Yahoo!ニュース

会社の昼休みを使って“お昼寝”を提供するユニークなサービスが始まった!

山口一臣THE POWER NEWS代表(ジャーナリスト)
記者発表するボディワークの清水社長(左)とエアウィーヴの高岡会長(筆者撮影)

リラクゼーションサービスの会社と快眠寝具の会社がコラボレーション

 リラクゼーションスペースと寝具メーカーがコラボレーションして、今までありそうでなかったちょっとユニークなサービスが始まった。ビジネス街でカラダほぐしとお昼寝を提供しようというのである。2月末の都内で行われた記者発表に行ってきた。

 発案したのは「ラフィネ」などのブランドで全国にリラクゼーションスペースを展開しているボディワーク(清水秀文社長)と浅田真央さんのCMで知られる寝具メーカーのエアウィーヴだ。もともとエアウィーヴ会長の高岡本州氏がリラクゼーションの施術を受けることが大好きで、ラフィネのヘビーユーザーだったことから2社の「縁」が始まったという。

 サービスの中身は、専門的な研修を受けたラフィネのセラピスト(施術士)が眠るためのツボを刺激して全身をリラックスさせて、そのままエアウィーヴの快眠寝具の上で仮眠するというものだ。施術は15分で、仮眠は15分、30分、45分の3つのコースがある。

 実はこうした短時間の昼寝は「パワーナップ」と呼ばれ、仕事のパフォーマンスを上げる効果があるといわれている。アメリカ航空宇宙局(NASA)で行われた実験によると、昼に26分間の仮眠をとると、認知能力が34%上昇し、注意力は54%も上がったという。昼寝には脳をリセットさせる効果もある。

仕事中の“昼寝”で生産性は確実にアップする!

 日本人の平均睡眠時間はもともと短く、慢性的な睡眠不足に陥っている人も少ないないという。米スタンフォード大学教授で睡眠研究の第一人者の西野精治さんが書いたベストセラー『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)によると、平日の平均睡眠時間は、ストックホルム7.3時間、パリ6.6時間、ニューヨーク6.4時間に対して東京は5.6時間なのだという。

 西野教授はエアウィーヴのアドバイザーでもあり、昼寝の効用についてこう語っている。

「睡眠時間が短い人は日中に仮眠をうまく取り入れると脳の疲れが軽減され、その後のパフォーマンスが上がります。今回のコースのように、頭や手のひらを揉みほぐしてから仮眠をとれば、短時間でも心身の休息がしっかりと行われ、効果をより実感できるでしょう」

施術はこんなふうに行われる(筆者撮影)
施術はこんなふうに行われる(筆者撮影)

 生産性向上のために、社員の昼寝を積極的に取り入れている先進的な企業もある。

 アメリカのGoogle本社がお昼寝用の睡眠マシンを導入したり、日本ではヤフーが2016年9月に移転した本社に社員向けの仮眠スペースを設けたことで話題になった。とはいえ、どこの会社でも昼寝用のスペースを用意することは難しい。そこで、今回のラフィネの新サービスが登場というわけだ。

“お昼寝”なので、実施時間帯は13:00~16:00に限られる。生産性向上という意味では、この時間帯が効果的なのだそうだ。また、リラクゼーションスペースは昼間の時間帯は比較的空いているという事情もある。今回のサービスは会社側にとってはその時間帯の集客の強力な武器にもなりそうだ。

THE POWER NEWS代表(ジャーナリスト)

1961年東京生まれ。ランナー&ゴルファー(フルマラソンの自己ベストは3時間41分19秒)。早稲田大学第一文学部卒、週刊ゴルフダイジェスト記者を経て朝日新聞社へ中途入社。週刊朝日記者として9.11テロを、同誌編集長として3.11大震災を取材する。週刊誌歴約30年。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。2016年11月末で朝日新聞社を退職し、東京・新橋で株式会社POWER NEWSを起業。政治、経済、事件、ランニングのほか、最近は新技術や技術系ベンチャーの取材にハマっている。ほか、公益社団法人日本ジャーナリスト協会運営委員、宣伝会議「編集ライター養成講座」専任講師など。

山口一臣の最近の記事