東北の山はもう雪の季節 今年の冬の雪や寒さは?
気が付けば2020年もあと2か月余り。東北ではすっかり秋らしい冷え込みの日が多くなってきています。標高の高い山の山頂付近では雪も降るようになってきていて、初冠雪も続々と観測されています。
東北地方で言えば、今月15日に青森の八甲田山、17日に岩手の岩手山、25日には宮城の蔵王山、山形の月山、福島の吾妻山…と各県を代表するような山の頂上が雪に覆われるようになってきています。いずれもほぼ平年並みの初冠雪です。
(秋田県は10月27日現在でまだ初冠雪の観測なし)
昨年はなかなか大陸からの寒気がやってこなかったため初冠雪は平年より遅く、また冬を通してみても記録的暖冬・少雪になりましたが、ここまでは順調に季節が深まってきていると言っていいでしょう。
寒さも雪の量も「平年並み」の冬?
ではもうすぐやってくる冬はどうなるのか。23日に気象庁が発表した、11月から来年1月にかけての3か月予報では、東北地方は気温「ほぼ平年並み」降水量「ほぼ平年並み」日本海側の降雪量「ほぼ平年並み」と、何とも平坦な予想になっています。
ただこれは「寒くなる要素がない」というわけではありません。
現在、赤道付近の海ではラニーニャ現象が発生していて、冬には大陸からの寒気が流れ込みやすくなる可能性があります。ただ同時に地球温暖化が進んでいるため気温は高く、この2つを差し引きした結果「平年並み」という予想になっているものです。
しかもこうした3か月予報においては、北日本の冬の天候を大きく左右する北極振動が考慮されていません。
北極振動とは、北極の気温が高ければ日本付近は寒くなり、反対に北極の気温が低ければ日本付近が暖かくなるという現象で、特に北日本では大きな影響を受けます。
ところがこの北極振動は、エルニーニョ・ラニーニャなどに比べると規模の小さい現象であるため3か月予報では考慮されていません。
仮に、現在予想されている「平年並み」の寒さのところに、北極振動でさらに寒気が流れ込みやすくなれば、平年以上に寒くなりますし山では雪も降るようになるでしょう。
今後発表される最新の1か月予報などに留意しつつ、雪への準備をするようにしてください。