豪華すぎて「K-POP界のアベンジャーズ」とされるSuperMとは何者なのか
東方神起や少女時代などK-POPを代表するスーパーグループを次々と世に送り出してきた韓国音楽界の巨人SMエンターテインメントが、とんでもないビッグブロジェクトを開始した。
新たに誕生したグループの名前は“SuperM(スーパーエム)”。一見すると社名を略したようにも見えるが、Mは「マトリックス&マスター(MATRIX&MASTER)」を意味するという。SMエンターテインメントによると、「優れたアーティストが集まり、スーパーシナジーを提供する」という意味を含んでいるそうだが、そのメンバー構成がスゴい。
SHINeeのテミン、EXOのベクヒョンとカイ、NCT 127のテヨンとマーク、NCTの中国出身メンバーで構成されたWayVのルーカスとテンなど、すでにデビューして人気を博しているグループのメンバーたちが集まって結成されたユニットなのだ。
その豪華さは日本でもヒットしたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に例えられ、韓国では「K-POP界のアベンジャーズ誕生」とまで言われているほどである。
(参考記事:K-POPのアベンジャーズSuperM、過去の豪華ユニットやBTSと何が違うのか)
10月2日には韓国でスタート記者会見を行い、10月3日(現地時間)にはアメリカ・ロサンゼルスでも記者会見とプレミアイベントを行っている。その現場にはMTV、AP通信、UPIニュース、ビルボードなどアメリカのメディアも多数駆けつけたというのだから、その注目度は相当なものだろう。
振り返ると、過去にも複数のアーティストやアイドルが集まってコラボレーションすることはあった。
1999年と2002年に同名のアルバムも発表したことがあるYGエンターテインメントは「YG Family」、JYPエンターテインメントは「JYP Nation」、CUBEエンターテインメントは「UNITED CUBE」と題した所属アーティスト総出のコンサートも開いている。SMエンターテインメントも「SMTOWN LIVE」を定期的に行っている。
そんな中であえてSuperMという新ユニットを結成したSMエンターテインメント。そのメンバー選定はSMエンターテインメントの創始者イ・スマン会長が直々に行ったというのだから、かなりの本気度が伝わってくる。
卓越した音楽プロデューサーでもあるイ・スマン会長は89年にSMエンターテインメントを立ち上げて以来、96年にH.O.T、97年にS.E.E、98年にSHINHWAなど韓国の音楽史に残る数々のグル―プを世に送り出してきた。BoAを発掘したのもイ・スマン会長だ。
その後に続く東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、SHINee、f(x)、EXO、NCT 127といったSMエンターテインメントの繁栄はイ・スマン会長なしでは語れない。
そのイ・スマン会長が今回は統括プロデューサーの立場でSuperMの立ち上げに携わり、前述したロサンゼルスでのプレミアイベントにも参席したというのだから、「いよいよK-POPの巨人SMがグローバル市場攻略」という印象だ。
実際、SuperMの当面の照準はアメリカに絞られている。
昨日10月4日にリリースしたミニアムバム『SuperM』を引っ提げて、11月11日のテキサスを皮切りに、シカゴ、ニューヨークでライブを行い、来年はロサンゼルス、シアトル、カナダ・バンクーバーといった北米主要都市を回る。
シカゴではユナイテッド・センター、ニューヨークではマディソンスクエア・ガーデン、ロサンゼルスではザ・フォーラムと、いずれも名高いアリーナでステージ・パフォーマンスを披露する予定だというのだから、期待も高まるばかりだ。
近年、K-POPのグローバル展開の成功例であり先駆者とされてきたのは防弾少年団(BTS)でSMエンターテインメントはやや遅れをとった感もあったが、SuperMで巻き返しを図り、さらにその先を行こうという狙いなのか。
いずれにしても“K-POP界のアベンジャーズ”と言われるSuperMの活動には、今後も熱視線が送られそうだ。