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プレサンス事件の取調べで検事が被疑者を「陵虐」か 異例の付審判決定に思うこと

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:イメージマート)

 大阪地検特捜部が手掛け、不動産会社元社長の無罪が確定したプレサンス事件を巡り、大阪高裁は8月8日、田渕大輔検事(司法修習52期)を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付すという異例の決定を下した。元社長の部下を取り調べた際、机をたたき、「検察なめんなよ」などと罵倒し続けるなどの「陵虐」に及んだとされる容疑であり、検察による不起訴処分は不当だという。付審判請求の認容率はわずか0.07%にとどまる上、検事に関して認められるのは史上初であり、この決定が法務・検察に与えた衝撃は計り知れない。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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