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WBCバンタム級タイトル空位決定戦に出場するノニト・ドネア

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:REX/アフロ)

 現地時間の7月15日、ノニト・ドネアがWBCバンタム級タイトル空位決定戦に出場する。場所はネバダ州ラスベガス。

 2度にわたって井上尚弥に敗れたものの、42勝(28KO)7敗の40歳がフライ級、バンタム級、スーパー・バンタム級、フェザー級でタイトルを獲得したことは、ここで述べるまでもないだろう。

 近年は、2019年11月に井上に判定負けした後の再起戦(2021年5月)でノルディン・オウバリをKOしてWBC王座を奪還。今回も、2022年6月の再戦で井上尚弥に2回KOで敗れて以来のファイトとなる。

 彼の闘志には頭が下がる。

写真:REX/アフロ

 ドネアは語った。

 「私はベルトを持ち帰るために7月15日にリングに上がる。こんな機会を与えてくれたチームに感謝しているし、このチャンスを最大限に生かすためにハードなトレーニングを積んできた。本当に速いスパーリングパートナーを何人か呼んだし、トレーナーもディフェンスのポイントを指摘してくれた。試合をするのが待ちきれない」

写真:ロイター/アフロ

 対戦相手のアレクサンドロ・サンチアゴは、メキシコ・ティフアナ出身の27歳で、戦績27勝(14KO)3敗5分。2021年11月にゲイリー・アントニオ・ラッセルに0-2の判定で敗れて以来、3連勝してこの試合を迎える。

 サンチアゴは、2018年9月にIBFスーパーフライ級タイトルマッチを経験しており、この時は三者三様のドローに終わっている。昨年10月にはアントニオ・ニエベスを7ラウンドでストップし、5つの引き分けの1つの相手にリベンジした。

 サンチアゴも話した。

 「長い間待ち望んでいたチャンスを与えてくれた周囲に、感謝する。IBFスーパーフライ級戦で引き分けてから、また世界タイトルマッチの機会を窺っていた。今回のキャンプは素晴らしいし、すごくハードに動いている。

 自分の世代で最も偉大な選手の一人であるノニト・ドネアと戦えるなんて、とても光栄だ。しかし、これは私が輝く時間だ」

 どんなファイトになるか。ゴングまで残すところ、9日だ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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