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減量中の金正恩総書記 リバウンドせず!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
9月29日の最高人民会議(左)と1月12日の党大会での金総書記(労働新聞から)

 金正恩総書記が一昨日(9月29日)、最高人民会議に出席し、演説を行った。

 外国メディアは金総書記が南北通信線の復元を表明するなど韓国には融和姿勢を示したのに対して米国には対話を拒否するなど依然として強硬姿勢を貫いていたことからその演説内容に関心を払っていたが、米韓の情報機関が注目していたのはその風貌である。

 肥満だった金総書記の激やせが国際的なニュースとなったのは4か月前のことである。

 金総書記は5月6日の軍人家族芸術公演を観覧したのを最後に約1か月間、公の場に姿を現さなかった。そのためまたぞろ韓国から「異変説」や「健康不安説」が流れていた。そうした噂を払拭するかのように金総書記は6月4日に開催された労働党政治局拡大会議に出席したが、明らかに痩せていた。さらに9月10日の建国73周年の閲兵式ではその容姿はさらにスリムになっていた。

 「激やせは病気でなく、減量による」というのが韓国情報機関の分析である。食事療法によるダイエットなのか、トレーニングの賜物なのか、あるいは薬物療法によるものか、減量手法は不明のようだが、金総書記は見るからに痩せてきた。

 金総書記については肥満であるがゆえに高血圧や痛風、心筋系疾患の可能性が取り沙汰されていたが、本人自身健康のため減量に取り組んでいるならば、どこまで我慢して続けられるのか?リバウンドすることはないのか?米韓情報機関が関心を払う理由だ。というのも、金総書記は過去に禁煙にトライして、失敗しているからである。

 金総書記は中毒ではないかと言われるぐらいヘビースモーカーとして知られている。10代半ばから親に隠れて喫煙していた金総書記は政権を継承してからもどこに行っても、タバコを離さない。歩きながらでも、また座っていても目の前のテーブルには必ず灰皿が置かれていた。音楽会や舞踏会でも、妊婦の李雪主夫人が隣に座っていても、また元老や長老らの前であろうがおかまいなしに吸っていた。

 それが、2016年3月15日から約80日間、タバコを絶ったことがある。この年の4月24日付の労働新聞に「タバコが人体に与える影響」との記事が掲載されていたが、金委員長の「革命をやろうとするならば、体も健康でなければならない」との言葉が載っていた。

 全国で禁煙キャンペーンが展開され、朝鮮中央テレビには女性が登場し「朝からタバコを吸う人は健全ではない。周りの環境にも不快感を与えるので非常識だ」と喫煙家を非難するインタビューまで流されていた。ところが、金総書記は我慢できなかったのか、6月4日に新たに建設された万景台少年団野営所を視察に訪れた際にタバコを手にしていた。

 先月(9月)9日の建国記念軍事パレード以来、20日ぶりに姿を現した金総書記の写真や動画をみると、さらに減量しているようだ。全体的に頬の肉が縮んだ感じがするし、顎のラインも少し露出していた。1月の党大会の時と同じ眼鏡をかけていたが、耳のあたりをみると、つるも食い込んでいない。どうやら今のところ、リバウンドしないよう努めているようだ。

(参考資料:マル秘資料「金正恩Xファイル」)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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