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一度見たら忘れられない!ノルウェーの森で「ねじれた」美しき橋を、あなたは知っているか

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
川の上のくねくね構造の橋 Photo: Laurian Ghinitoiu

暗い森の中で、霧が漂う中、まるで川の上に浮かんでいるような、くねくねと曲がっている。そんな不思議な建物の写真を見たことがある人がいるかもしれない。

自然が豊富な北欧ノルウェーには、大自然と融合した美しい建築物が人気の観光スポットでもある。

首都オスロからバスで約80分ほど、イェブナーケル市にはシステフォス現代美術館がある。

なんと現代美術館の大部分は自然の中にあり、不思議な彫刻が来訪者を出迎える。

“Octopus” by Bjarne Melgaard
“Octopus” by Bjarne Melgaard

ここで最もフォトジェニックで、世界各国の雑誌などで紹介されているのが、「ツイスト」という「橋」だ(twist、英語で「ねじれ」という意味)。

デンマークの建築グループ BIG - Bjarke Ingels Groupによる作品は世界各国のメディアで紹介されている
デンマークの建築グループ BIG - Bjarke Ingels Groupによる作品は世界各国のメディアで紹介されている

実はこの建築物の写真、私は今まで何度も何度も様々なメディアで目にしていた。

「ノルウェーにある」のは分かっていたが、オスロではなかったために、ずっと行く機会を見逃していた。

The Twist, Kistefos Museum. Photo: Kim Erlandsen
The Twist, Kistefos Museum. Photo: Kim Erlandsen

「おー!やっと見れた!」という感動が、まずは私を襲った。

The Twist, Kistefos Museum Photo : Laurian Ghinitoiu
The Twist, Kistefos Museum Photo : Laurian Ghinitoiu

The Twist, Kistefos Museum. Photo: Arvid Hoidahl
The Twist, Kistefos Museum. Photo: Arvid Hoidahl

中に入ると、これまた「ねじれている」。美しい造形に、ため息が出る。

ひねった構造の橋の中は、大きなトンネルのよう。アートギャラリーとなっている
ひねった構造の橋の中は、大きなトンネルのよう。アートギャラリーとなっている

緑の森の中に、川の上に浮かんでいるような建築物そのものが、まさにアートだった。

感動はこれだけでは終わらない。

周囲の森を気ままに歩くと、至る所にアートが隠れている。

草間 彌生の作品も “Shine of Life” by Yayoi Kusama
草間 彌生の作品も “Shine of Life” by Yayoi Kusama

“All of Nature Flows Through Us” by Marc Quinn
“All of Nature Flows Through Us” by Marc Quinn

フランス人アーティスト、ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe )による新しい作品がちょうど仲間入りしたばかりで、この場所はノルウェーで再び注目を浴びている。

ピエール・ユイグ氏が森を案内してくれた。虫がついたり、コケが生えたり、ある日は動物の死骸があったり、天候でも風景が変わる。時間ごとに違う顔を見せる作品の変化を本人も楽しんでいると語った
ピエール・ユイグ氏が森を案内してくれた。虫がついたり、コケが生えたり、ある日は動物の死骸があったり、天候でも風景が変わる。時間ごとに違う顔を見せる作品の変化を本人も楽しんでいると語った

注意深く周りを見ないと、隠れている作品を見逃してしまうだろう
注意深く周りを見ないと、隠れている作品を見逃してしまうだろう

『Variants』の目玉ともいえる、LED照明と人工知能を使った巨大スクリーン。映し出されるものが次々と変わる
『Variants』の目玉ともいえる、LED照明と人工知能を使った巨大スクリーン。映し出されるものが次々と変わる

スクリーンの映像を見た後に自然に目を戻すと、違う世界を移動しているようで、不思議な感じを覚える 『Variants』
スクリーンの映像を見た後に自然に目を戻すと、違う世界を移動しているようで、不思議な感じを覚える 『Variants』

森の中にある彫刻公園はノルウェーには他にもあるが、システフォスはレベルが違う世界観を訪問者にプレゼントしてくれる 『Variants』
森の中にある彫刻公園はノルウェーには他にもあるが、システフォスはレベルが違う世界観を訪問者にプレゼントしてくれる 『Variants』

『Variants』は目に見えるものだけではない。森を歩いていると、突然、動物の鳴き声などが聞こえてきて、「ライオンか何かに襲われるのか」という気分になった。ハラハラする体験も思い出になる
『Variants』は目に見えるものだけではない。森を歩いていると、突然、動物の鳴き声などが聞こえてきて、「ライオンか何かに襲われるのか」という気分になった。ハラハラする体験も思い出になる

自然と向き合うノルウェーの建築やアートを堪能するには、もってこいの場所だ。

ただ、首都オスロから離れているために、時間が限られた北欧観光中に、ここまでアクセスするのは大変かもしれない。

でも、もし時間に余裕があったら、来る価値はある。

システフォス現代美術館といえば、国内外の観光客がじわじわと増加している場所。その魅力は来たら分かる。

ここは、一生忘れられないアートと自然体験を約束してくれる場所だ。

ゆがんだツイストの中では、実はトイレも人気の場所!トイレの廊下では窓から彫刻があなたを覗いている
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“Bent of Mind” by Tony Cragg
“Bent of Mind” by Tony Cragg

“Teddy - Beast of the Hedonic Treadmill” by Fredrik Raddum
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“Point of View - Part 1”by Elmgreen & Dragset
“Point of View - Part 1”by Elmgreen & Dragset

Kistefost公式HP(英語)

住所:Samsmoveien 41

Jevnaker, Norway

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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