の二軍戦。先発したのは11年目の山田大樹だった。開幕当初は振るわなかった左腕だが、ここ1か月は好投を続けている。この日の試合も6回を投げて被安打4、与四球0。2失点したが失策がらみで自責点は0だった。

山田の直近登板は以下のとおりだ。

5月7日  vs広島(八代)   8回 8安打 6三振 0四球 1点

4月30日  vs広島(由宇)   9回 6安打 4三振 1四球 1点

4月23日  vs広島(雁の巣)  5回 1安打 3三振 2四球 0点

この日も含めた4試合では28回を投げて自責点2。防御率0.64の安定感だ。

好調に転じた要因として挙げられるのはフォームの安定だ。

「いいフォームを見つけることが出来ました。今までは右足を上げたところから余計なことを考えすぎていました。今は、いい意味で“惰性”で投げている感じ。すごく楽に投げられているし、フォームの再現性も高くなっています」

昨年は、ファームで好投するも一軍で通用しなかった。今年はその二の舞にならないよう、変化球ではなく直球系に磨きをかけている。山田クラスの変化球ならばファームで抑えられて当たり前。力で押すスタイルで結果を残すことに意味があるわけだ。

若田部健一二軍投手コーチも「ずっとイイ準備はできている。投球のテンポが非常にいい。今日はちょっと球が高かったけどね」と評価した。仮に千賀の離脱となれば、一軍昇格の一番手として名前が挙がる可能性が高い。

笠原、高橋、松本の近況は?

また、先発の昇格候補としては5年目左腕の笠原大芽の名も首脳陣から挙がる。今季8試合に登板して2勝0敗。防御率1.64はウエスタン・リーグ2位だ。今年はチーム事情から中継ぎとしてシーズンを戦う準備を進めていたが、4月中旬から先発に戻った。再転向後、すでに4試合に先発しており準備は万端。次回は18日(木)のウエスタン中日戦(タマスタ筑後)に先発登板する見込みだ。

昨年、一昨年のドラフト1位右腕の2人も一軍で見たいところ。2年目の高橋純平はここまでウエスタンで5試合に登板して0勝1敗、防御率2.25。直球の威力は前述の2人をはるかに上回るところがあるも、やや安定感に欠けるのが難点か。今日17日のウエスタン中日戦(タマスタ筑後)で先発予定だ。

現在一軍にいる3年目の松本裕樹は、「タカガールデー」だった14日の一軍戦(楽天戦=ヤフオクドーム)で今季初登板した。結果は1回3分の2を投げて2失点。2イニング目に崩れた点を、一軍首脳陣は厳しい目で見ていた。それでもこの日は最速146キロをマーク。直球の力強さを最重要課題にしていただけに、明るい兆しも示したが、一軍先発のチャンスはまだ先か。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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