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台風6号に眼が出現 先島諸島は最大瞬間風速60メートルの烈風に最大級の警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風6号の雲(ウェザーマップ)

最盛期の状態で先島諸島に最接近へ

台風6号の予報円(ウェザーマップ)
台風6号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

タイトル画像にある通り、台風6号は中心付近に台風の眼も確認できるようになり、一段と発達してきている状況です。

きょう20日(火)午後9時の段階では、那覇市の南東約220キロにあり、中心気圧975hPa、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルの強い台風となっています。

今後も西寄りに進みながら、海水温が30度近い海域で発達を続け、あさって22日(木)から23日(金)にかけて、中心気圧955hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートルの最盛期の状態で、石垣島や西表島付近をゆっくりと北西に進む予想です。

なお先島諸島を通過した後、台湾から大陸へ進む予想でしたが、最新の予報円では、真ん中を通ると、台湾へは上陸せずに、北西方向へ進む予想に変わってきています。

また予報円の東側に沿って、東シナ海を北上するような計算もけっこうありますので、先島諸島を通過した後の動きにも注意が必要です。

最大瞬間風速60メートルの烈風に最大級の警戒が必要

風の強さと吹き方(気象庁HPより抜粋、筆者加工あり)
風の強さと吹き方(気象庁HPより抜粋、筆者加工あり)

気象庁が発表している風の強さと吹き方によると、最大瞬間風速60メートルというのは、走行中のトラックが横転し、多くの樹木が倒れるのはもちろん、電柱や街灯で倒れるものがある、ブロック塀で倒れるものがある、住家でも損壊や倒壊するものがあるなど、まさに烈風と呼ぶにふさわしい猛烈な風ということになります。

いくら台風銀座の先島諸島と言えども、最大瞬間風速60メートル以上の烈風の観測は、それほど多くあるわけではありません。

また今回の台風6号は、大変動きが遅く、時速10キロ未満のノロノロ速度で先島諸島付近を通過することもあり、猛烈な風が吹くおそれのある暴風域に、長ければ丸2日程度も巻き込まれるおそれがあります。

先島諸島では、家屋に被害が出るような烈風をはじめ、高さ10メートルの猛烈なしけ、総雨量500ミリ以上の豪雨、高潮などにも厳重な警戒が必要です。

早めの台風対策を行うとともに、早め早めの避難を心がけるようにして下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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