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「ここまでは出来すぎの結果」「立場に見合う実力をつけていけたら」最年少五冠・藤井聡太新王将コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太新王将「(渡辺明王将の作戦選択は矢倉で)序盤から常にこちらの攻めを催促されているような形で。常に忙しい展開なのかなというふうに思っていたんですけど。中盤で(62手目、銀取りの)△4四桂に▲7四歩と打たれて、ちょっとそうですね、その手が見えていなかったので。うーん、そこでどう指せばいいか、わからなかったので。封じ手(72手目)のあたりは少し自信がないのかな、というふうに思っていました。(2日目に入り76手目)△4四銀から△4三金左として少し、こちらの玉の耐久力がある形なのかな、と思っていたんですけど。そのあとも(85手目)▲8六角からかなり迫られる形で、ちょっとよくわからなかったです。ちょっと形勢判断ができない場面が多かったなという気がします。(七番勝負で4連勝という結果について)終わったばかりなのでなかなかまだ実感がないところはありますけど。今回七番勝負、8時間という長い持ち時間で対局して、改めていろいろ勉強になるところが多かったので、それを今後に活かしていけたらと思います。(今回立会人の中村修九段の記録を抜き史上最年少王将に)そのことはまったく意識はしていなかったんですけど・・・。王将はとても歴史のあるタイトルなので、今回、取ることができてうれしく思います。(史上4人目の五冠となったことについて)自分の実力を考えるとここまでは出来すぎの結果なのかなあ、と思いますし、今後、なんとかそういう立場に見合う実力をつけていけたらと思います。(今年度、残りの対局は来月のB級1組最終戦・佐々木勇気七段戦ぐらいだが)来月の順位戦も自分にとっては大きな対局になるので、悔いのないように指せればと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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