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ジャーボンテイ・デービスはランク外。ESPNが報じたパウンド・フォー・パウンドで井上尚弥は2位

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:山口 裕朗

 一昨日はCBSが発表した<パウンド・フォー・パウンド>をご紹介したが、

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230501-00347470

スポーツ総合チャンネルESPNが4月26日に報じた同ランキングは、似たような顔ぶれであっても異なった順位だった。

 特に目を引いたのは、CBSが8位として初めて名を挙げたジャーボンテイ・デービスをランク外とした点だ。同局ライターのベン・ベイビーは、ライアン・ガルシア戦の勝利がパウンド・フォー・パウンド・ランキングに食い込むほど印象的なものだとは思わないそうだ。ベイビーは論じた。

 「2つのことが言える。デービスは今、ボクシング界最大のスターとなるべき位置にいる。同時に真のパウンド・フォー・パウンドになるには、まだ十分なことをしていない。デービスは2020年10月、レオ・サンタクルスをノックアウトしてWBA130パウンドの『スーパー』タイトルを獲得して以来、主要なベルトを保持していない。一方、シャクール・スティーブンソンはオスカー・バルデスを倒して、ジュニアライト級の4つの主要ベルトのうち2つを獲得している。デイビスが同じようなリスクを背負うなら、ボクシングのトップチャンピオンにしか許されないステータスが与えられるだろう」

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 元世界チャンプのティモシー・ブラッドリー、アンドレ・ウォード、マイク・タイソンのトレーナーだったテディ・アトラス等、識者20名によってESPNがセレクトしたPFPトップ10は以下になる。

 1位、テレンス・クロフォード(WBOウエルター級王者) 39戦全勝30KO。

テレンス・クロフォード
テレンス・クロフォード写真:ロイター/アフロ

 2位が23戦全勝20KOの井上尚弥。

撮影:山口 裕朗
撮影:山口 裕朗

 3位はWBA/IBF/WBOヘビー級チャンピオンのオレクサンドル・ウシク。20戦全勝13KO。

オレクサンドル・ウシク
オレクサンドル・ウシク写真:ロイター/アフロ

 4位がWBA/WBC/IBFウエルター級チャンピオン、エロール・スペンス・ジュニア。28戦全勝22KO。

エロール・スペンス・ジュニア (C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions  
エロール・スペンス・ジュニア (C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions  

5位はWBA/WBC/IBF/WBOスーパーミドル級チャンプのカネロ・アルバレス。57勝(39KO)2敗2分。

カネロ・アルバレス
カネロ・アルバレス写真:ロイター/アフロ

 6位がWBAライトヘビー級チャンプのディミトリー・ビボル、21戦全勝(11KO)。7位がWBCヘビー級王者のタイソン・フューリー、33勝(24KO)無敗1分。8位がWBC/IBF/WBOライトヘビー級統一王者のアルツール・ベテルビエフ、19戦全勝19KO。9位がフェザー、スーパーフェザーに続きライト級でも世界王座を狙うシャクール・スティーブンソン、20戦全勝10KO。そして10位が、統一ライト級チャンピオンのデヴィン・ヘイニー、29戦全勝15KO。

 「実際に戦うわけではないので、パウンド・フォー・パウンドなど語るに値しない」という声もあるが、現在のボクシング界では必ず述べられるものでもある。

 さて、この記事を読んだ皆さんは、どんなPFPを選ぶだろうか?

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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