速い、薄い、軽い。M4チップ搭載iPad Proを速攻レビュー
5月15日に発売となるアップル「iPad Pro」と「iPad Air」を数日間、試用する機会を得た。
iPadといえば、先日、楽器やカメラなどをプレスしてしまう動画が炎上。アップルが謝罪し、テレビでの放映を中止するという騒ぎになった。
アップルとしては「様々な楽器やカメラ、ゲーム機などあらゆる機器を詰め込んだにもかかわらず、圧倒的に薄いiPadが出来上がった」とアピールしたかったようだが、大切な道具が潰されてしまう衝撃映像に目を背けたくなる人が多かったようだ。
一方で、15年前、LGエレクトロニクスが制作したCM映像によく似てたなんて指摘もあった。
そんなネガティブな話が先行してしまっているiPad ProとiPad Airなのだが、実際に触ってみると、従来モデルに比べて圧倒的に進化していて本当によくできていると感じる。
つくづく「製品の出来は良いだけに、プロモーション動画が足を引っ張り大失敗している」と残炎でならない。
iPad Proはとにかく薄く、軽くなった。これは従来、液晶を使っていたディスプレイが、有機ELという部品に変わったことで実現した。液晶はバックライトを当てることで画面が見えるようになるが、有機ELは自ら発光して画面が表示される。このバックライトがあるかないかの違いで、軽さと薄さが変わってくるのだ。
今回、iPad Proでは別売りのキーボードも進化し、まるでMacBook Airのような使い勝手を実現している。
新たに登場したApple Pencil Proは、ペンを回したりして、筆先の太さを変えることが可能となった。繊細な筆先の変化が求められる文字やイラストなどに最適なのだ。実際にいろいろと書いてみたが、反応もよく、本当にアナログのペンや筆で書いているように感じられた。
M4というパワフルなチップを使っており、従来モデルよりも、パフォーマンスが大幅にアップしている。
まさに出先でも、写真や動画、イラストなどを操りたいクリエイターに最適なタブレットだ。
ただ、iPad Proは本体価格が16万円以上、キーボードやペンも揃えれば20万超え、メモリ容量を増やしたり5G通信対応にすれば30万円は余裕で超える。
「もうちょっと手が届くiPadが欲しい」となれば、同時発売のiPad Airがオススメだ。
今回、iPad Airはチップがアップデートされている。
スペック的には1年半前に発売された11インチiPad Pro(第4世代)にかなり近いということで、まさに「2年前のハイエンドモデルが値下げされてお買い得になった」というべきだろう。
実際にiPad Airで動画編集を試みたが、実にサクサクと編集することが可能であった。
また、iPad AirではApple Pencil Proが利用可能だ。Apple Pencil Proを使ってみたいが、iPad Proは「高くて手が出ない」と言う人であれば、iPad Airを選択肢に入れるといいだろう。
今回、iPad Airでは11インチに加えて、あらたに13インチモデルが追加となった。アップルでは「iPad Proでは半数以上が大画面モデルが選ばれている」ということで「大画面が欲しいけど、iPad Proは高くて予算に合わない」という人でも、「大画面でありながら、iPad Airでコストも抑えられる」という買い方ができるようになった。
まさにプロ向けの「iPad Pro」と、幅広い人をターゲットにした「iPad Air」という選び方ができるというわけだ。
【一部修正しました】】