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台風12号を追う不気味な熱帯低気圧、週末にかけて西日本を指向か?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風12号と熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風12号は先島諸島を直撃

台風12号の予報円(ウェザーマップ)
台風12号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風12号が沖縄県の先島諸島付近を北上しています。

きょう12日(月)午前9時現在の勢力は、中心気圧955hPa、最大瞬間風速60メートルとなっており、石垣島のすぐ南海上をゆっくりと北へ進んでいます。

きょう午前9時30分までに観測された最大瞬間風速は、石垣島38.9メートル、波照間37.1メートルなどとなっており、先島諸島では台風12号がゆっくりと通過するため、あす13日(火)にかけて、最大瞬間風速60メートルの暴風が吹き荒れるおそれがあります。

引き続き、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹くおそれがあり、頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、猛烈な風に対して、厳重な警戒が必要です。

またきょう午前9時30分までの24時間に降った雨の量は、波照間356.5ミリ、石垣島281.5ミリなどとなっており、大雨、高波、高潮などにも、厳重に警戒してください。

気象庁発表の情報

不気味な日本の南の熱帯低気圧

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像をみると、台風12号の他に、太平洋にはダブル熱帯低気圧が発生中で、このうち最も東側にある熱帯低気圧は今後新たな台風となる見込みですが、日本のはるか東海上を北上するため、日本への直接的な影響はありません。

一方、不気味なのは日本の南にある熱帯低気圧です。

現在は西寄りに進んでいますが、天気図の変化にある通り、今夜からあす13日(火)にかけて、日本の南海上で動きが遅くなったあと、あさって14日(水)以降、台風12号を追いかけるように北西方向へ進み、週末にかけて西日本方面を指向する計算がとても多くなってきています。

今のところ、日本のモデルではあまり発達せず、熱帯低気圧のまま、あるいは湿った空気として西日本に流れ込む計算が多いものの、諸外国の計算では、台風の勢力に発達しつつ、西日本方面を指向する計算が増えてきている状態です。

アメリカのGFSモデルでは西日本へ

GFSモデルに筆者加工あり(ウェザーマップ)
GFSモデルに筆者加工あり(ウェザーマップ)

参考までに、上図はアメリカのGFSモデルですが、発達しながら台風と思われる勢力で、16日(金)夜には西日本の南海上に北上し、その後さらに勢力を強めつつ、西日本に到達する予想が計算されています。

この予想は、種々あるモデルの中でも、熱帯低気圧が顕著に発達するモデルとみた方がいいのかもしれませんが、諸外国のモデルをみると、台風と思われる勢力で西日本方面を指向する計算が増えていますので、台風12号の後を追うように北西進する熱帯低気圧の動向に十分な注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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