13戦全勝10KOのライト級ハードパンチャーに注目だ!
第7ラウンド2分14秒。サウスポーであるフランク・マーティンが放った2つのジャブからの左フックがジェリー・ペレスの顎を直撃し、ペレスはゆっくりと腰からキャンバスに沈んでいった。
カウント・ナインで何とか立ち上がったペレスに、マーティンは猛攻をかける。そして同ラウンド終了直前にレフェリーが試合を止めた。正式なノックアウトタイムは2分59秒。
試合開始ゴングの時点で、12戦全勝9KOだったマーティンに対し、ペレスも13戦全勝10KO。
戦績通り、両者共に自信たっぷりにリングに上がった。
マーティンはジャブの正確さと手数でペレスを圧倒した。攻撃のみならず、ディフェンス面でも巧みさを見せ、相手のパンチを捌く。何よりの強みは、まとめて打てる点だ。何度も回転の速いコンビネーションを見舞う。
ペレスにとってのベストラウンドは4回だった。カウンターの左フックを顔面にヒットし、活路を見出そうとした。同ラウンドだけは、ポイントを稼いだ。
マーティンが405のパンチを放ったのに対し、ペレスは222。スピードにも差があった。
会心の勝利を収めたマーティンは、言った。
「(試合を決めた一発)は、あのラウンドの少し前から狙っていた。左フックで決めたかったが、その距離感を掴み切れていなかった。でも、トレーナーが非常にいいアドバイスをくれ、フィニッシュに繋がったね。
足を使おう、という作戦だった。全てのステップが、ペレスのダメージに繋がったと思う。トレーナーの指示が良かった。非常にいい気分だよ」
「ペレスは頑丈な選手だね。でも、それしか長所が無い。俺に影響を及ぼすものは何一つ見当たらなかった。この勝利は、大きい。さらに上を目指してやっていくよ」
フランク・マーティンは、このまま順当に伸びれば世界のベルトを巻けそうだ。倒し屋であり、フットワークを生かしたディフェンスも光るライト級。注目すべき選手である。