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HSPが不安障害を発症したらどうなる?症状が出やすい場面や対処法を紹介

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

不安障害は過度な不安や恐怖によって心身に症状が現れ、生活にさまざまな支障が出るこころの病気です。

不安を感じることは正常な状態ですが、強すぎる不安や恐怖は普段のパフォーマンスを低下させるだけでなく、心身の不調に繋がることもあるので軽視することは危険です。

また、不安障害を発症しやすい人の特徴として、神経質な人や過敏な人、気にしやすい人などの性格が関係している可能性があります。

繊細で過敏性を持っているHSPの人は不安障害を発症しやすいのか、気になる人もいるのではないでしょうか?

今回はHSPと不安障害の関係、不安障害が出やすい場面、対処法などについて紹介します。

HSPは不安障害を発症しやすい?

HSPだからと言って、必ずしも不安障害を発症するわけではありません。

しかし、HSPは生まれながらに過敏性を持っており、光や音、においなどに強い反応を示す傾向があるため、他の人よりもストレスが溜まりやすい特徴を持っています。

過敏性や繊細な感受性を持っていることにより、不安や恐怖を感じやすく、生きづらさを抱えている人も少なくありません。

このような理由から、HSPの気質が影響して不安障害を発症する可能性は十分にあると言えます。

不安障害の原因

不安障害の原因は現時点ではまだ明確になっていませんが、もともと持っている気質や性格、環境的なストレス、不安障害や精神疾患を持っている家族がいるなどの複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。

また、過去に人前で恥をかいたり怖い思いをしたなどのトラウマが原因で不安障害を発症することもあります。

ほかにも、病気の治療において薬を服用、または薬の使用中止による離脱症状からの不安によって不安障害の症状を発症する可能性もあります。

不安障害の種類

社交不安障害

社交不安障害とは、周囲の反応や視線が気になり日常生活に支障を及ぼす不安障害の一つです。

「人見知りしやすい」「緊張しやすいだけ」だと思われて、症状の深刻さをなかなか周りに理解してもらうことが難しく、日常生活に苦痛を感じている人が多いです。

症状の特徴としては、人前で緊張して汗が止まらなくなる、声や身体が震える、動悸がする、赤面するなどの症状が多く見られます。

人前に出ることに対しての過剰な緊張や不安から、外出が億劫になったり引きこもりがちになる人もいます。

パニック障害

パニック障害とは、突然理由もなく激しい不安や恐怖に襲われて、それに伴う発作によって身体に症状が現れます。

パニック発作によって「このまま死んでしまうのではないか」「どうにかなってしまうのではないか」という恐怖に襲われ、過呼吸や激しい動悸でその場に倒れてしまうこともあります。

パニック発作は何度も繰り返すことが多く、発作が起きた場所に恐怖を感じて人混みや閉所を避けるようになります。

「また発作が起きるのではないか」と電車などの公共機関やエレベーター、映画館などの逃げられない場所に対して恐怖を感じるようになり、行動範囲が狭まることで生活が困難になってしまうこともあります。

全般性不安障害

全般性不安障害は、毎日の生活の中であらゆる出来事に対して不安や心配を漫然と持ち続けてしまう病気です。

他の人が気にしないような些細なことが気になったり、起きてもいないことに対して過剰に心配してしまいます。

たとえば、自分や家族が大きな病気に罹ったらどうしようと考えたり、災害や事件に巻き込まれたらどうしようと過剰に心配してしまうのが全般性不安障害の特徴です。

心配や不安になることは誰にでもありますが、全般性不安障害の場合は常に漠然とした不安を持ち続けているので、注意力の低下、睡眠不足、食欲不振などに繋がり、本人も苦しさを感じていることがあるので軽視するのは危険です。

不安障害の症状が出やすい場面

社交不安障害が出やすい場面

社交不安障害は、主に以下のような場面で症状が出やすいです。

・人前に出て発表、自己紹介をする

・人と会食をする、飲み会に参加する

・人が見ているところで字を書く

・電話対応

・美容院や歯科など人との距離が近い場所

・電車など人がたくさんいる場所

・人と関わるようなイベント、場所

パニック障害が出やすい場面

パニック障害は、主に以下のような場面で症状が出やすいです。

・エレベーターなどの狭い空間

・電車やバス、飛行機などの公共機関

・映画館や舞台などの空間

・人の多い雑踏やお店

・病院、美容院

・一人で行動していて助けてくれる人がいない

全般性不安障害が不安を感じる出来事

全般性不安障害は、主に以下のような出来事に不安を感じやすいです。

・起きてもいない災害や事故、事件や戦争に対して不安を感じる

・家族や自分が大病をするのではないかと心配になる

・人前で失敗するのではないか、恥をかくのではないかと心配になる

・家庭の経済状況に不安を感じる

・何か悪いことが起こるのではないかと不安になる

不安障害の対処法

不安障害かもしれないと思ったときは、症状が深刻化する前に心療内科や精神科を受診してください。

性格の問題だからと思い込んで症状を放置していると、うつ病やほかの精神疾患を引き起こす可能性があります。

不安障害の治療は、薬物療法や認知行動療法を中心に行われます。

医師の指導のもと、適切な治療を受けることで症状が緩和し、普通の日常生活を送ることができるようになります。

まとめ

今回は不安障害とHSPの関係、症状が出やすい場面や対処法などについて紹介しました。

不安障害は病気のつらさが周囲に伝わりにくいことから理解してもらえないことも多く、自分の性格が原因だと思い込んで、医療機関に相談することを躊躇する人がとても多いです。

しかし、過度な不安や恐怖によって日常生活や仕事に支障が出ている場合は、一度勇気を出して医療機関を受診することが大切です。

症状がひどくなる前に、早めに治療を開始するようにしましょう。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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