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福岡のラーメンシーンを席巻する豚骨ラーメン店〈辛味入りクサうま豚骨「博多レッド」が総本店に新登場!〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

豚骨ラーメンのイメージと言えば、まず「濃厚」というのが思い浮かぶのではないだろうか。そんな中、創業わずか5年で今の「福岡の豚骨ラーメンシーン」を席巻し続けている、最も勢いのあるお店〈博多ラーメン駒や〉のスープは、旨みたっぷりながらもシャバシャバとした口当たりでとても軽やかで飲みやすい一杯に仕上がっている。その起源となるのは「駒や」の創業の地でもあり、店主が生まれ育った福岡県福岡市東区馬出(まいだし)の「懐かしい記憶の中にある博多ラーメン」。

昔懐かしい「臭くて旨い」を再現した一杯

熟成から生まれる「クサうま」の博多ラーメンを再現したい。そんな店主の想いから、幼い頃の記憶をたどり再現していく作業がはじまる。その当時、馬出の町内や近隣には、博多ラーメンの起源の一つとされる老舗ラーメン店「博龍軒」をはじめ、名店と呼ばれるお店が数多く存在していた環境下。その頃に育んだ記憶に残る懐かしい味を再現しようと試行錯誤を続けた結果、現在の「駒やのラーメン」の基礎となる「クサうま」な一杯が誕生した。

今の「駒や馬出創業店」のラーメン近影(2024年5月26日現在)。
今の「駒や馬出創業店」のラーメン近影(2024年5月26日現在)。

昔ながらの一杯が博多ラーメンの新基軸に

昔ながらの「クサうま」をめざした結果、それが今では新しい。そんな逆転現象が起こっている福岡。近年、豚骨ラーメンが全国区になっていく過程で「臭み」を無くしていく方向性や「濃厚」を際立たせる方向性など、本来地元の方が「懐かしいと感じる」方向からは、かけ離れていく傾向にあった。臭みを一切感じないとか、トロミの強い濃厚さのある個性的なスープとか、どちらかと言えば一般的に受け入れやすいものや分かりやすいものが「博多ラーメン」の主流のイメージへと変化していった。

それが、見た目は茶褐色の色味と泡立ちのあるスープで、一見すると濃厚そうに見えるけど、実際はシャバ系と呼ばれる、熟成されたスープの旨みがたっぷりながらもシャバシャバとした軽やかな口当たりの「クサうま」が癖になる逸品として徐々に話題に上りはじめてきたここ数年。決して近年の主流ではなかったかもしれない個性で(全国的な)世間一般で思われている「豚骨ラーメン」のイメージとは一線を画す存在として昇華。結果として、どこにも似ていない現在の「新基軸」となりうる臭くて旨い一杯が完成した。

今の「駒や総本店」のラーメン「博多レッド」近影(2024年5月26日現在)。
今の「駒や総本店」のラーメン「博多レッド」近影(2024年5月26日現在)。

そして「駒や」の勢いはさらに続く

2024年の1月1日。つまり元日に、福岡県糟屋郡宇美町光正寺に3号店となる〈博多ラーメン駒や総本店〉を、ラーメン店がひしめく県道68号線(通称ドラゴンロード)沿いに新規開業した(それに伴い馬出の本店は「博多ラーメン駒や馬出創業店」となる)。

それから5ヵ月の月日が過ぎ、ようやく〈博多ラーメン駒や総本店〉へ初訪問する機会が訪れる。休日のお昼過ぎにドラゴンロードを南下し現地へ到着。ゆったりスペースのある専用駐車場に車を停め、店頭の大きな看板をはじめて眺める。実は自身が撮ったラーメンの写真を使っていただいているという不思議な感覚(ちょっと嬉しい笑)。店内に入り引き戸を開けると広々とした空間の中に、存在感のある大きなカウンターが設置されていた。一番奥の席に座らせていただき、馬出の創業店に最近まで居た馴染みのスタッフさんも居らして、初めてのはずなのに懐かしい雰囲気もありとても居心地の良い空間になっていた。

総本店限定「博多レッド」をいただく

カウンター席に落ち着いたところで、この日の選択は、総本店限定のメニューで新登場の「博多レッド」を注文。麺は、辛さの度合いが分からないので「唐辛子練込麺」は控えて、通常の細ストレート麺を選択した。(ちなみに麺は、老舗製麺所「宝フーズ」謹製で麺そのものがとても美味しい一品)

通常のお昼のメニュー。※「博多レッド」は載ってない。
通常のお昼のメニュー。※「博多レッド」は載ってない。

待つことしばし。配膳された一杯は、真っ赤な辛味だれが見た目の印象を際立たせる、すでに美味しそうな「博多レッド」。まずは辛味だれの影響の少ない部分のスープと麺を啜ると慣れ親しんだ「クサうま」を感じながらも「馬出創業店」と比べるとカエシの甘みがグッと伝わる博多らしい懐かしさを纏った豚骨スープに仕上がっていて、そのままベーシックな状態でいただいたとしても、しっかりとした個性を感じられる逸品。

この日注文した「博多レッド」がコチラ。
この日注文した「博多レッド」がコチラ。

さらに辛味だれを徐々に加えながらいただくと体の芯から温まるホットな一杯に。また辛味の旨みもしっかりと感じられるため、味変というよりもソレ自体が一杯のラーメンとして成立しているので、辛味入りクサうま豚骨「博多レッド」という感じの仕上がりになっていた。ちなみに、辛さMAXの「博多レッド」には、特別に『覇王』という名前が付けられるほどの激辛仕様のようなので、もし『激辛』にご興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

そんな〈博多ラーメン駒や総本店〉では、開業以来ラーメン一杯1,000円で、替玉は何回でも無料、ご飯のおかわり自由、辛子高菜・キクラゲも常識の範囲内で自由という新たなスタイルに挑戦してみたり、直近では、塩ダレちゃんぽんや冷やし中華、しょうゆラーメンなども提供し、夜はラーメン以外のメニューも豊富に揃え、来るものを飽きさせない様々な挑戦と工夫を現在進行形で続けている。「博多ラーメン駒や」は、これからも変わらず福岡のラーメンシーンを席巻していくだろう。

博多ラーメン駒や総本店

住所  :福岡県糟屋郡宇美町光正寺2丁目14−7[地図
営業時間:11時00分~15時00分(休まず営業中)
    :18時00分~翌3時00分(月・火・木・金・土・日)
定休日 :水曜日の夜
駐車場 :専用駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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