大荒れのアメリカ 「双子竜巻」発生にボート転覆
アメリカ中西部・アイオワ州で19日(木)、多数の竜巻が発生し、ケガ人が出ています。中でも州中部のマーシャルタウンでは、双子の竜巻が発生し、壊滅的な被害が起きました。一方で隣のミズーリ州では強風により観光用ボートが転覆、多数の死者が出ています。
双子竜巻発生、アイオワ州
19日(木)発達した低気圧と前線の影響で、アイオワ州とミネソタ州で多数の竜巻が発生しました。
中でもアイオワ州では28の竜巻報告が寄せられ、これまでのところ17人がけがをしたと伝えられています。マーシャルタウンでは、多数の家屋が全壊、裁判所の建物が損壊、車が吹き飛ばされるなどの大きな被害が出ました。
この場所で撮影された上の写真には、同じようなサイズの竜巻が二つ並んで写っているのがわかります。
ミスタートルネードとして世界的に知られた藤田哲也博士が「双子竜巻」と名付けた竜巻です。同じ親雲から相前後して生まれ、そう遠くない距離で発生します。
静かな竜巻シーズン
19日は竜巻の大発生に見舞われたアメリカでしたが、今年はこれまで竜巻の発生数が記録的に少なく、それに伴い犠牲者の数も少なくなっています。
アメリカの竜巻のピークは4月から6月で、いつもはこの時期には犠牲者が増加するのですが、今年は5、6月ともに死者数が0でした。これは統計開始から数えて、たった2回しかありません。
観光ボート転覆、ミズーリ州
一方同じ嵐が原因で、お隣のミズーリ州ではボートが転覆するという大事故が発生しました。
事故が起きたのは、ファミリーに人気の観光スポットであるテーブルロック湖で「ダックボート」と呼ばれる水陸両用の観光船が転覆、11人が死亡しました。現在も6人が行方不明になっており、捜索が続けられています。
原因はまだ確定していませんが、暴風雨の影響で湖の波が荒かったことが原因ではないかと見られています。
(↑事故があった当時、同じ湖にいた別のボートの乗客が撮影した湖の様子)
ダックボートとは
Telegraphによると、ダックボートはもともと第二次世界大戦において物資や兵士の輸送に使われ、その後改良されて観光用として利用されるようになった水陸両用のボートです。しかしここ20年間で事故が多発しており、2015年にはシアトルでバスと接触し、日本人1人を含む4人の留学生が亡くなっています。
嵐の行方
嵐をもたらした低気圧は今後も東進し、現地時間20日(金)にケンタッキー州やテネシー州に到達する見込みで、さらなる竜巻、強風や雹の発生が予想されています。