WBCでは大谷リレーが必勝リレーに?ロッテ・大谷は歴代屈指のリリーフエースだ
ロッテ・大谷が残した圧巻の数字
56試合 3勝1敗32ホールド 防御率2.39
昨季、中継ぎとして好結果を残したロッテの大谷、大きく注目を集めることはなかったが、1イニング当たり何人の走者を許したかを示すWHIPが0.97、四球を1つ与える間にいくつの三振を奪ったかを示すK/BBが10.60ととんでもない数字を残している。
防御率が結果を表すのに対し、WHIPは投球の安定感を表す。1.2を切れば優秀とされており1.0を切ればリーグを代表する投手。K/BBは3.5以上が優秀の目安でこの数値の高い投手は奪三振能力と制球力に優れた完成度の高い投手と言える。昨季、規定投球回に達しWHIP1.0未満、K/BB3.5以上の投手は巨人・マイコラスと日本ハム・大谷の2人しかいない。先発とリリーフの違いはあるが、ロッテ・大谷の残したWHIP0.97、K/BB10.60という数字は圧巻だ。もちろんこれは2勝4敗40ホールド3セーブ、防御率3.04でパリーグの最優秀中継ぎ投手に輝いた西武・増田のWHIP1.07、K/BB4.13をどちらも上回る。各球団の絶対的守護神達と比べてみても
ヤクルト・バーネット WHIP0.89 K/BB2.95
阪神・呉昇桓 WHIP1.15 K/BB4.13
DeNA・山崎康 WHIP0.87 K/BB6.00
ソフトバンク・サファテ WHIP0.63 K/BB7.29
日本ハム・増井 WHIP1.05 K/BB3.74
楽天・松井裕 WHIP0.90 K/BB3.68
昨季に限らず近年のリリーフエース達と比べてみても
阪神・藤川(2008年) WHIP0.69 K/BB6.92
ヤクルト・林昌勇(2010年) WHIP0.86 K/BB3.31
中日・浅尾(2011年) WHIP0.82 K/BB6.67
その内容は全く遜色ない。
WBCでは大谷リレーが侍ジャパンの必勝リレーとなる可能性が
侍ジャパントップチームの権藤投手コーチは大谷翔平の守護神起用の可能性に言及していた。抑え投手の条件としては
・奪三振能力が高いこと
・無駄な四球を出さないこと
・強靭なメンタルを持っていること
が挙げられる。大谷翔平は9イニング当たりの奪三振数が10.98で与四球は2.58、K/BBは4.26だからメンタル面を数字で測ることは難しいが奪三振と与四球に関しては文句なし。しかもWHIPも0.91とかなり優秀。権藤投手コーチの発言はあくまでも可能性の一端を示したに過ぎないが、これだけのパフォーマンスを先発で発揮出来るならば抑えではなく長いイニングを投げてもらった方がチームにとってはありがたいはず。
ロッテ・大谷は昨季だけでなく2014年もWHIPは0.91と1.0を切り、K/BBも4.00と安定感抜群だ。報徳学園のエースとして選抜優勝を飾り、卒業後は早稲田大学、トヨタ自動車とアマチュアトップチームで活躍。プロ入り後はどちらかと言えば地味な存在だったが、この投球を国際試合の舞台でも出来れば小久保ジャパンにとって大きな戦力となることは間違いない。来年行われるWBCでは大谷リレーが侍ジャパンの必勝パターン、そんな構想が浮かび上がっているかもしれない。