テレビ出演解禁か!? 10年ぶり『Mステ』出演決定。ケツメイシ、王道を極めるせつな系ポップをリリース
●10年ぶりに『Mステ』出演!
ケツメイシが、メジャーデビュー15周年第一弾シングル『さらば涙 / 君と出逢って』を3月16日にリリースする。1年9ヶ月ぶり、通算31作目となる「さらば涙」は、せつないメロディと、誰もが前向きになれる歌詞の魅力で、王道を極めるポップ・チューンに仕上がっている。オンエア中の、「DHC[F1]スキンケア」CMタイアップ曲としても話題だ。
これまで敢えてテレビ番組に出演することのなかった彼らだが、3月25日(金)放送のテレビ朝日系『ミュージックステーションスペシャル 春に聴きたい~桜&卒業ソングランキング』に10年ぶりに出演が決定しているなど、その動向に注目が集まっている。
CMとリンクする「さらば涙」のミュージックビデオには、モデルで女優の鈴木ちなみが本人役で出演していることも話題だ。迷い傷つきながらも夢に向かって頑張るフォトグラファーのアシスタント女子(金城茉奈)の背中を押すやりとりが惹きつけられる。いつも誰かの為に頑張っている“あなた”にスポットライトを当てた、小さな勇気がもてるストーリーがグッとくる。
両A面、2曲目「君と出逢って」は、大切な人との出会いを歌ったウェディング・バラード決定版だ。ライブに定評を持つケツメイシは、ホールやアリーナを中心に動員力も右肩上がりのなか、8月6日、ついに収容人数日本最大7万人の日産スタジアムにて、一夜限りのお祭ライブ『ケツメイシ 15th Anniversary「一五の夜」〜今夜だけ練乳ぶっかけますか?〜』を開催する。そこでメンバーに2016年のケツメイシについて、聞いてみた。
●シンプルに女性を励ます曲にしたかった
---ケツメイシ15周年第一弾、31枚目のシングル『さらば涙 / 君と出逢って』は、どんな思いで制作されましたか?
RYOJI:DHCさんからCMタイアップのお話をいただいた書き下ろし曲です。テーマのきっかけは、ちょうど、僕の知り合いが思いっきり失恋しまして。で、まぁ泣きながらみんなでカラオケをしたんですね。よくよく考えたらケツメイシで、女性を励ますような曲がなかったんですよ。
---なるほど。「さらば涙」は、せつないメロディと、前向きになれる歌詞の魅力で、力をくれる王道感強いポップチューンとなりましたね。
RYOJI:ケツメイシで、“人生頑張れ!”的な歌はこれまでもあったんです。でも、日々人が経験するようなことに対して、目の前で励ましてあげられるような曲があったらいいなと。化粧品って、女性が輝くものじゃないですか? そんな雰囲気を込めながら、シンプルに女性を励ます曲にしたかったんです。
大蔵:今回31枚目のシングルというのにびっくりしました。しかも、1年9ヶ月ぶりなんですよね。途中、KTMusic(※ケツメイシが手掛ける音楽プロジェクトの総称で、ケツメイシと彼らがプロデュースする新人、1 FINGERから構成)もあったからか、そんなに空いてる気がしませんね。
DJ KOHNO:去年は、全国ツアー『【アドベンチアーズ】KTM TOUR2015 シモネティーナと4人の賢者~失われた聖水を取り戻せ~』もあったからね。
RYO:メジャーデビュー15年なんですけど、最初みんなではじめた頃から数えると20年ぐらいなんですよ。人生の半分をメンバーと過ごしてきたと思うと、ちょっとなんか気持ち悪いなぁ(苦笑)。
---それこそマネージャーの結婚にも立会って。
RYO:出産にも立ち合いますよ(苦笑)。今回の「君と出逢って」のミュージックビデオ(※マネージャーの結婚式を撮影)同様に、またカメラ片手に撮るんで。
全員:(笑)
DJ KOHNO:撮ってから曲を作る(苦笑)。今度は出産ソングだね。
RYOJI:そこまで利用し尽くそうと、マネージャーの人生を(苦笑)。
---あはは(笑)。「さらば涙」を制作するにあたって制作秘話なんてありますか?
RYOJI:実は、曲に対してDHCの方がいろいろ意見をくださったんです。それに沿う形で進めたらどんどんいい曲になったんですね。これまでは自分たちがやりたいものを、自分たちで決めて書いていたんですけど、アドバイスをいただいて作っていくのも悪くないなって思いました。意外と、自分たちに見えない“ケツメイシ像”が存在しているんだなって。勉強になりましたね。
---「さらば涙」を聴いていると、なんとなく原点回帰みたいなセンスも感じられました。
RYOJI:そうですね。忘れていた“ケツメイシ像”を取り戻せたのかもしれません。自分たちでも気に入っている曲です。
●ちょっとこみ上げながら作った感じがありました
---「さらば涙」は、鈴木ちなみさん出演のミュージックビデオによるドラマ性の高さも素晴らしかったです。映像と音楽で伝わってくるケツメイシらしさ。楽曲をどうすれば伝わりやすくなるかという、プレゼンテーションの巧みさを感じました。フォトグラファーのアシスタントの葛藤をテーマにした物語という、共感度の高い映像にもグッときましたね。
RYOJI:たまたま、事務所にそんな立場の女性社員がいて、意見を聞いたりしました。やっぱり僕らの世界にもアシスタントって多いじゃないですか? フォトグラファー、ヘアメイク、スタイリストなど。下積みの経験って大事だし、一般社会でもそうだと思うんですね。最近、以前にアシスタントをやっていた女の子が結婚して出産したんですよ。いっしょに頑張ってきた子が、もうそんな時期になるんだと思うとグッとくるというか。俺らも、長くやってるんだなぁって。なんだか、ちょっとこみ上げながら作った感じがありましたね。
---いろんな業種でも、恋や仕事に悩みながら、いまは報われずともひたむきに頑張っている子っていますよね。本人役で登場した、鈴木ちなみさんの絶妙な起用もよかったです。アイディアですよね。
RYOJI:今回、主役となる人間像にしては、ちょっと鈴木ちなみさんだと有名すぎてしまうので、ミュージックビデオでは、そのままスター役として活躍していただくという。ある意味、主役は無名のアシスタントの子になってもらわないといけなかったので。
---お二人の演技も絶妙でした。今回、YouTubeでメイキングもフルで公開されているじゃないですか? ちなみさんによる作品の解説トークもよかったですね。
RYOJI:そうですね。あんなに素敵な女優さんやモデルさんだったら、アシスタントの子も頑張れる気がしますよね。
---ミュージックビデオとメイキングを観ると、より感情移入ができて、立体的に「さらば涙」という楽曲を好きになっちゃうんですよ。よくできているとおもいます。この曲、カタルシスある物語性なので、男性が観ても泣けますよね。
大蔵:歌詞の部分で、女性向けだけにならないように気をつけました。女性よりの言葉をなくして。男性が聴いても「僕の事を言われてるのかなぁ」みたいな言葉にこだわりましたね。
---RYOさんと大蔵さんは、「さらば涙」のミュージックビデオの撮影にも足を運ばれたそうですね。
RYO:遊びに……、いや陣中見舞いに行ってきました。現場はとてもいい雰囲気で、ピリピリした感じが一切無かったんですよ。で、役柄で女性誌の編集長役の方がいるんですけど、けっこう僕の好みでした。
全員:(笑)
---YouTubeにアップされた「さらば涙」のメイキング映像で、RYOさんが鈴木ちなみさんに失礼なことを言っていたのも印象的でした(苦笑)。
RYO:ご、ごめんなさい(苦笑)。お菓子を差し入れにいきました。ちなみに、撮影は2日間かかったんですよ。雨のシーンとか大変で。新木場スタジオコーストの駐車場で、真冬の寒い空に雨っぽく放水したんですけど。あまりの寒さに放水した水が地面で凍って転ぶスタッフが続出という。
---あれ、その雨のシーンにいたんでしたっけ?
RYO:僕は、寒いとこは行かないんですけどね(苦笑)。
全員:(笑)
●いいバラードが書けたかな。生まれるべくして生まれたなって曲
---今回、両A面シングルということで2曲目は「君と出逢って」でしたが、ケツメイシひさしぶりの王道バラードが生まれましたね。
RYOJI:「君と出逢って」は、いいバラードが書けたかな。生まれるべくして生まれたなって曲ですね。まぁ、現代風の恋愛は、僕ら世代が経験してきた恋愛とはまたちょっと違う部分があると思うんですよ。僕らはやっぱり僕らの経験してきた恋愛しか知らないので。でも、昔の歌でもいい歌はいい歌だったりするじゃないですか? うちらの、ちょっと古臭いというか、そんな部分を味にしていけたらなって思いました。
---ミュージックビデオでは、マネージャーさんの結婚式での映像が使われていたのが印象的でした。ウェディング・バラードの決定版といえる曲になりましたよね。楽曲誕生のきっかけは、マネージャーさんのご結婚があったからなのですか?
RYOJI:「君と出逢って」を制作しようと話し合ってるタイミングと、マネージャーから「結婚する!」という話があったのが同時期だったんです。じゃあ、結婚式での映像を一応撮っておこうかなと。そんな感じです。
DJ KOHNO:「君と出逢って」は、もともと去年の夏が終わって、ちょっと時間が空いてプリプロに入ってできた曲なんです。ラブソングって歌詞を書く人の世界観がものすごく表面に出るんですね。なので、恥ずかしくなって途中で書けなくなる時があるんです。でも、僕的にはずっとケツメイシでやりたかったテーマなんですよ。恋愛って普遍的なものなので、本質に触れられていれれば世代を越えて響くと思うんです。
大蔵:バラードは得意な方じゃないんですよ。書いていると、ちょっとオカマちゃんみたいになっちゃうんです(苦笑)。そんなつもりはないのにストーカーみたいな歌詞になったり(苦笑)。「君と出逢って」は、マネージャーが結婚するタイミングも重なってうまくまとまりましたね。実は歌詞で結婚に関するワードは入れてないんです。なので、これから結婚する人でも、付き合い中の方でも、誰もが自分の歌にできる曲だと思います。パートナーに向けて「出会ってくれてありがとう!」みたいな。
''---あ、たしかにそうですね。普遍的なバラードなんですよね。'''
大蔵:「君と出逢って」のミュージックビデオは、身内の結婚式でばっちり固めちゃっているので結婚式ソングにしか見えないですけどね。ケツメイシでいえば、結婚式に聞きたい曲というと「幸せありがとう」や「君とつくる未来」の流れのひとつですよね。恋愛バラードの定番になってくれたら嬉しいです。
RYOJI:まともな恋愛ソングがシングル扱いになるのは初めてかもしれないね。
大蔵:前もバラードはあったけど、割とちょっと影のある恋愛だったんですよね。ド定番っていうとめずらしいですね。
RYO: マネージャーの結婚式を前面に出しているミュージックビデオがいいですよね。僕らが携帯で撮った映像をつなげて編集しているので、手作り感があって素敵なんですよ。
---メンバーも見切れていたりして、めちゃくちゃリアルですよね。
大蔵:あたりまえですけど、演技じゃないですからね(苦笑)。
---でも、エンタメの未来って究極的にこっちの方向に進んでますよね? 人とのつながりやコミュニケーションの大切さ。先んじて実行しているケツメイシがすごいなと。
DJ KOHNO:たしかに、お金をいっぱいかければいいものができる時代ではないですよね。アイディアが大事ですよね。
RYOJI:いや、予算がなかったからなんだけどね(苦笑)。編集やってくれてた人も同じ会社だし(苦笑)。
●いろいろありながらもここまでやってこれた
---ちなみにシングルは、他にも候補曲などあったりしたのですか?
RYOJI:昨年から、もう新しいアルバムを作りはじめているんですよ。15周年で10枚目のアルバムなので、時間をかけてやっていこうかなと。まぁ、気がついたらそんなに時間も無くなってきてますけどね。
---2016年8月6日には、過去最大キャパの日産スタジアムでお祭りライブ『ケツメイシ 15th Anniversary「一五の夜」〜今夜だけ練乳ぶっかけますか?〜』が待っているという。
RYOJI:まぁ、ポップに楽しくやれたらいいなぁって思っています。
大蔵:ちなみにタイトルの「一五の夜」というのは、“一期一会”と“15周年”をかけているんですよ。
---あ、“十五”じゃないんだ(苦笑)。なるほど、“いちご”だから“練乳”を“ぶっかけ”なんですね。ライブはもちろん、演出やグッズ展開も楽しいケツメイシなので様々な企画を楽しみにしています。では、最後の質問です。ケツメイシ、15年をこえる歴史の中で、それぞれ印象深かった出来事を教えてください。
RYOJI:いろいろありながらもここまでやってこれたっていうのが、一番印象深いかな。メジャーデビューしたてなんて、毎日手探りでしたよ。元々、うちの会社はマネージメント会社ではなかったので、ほんとドタバタでした。あの頃なんて、ライブ終わったら帰って寝ればいいのに、その後必ず呑んでましたから。あ、クラブツアーだから朝から呑むんですよ(苦笑)。
DJ KOHNO:最初についたマネージャーが放置してくれたのが良かったなって(苦笑)。全部自分たちで考えなくちゃいけないんで。ふと気がついた時に「あ、そろそろ曲を出さないと、俺たち何のためにこの事務所に入ったんだろう!」って(苦笑)。
大蔵:かなり放置プレイでしたからね(苦笑)。
RYOJI:クラブツアーからZEPPツアーになって、ZEPPからアリーナとかでやるようになって。人数や規模が大きくなっていく瞬間って気合が入りますよね。今年は、これまでやったことのない規模の70,000人キャパですけど。でも、あの頃と同じような気持でやっていきたいですね。
RYO:それこそ、インディーズの頃のシングルはアナログで作ってたんですよ。クラブでかかったり、ラジオで流れた時とか嬉しかったですね。でも、裏には生活があったので、必死でしたよ。いやほんと、振り返るとよく続いてるなぁって思います。
DJ KOHNO:RYOさんが断トツできつかったと思いますよ。朝までスタジオにいて、そのままバイトに行ってましたから。バイト終わったら、またスタジオに戻ってきたりして。
---そんななか70,000人を前にしてステージ立つと、バイトの頃など思い出して感慨深くなるかもしれませんね。
RYO:う〜ん。そうでもないかもしれない。
全員:(笑)
ケツメイシ オフィシャルサイト