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アルゼンチン人コーチが語る「今夜のパナマ戦、17日のメキシコ戦に臨むサムライブルーの顔ぶれ」

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
吉田、冨安らDF陣の評価は高い。が、前線にアイデアが無いとされる(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、栃木SC所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 昨年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、この程、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとなった彼が、今夜のパナマ戦、17日のメキシコ戦のメンバーについて語った。

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 サッカー日本代表はオーストリアに遠征しており、今夜パナマ、17日にメキシコと戦う。発表された24名の日本代表は以下の通りである。

<GK>

川島永嗣(ストラスブール)

権田修一(ポルティモネンセ)

シュミット・ダニエル(シント=ロイデンVV)

<DF>

吉田麻也(サンプドリア)

冨安健洋(ボローニャ)

長友佑都(マルセイユ)

酒井宏樹(マルセイユ)

室屋成(ハノーファー)

植田直通(サークル・ブルージュ)

板倉滉(フローニンゲン)

菅原由勢(AZ)

<MF>

南野拓実(リバプール)

鎌田大地(フランクフルト)

原口元気(ハノーファー)

遠藤航(シュトゥッツガルト)

堂安律(ビーレフェルト)

橋本拳人(ロストフ)

柴崎岳(レガネス)

久保建英(ビジャレアル)

三好康児(アントワープ)

伊東純也(ヘンク)

中山雄太(ズヴォレ)

<FW>

鈴木武蔵(ベールスホット)

浅野拓磨(パルチザン・ベオグラード)

撮影:著者
撮影:著者

 今回もヨーロッパのクラブに所属するメンバーで、代表チームを選びましたね。コロナの影響で、海外への渡航が難しい時期ですから、こうなったのでしょう。

 先月のカメルーン戦、コートジボワール戦での守備は良かった。でも、攻撃面がちぐはぐでしたね。あまり息が合っていなかったし、相手を崩すアイデアも足りなかった。今回は、FWの大迫勇也が所属チームの事情でいません。見せてくれるのかな? という気持ちです。

 

 今夜の相手、パナマには間違いなく勝つでしょう。というより勝たなきゃいけません。パナマは中南米のなかでも強豪ではないし、サッカーが根付いた国とも呼べませんから。個々の身体能力は日本よりも高いかもしれませんが、組織的なサッカーはまだまだ厳しい国です。

 ご存知のように、17日に戦うメキシコは強いですよ。普通に考えれば、日本は勝てないでしょう。でも、今の時期、何が通じて何が通じないのかが浮き彫りになるいい機会です。多くの学びがあるでしょうね。

 ヨーロッパで経験を積んでいる日本人選手は、確かに貴重です。でも、それプラス、Jリーガーからも、何かを生み出す選手を代表に入れてほしいですね。

 僕がどうしても必要だと思うのは、川崎フロンターレの小林悠です。百戦錬磨の実力者ですから、色々な引出しを持っています。彼のプレーには創造性があるんですよ。先月、アフリカ勢との2試合で攻撃がイマイチだった時、僕の頭には彼の姿がずっと思い浮かんでいました。

 10月14日のゲームで左ハムストリングの肉離れに見舞われ調整中ですが、ワールドカップ予選では是非ピッチに立ってもらいたいです。

 もう一人が、柏レイソルの江坂任です。江坂は今、非常に調子がいい。1本のパスで流れを変えられるし、ゲームメイクもチャンスメイクも出来る。オルンガが大量得点しているのも、江坂が支えている部分が多い。

 ヨーロッパ組とJリーガーで上手く融合させて、強いサムライブルーを見せてほしいです。

 オーストリアでは、ピッチ上で積極的にチャレンジして、是非ワールドカップ予選に繋がる親善試合になることを祈ります。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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