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大英断!! 日東電工(Nitto)が2025年まで男子テニスのATPファイナルズの冠スポンサーに! 

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
2017年大会の表彰式で笑顔を見せる高崎社長(写真一番左)(写真/神 仁司)

 男子ワールドプロテニスツアーの最終戦であるATPファイナルズ。

 毎年11月中旬に開催され、シーズン成績上位のシングルス8選手とダブルス8組だけが出場を許されるエリート大会で、まさに男子プロテニスの世界最高峰の舞台だ。

 1970年から始まったこのひのき舞台では、ジョン・マッケンロー(アメリカ)、イワン・レンドル(アメリカ)、ボリス・ベッカー(ドイツ)、ステファン・エドバーグ(スウェーデン)、ピート・サンプラス(アメリカ)といった名選手たちが優勝している。その中でも、史上最高の男子テニス選手との呼び声高い、“生ける伝説”ロジャー・フェデラー(スイス)は大会史上最多6回の優勝を誇っている。

 日本男子選手では唯一、錦織圭が、2014年、2015年、2016年、2018年、合計4回の出場を果たしており、2014年と2016年にベスト4へ進出する活躍を見せた。

 大会冠スポンサーには、2017年より日東電工株式会社(Nitto)がなっており、大会呼称もATPワールドツアーファイナルズから新たにNitto ATPファイナルズとなった。

 日東電工(Nitto)は、包装材料、半導体関連材料、光学フィルムを製造する日本を代表する化学企業で、日本でだけでなく世界でも“Nitto”ブランドを幅広く展開している。

 日東電工(Nitto)の代表取締役 取締役社長、CEO&COOである高崎秀雄氏は、毎年ロンドンを訪れ、シングルスとダブルスの表彰式では、優勝トロフィーのプレゼンターを務めている。

2019年大会の表彰式。高崎社長(写真一番左)がトロフィーのプレゼンターを務めた(写真/神 仁司)
2019年大会の表彰式。高崎社長(写真一番左)がトロフィーのプレゼンターを務めた(写真/神 仁司)

 2009年よりイギリス・ロンドンで開催されてきたが、2021年から開催地はイタリア・トリノへ移ることがすでに決まっていた。そして、9月10日に、日東電工(Nitto)が、タイトルスポンサーの協賛を2025年まで継続することを発表した。

 さらに、日東電工(Nitto)は、ATPツアーの公式アスレチックテープのゴールドパートナーになることも決定した。このパートナーシップによって、ATPメディカルチームがツアーイベントで使用する医療用テーピング製品が提供され、ATP理学療法士のオフィシャルウェアにはNittoのパッチが付けられる。

 ATPチェアマンのアンドレア・ガウデンツィ氏は、日東電工(Nitto)とのファイナルズでの関係継続と、公式アスレチックテープのゴールドパートナーという新たな絆を築けたことを喜んだ。

「Nittoとのパートナーシップをさらに5年間延長できたことを大変誇りに思います。Nittoは、世界的な業界のリーダーであり、3年前にパートナーシップを開始して以来、シーズンエンディングのイベントでのスポンサーシップを喜んで引き受けてくれました。FIT(イタリアテニス連盟)と共に、この関係をさらに発展させます。そして、ロンドンでの開催期間中には記録的な成長を遂げることができています。また、Nittoには、シーズン中のイベントで使用する最高品質の医療品を提供してもらい、選手の健康を守るための支援を行っていきますが、年間を通じてのツアーパートナーとして一緒に取り組んでいくことを楽しみにしています」

 日東電工(Nitto)の高崎社長も、Nitto ATPファイナルズだけでなく、さらにATPと関係を深められることに喜びを感じている。

「ATPとのパートナーシップを拡大し、Nitto ATPファイナルズへの長期的なコミットメントを継続できることを嬉しく思い、興奮しています。ATPツアーのゴールドパートナーであり、オフィシャルアスレチックテープのスポンサーとして、ツアーに参加するテニスプレーヤーへシーズンを通してサポートできることを楽しみにしています。革新的な精神の強いトリノで、Nitto ATPファイナルズは世界中の人々に驚きと感動を与えるイベントになると自信を持っています」

 11月15~22日にロンドンのO2アリーナで最後に行われる2020年Nitto ATPファイナルズは、無観客での開催を予定している。

 現在、ワールドプロテニスツアーでは、女子ツアーの最終戦であるWTAファイナルズ(中国・深セン)の大会冠スポンサーを株式会社資生堂が2019年から務めている。今回の日東電工(Nitto)の発表によって、今後も日本を代表するグローバル企業が、男女共にプロテニスツアー最終戦の大会冠スポンサーを務めるという日本国民にとっては誇らしい状況が続いていく。

2019年のATPファイナルズで初優勝したステファノス・チチパス(ギリシャ)と記念撮影をする高崎社長(写真右)(写真/神 仁司)
2019年のATPファイナルズで初優勝したステファノス・チチパス(ギリシャ)と記念撮影をする高崎社長(写真右)(写真/神 仁司)

 それにしても、新型コロナウィルスのパンデミック(世界的大流行)が起こり、先行きが見通しにくい困難な状況の中での日東電工(Nitto)の大英断には拍手を送りたい。コロナ禍というピンチをチャンスに変えようとする力強さと、未来へ向けて挑戦を貫く姿勢が感じられる。同時に、withコロナやafterコロナで企業はどう生き延びるべきなのかという高崎社長の先見の明もうかがえる。

 今後もNitto ATPファイナルズがどう発展を遂げ、テニスファンにとってより良い大会としてどう成長していくのか注目していきたい。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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