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HSPの私が、「歳を重ねるごとに鈍感になる人、敏感になる人」というお話をいたします。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

私(竹内成彦)は、恥ずかしながらHSPです。
HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソンの略で、
感覚が敏感で、刺激を受けやすいという特性を生まれつき持っている人…のことです。

私は、その昔、まだ今のようにHSPという言葉が流行ってない頃、あるHSPの集まりに参加したことががあります。参加してみて、「ここは私のような者が来るところじゃないなぁ」と強く思いました。というのは、皆さん、私とは全然レベルが違っていました(私ほど、HSPが重篤じゃない人ばかりだった…という意味です)し、そこには社交不安障害の人、自意識過剰の人、コミュ障の人が、大勢集まっていたからです。

数年前のこと。私は、己の酷いHSPを何とかしたくって、メンタルクリニックへ行ったことがあります。←メンタルクリニックへは、よくよく選んで行かなければなりません。何故なら、医師の中には、「HSPが何たるものか?」よくわかってない方が、大勢いるからです。

私が行ったクリニックの医師は、「残念ながら、過敏を治す薬はありません」とハッキリおっしゃいました。けれど、その次に、大変に興味深いことを言いました。「齢を重ねるごとに、だんだんHSPの症状が軽くなる人と、酷くなる人がいるのですが、残念ながら、竹内さんは後者です」と…。

私は、「あっ!」と思いました。
私は子どもの頃から、HSPだったのですが、10代の後半から30代前半までは、その症状(特徴と言ったほうがいいでしょうか?)が、そんなに酷くなく、本当に酷くなり始めたのは、40代も後半になってからなのです。

さらに、その精神科医は言いました。「多くの人は、自分に関係のない小さな刺激は、脳が勝手に無視するように出来ています。そう、自分に全く関係のない刺激は、自分の感覚がそれを捉えないよう、頭にヘルメットをかぶっている感じなのです。でも、竹内さんの場合は、違うんですね。竹内さんの頭は、ヘルメットではなくザルなので、どんな小さな刺激でも、その網の目をくぐりぬけて、どんどん頭に中に入って来るようになっているのです。そして、竹内さんがかぶっているザルの目は、齢を重ねるごとに、その大きさが大きくなってしまったのでしょう」と…。

そうか! そうなんだ! 私の頭は、ザル頭なんだ!!

私は、その説明が大変にわかりやく、合点がいきました。
私は言いました。「ザルの目を若い頃のように、また小さく細かくする方法はないのですか?」
その医師は、首を横に振り、「ないですね。自分のHSPとは、上手につきあっていくより他ないです」と言いました。

私は、「HSPは個性だから」とか「HSP は、その人の繊細な性格だ」と言われても、全然納得できません。私自身、不便で不自由で、どうしようもないからです。
で、私は私なりに工夫と研究を重ね、食事療法と運動療法でかなり改善することが出来るようになりました。←今も実践中です。
今の私は、そうですねぇ、20~30代の頃のようにはなってないですが、40~50代の頃に比べたら、かなりマシになっているのではないかと思っています。

HSPは、齢を重ねるごとに症状が軽くなる人、齢を重ねるごとに症状が重くなる人、いろいろいらっしゃるかと思うのですが、あなたは如何ですか?

願わくば、敏感になっていくより、鈍感になっていったほうが幸せかと思うのですが、あなたはどう思われますか?
ちなみに、齢を重ねると、HSPの症状が軽くなる人のほうが、割合としては多いようです。←私も本当はそうなりたかったです。ちびまる子ちゃんのおじいちゃん、ともぞうさんのように、ちょっとボーッとした人です。←憧れます。

私は、今後も自分のザル頭と共存して生きていく所存です。
そして、自分がかぶっているザルの目を細かくするよう、適度な運動と適切な食事を心掛けていこうと思います。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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