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自己愛性パーソナリティ障害者を見ました。(特徴と治す方法について)

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「自己愛性パーソナリティ障害者を見ました」というテーマでお話しいたします。

先日、私は、イオンの中に入っているレストランでパスタを食べていました。そうしたら、紙パックにストローを差した30歳前後とおぼしき女性が、ジュースを飲みながら店に入って来ました。
私は、「この人、ここをフードコートと間違えているな」と思いました。
すると、その女性の存在に気付いた店員が、優しく声をかけました。
「お客様、こちらはレストランです。飲食物の持ち込みはご遠慮ください」
すると、その女性は、いきなり大声でキレたのです。
「何言っているのあなた。失礼じゃない。
 客に向かってその態度はなによ。責任者を出しなさいよ」と。
女性の声は、店中に響き渡りました。
その女性の怒り方は、尋常じゃなく、常軌を逸していました。
店の中の雰囲気は緊張に包まれました。正に一変という感じです。
私は、ゾッとすると共に、この女性は、典型的な自己愛性パーソナリティ障害者だなと思いました。

自己愛性パーソナリティ障害とは自己愛の未成熟から生じるパーソナリティ障害で、自己誇大や共感性の薄さ、他者からの評価に敏感といった特徴があります。
・この女性は、自分のことを否定された批判されたと思ったのでしょう。
・この女性は、自分のことを特別扱いしない店員に腹が立ったのでしょう。
・この女性は、店員や他のお客さんに迷惑をかけていることに意識が向かないのでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害者は、

① 自分に対して、誇大なイメージを抱いている。
② 他者から、注目や称賛を求める一方で、
  他者からのマイナスな評価に対して過敏に傷つきやすい。
③ 他者に対する共感性が低い薄い。
という特徴を持っています。

私が見た、その女性は、典型的な自己愛性パーソナリティ障害者だと思います。
自己愛性パーソナリティ障害になる原因は、ハッキリとはしていませんが、次の2つと考えられています。
① 生まれつきのものである。普通の人と、ちょっと違う脳を持っている。
② 育てられる過程で、適切な愛情を得られなかった。
  極端にほったらかしにされたか、極端に過干渉であったか、のどちらか? であることが考えられます。

自己愛性パーソナリティ障害は次の3のタイプに分類されます。

① 誇大的・自己顕示的で他者の反応に鈍感な「無自覚型」
② 他者の反応に敏感で注目されるのを避ける「過敏型」
③ 無自覚型と過敏型の両方を併せ持つ「無自覚・過敏型」

私のカウンセリングルームにも、自己愛性パーソナリティ障害の方が来室されることがありますが、私が言葉を選んで、どんなに丁寧にカウンセリングしても、些細なことで激昂したり、泣き出したりすることが多いです。
無自覚型の方は、「俺を怒らせたと」言っては、私に怒りをぶつけ、過敏型の人は、「私を傷つけた」と言っては、私に怒りをぶつけます。
通って下されば、何とか改善することが出来るのですが、それは非常に困難です。彼らは、通うほど根気がないし、そもそも自分の性格を改善しようという気がないからです。

数年に1度ぐらい、自己愛性パーソナリティ障害の方に激しく非難され恐ろしい思いをする私ですが、これも私の使命だと思い、カウンセラーとして、自分の出来ることを精一杯するだけです。
私、心理カウンセラーでも、つき合うのが困難な自己愛性パーソナリティ障害者。この記事をご覧の皆さんには、彼らとはなるべく距離を置くことをお勧めします。そして、パーソナリティ障害、当事者の方は、専門家の許に根気よく通い、自分の問題に向き合ってくだされば…と思います。

最後に、
イオンのレストランで突然怒り出した、その自己愛性パーソナリティ障害の女性ですが、私が店をあとにしようとしている時もまだ怒っていました。時間にして20分以上です。怒っている女性は勿論どうかしているのですが、謝っている店長も謝り方が下手だなあ…と思いました。彼らパーソナリティ障害者には、謝るなら謝る、反論するのなら反論する、とハッキリさせないと、ダラダラと長引くだけです。このあたりは、謝罪の極意を読んで頂ければ幸いです。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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