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【愛犬家の心理】大谷選手がレッドカーペットに"デコピンスーツ"で登場 愛猫家との違いは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
MLB Japan@MLB JapanのXより

今年もMLBオールスターゲームの季節になりました。

試合前には恒例のレッドカーペットショーが行われ、大谷選手は初めて妻の真美子さんを連れて登場しました。そのときのスーツが話題になっています。

大谷選手は、なぜ"デコピンスーツ"を着ているのか、愛犬家の目線から考えていきましょう。

大谷選手のスーツの裏地にデコピンちゃんの刺繡

MLB Japan@MLB JapanのXより

大谷選手は、レッドカーペットを歩くとき、愛犬のデコピンちゃんを連れていませんでした。しかし、大谷選手は写真撮影に応じた際にジャケットの裏地にいくつものデコピンちゃんが刺繍された特注のデザインを披露しました。

デコピンちゃんの裏地を見せるときの大谷選手は、優しい笑顔を見せました。なぜ、愛犬家は、犬全般ではなく自分の飼っている犬種のグッズが好きなのかを見ていきましょう。

大谷選手はコーイケルホンディエが好き

デコピンちゃんは、コーイケルホンディエというとオランダ原産の犬種で、中型犬です。オランダでカモ猟につかわれていた犬で日本には、100頭ぐらいしかいない珍しい犬です。

大谷選手は、この犬種が好きなのでしょう。

一般的に猫が好きな人はどの猫も好きで、特に自分の好きな猫の種類だけのグッズだけを集めるということは少ないです。そのため、猫の日である2月22日の猫の日は盛り上がりますが、犬の日である11月1日はそれほど盛り上がらないといわれています。

犬は品種改良でチワワからセントバーナードまで

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イメージ写真写真:イメージマート

人間は犬を猟につかったり、救助につかったり、愛玩したりしているので、犬には多くの種類がいます。それでチワワからセントバーナードまでいるわけです。もちろん、犬だとどんな犬でも好きという人もいます。

しかし、これだけ多種多様な種類がいる中で、わざわざその犬種を選ぶということはその犬種に思い入れがあるのです。

たとえば、ブルテリアを飼っている飼い主は、Tシャツやマスクやカバンなどブルテリアがついているものを持っています。筆者は、よくそれだけ集められるなと思いながら見ています。

その点、猫の飼い主は、猫種にかかわらず猫さえ描かれていればいいという感じで猫がついた財布やかばんを持って来院されます。

自分の犬種のグッズを持っている利点

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イメージ写真写真:イメージマート

人間が犬を改良した結果、犬種によってなりやすい病気があります。

たとえば、猟をするために改良した胴長のダックスフンドなどは、椎間板ヘルニアになりやすいとか、超大型犬のセントバーナードの歩き方がおかしいと骨肉腫になっている可能性が高いなどがあります。

大谷選手のように愛犬やその犬種のものを身に着けていると、その人がその犬種が好きか飼っているのがわかります。それで、同じ犬種を飼っている人は声をかけやすく、友だちになりやすいのです。

そうすると、その犬種にあった散歩の仕方やドッグフードや病気などの情報交換ができるのです。

もちろん、猫のスコティッシュフォールドは骨軟骨異形成症などの病気になりやすいなどはありますが、犬ほど種類は多くないので愛猫の種にこだわる人は少ないようです。

まとめ

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イメージ写真写真:イメージマート

大谷選手は愛犬の刺繍をしてあるジャケットに着ると、きっとデコピンちゃんの愛らしい瞳などを思い出して和やかな気持ちになるのでしょう。

筆者の動物病院でもフラットコーテッド・レトリーバーの飼い主は、「この犬種のTシャツはあまりないのですよ」とにこやかに話して、フラットコーテッド・レトリーバーのTシャツを着ていました。

大谷選手は真美子さんもいるし、そのうえデコピンちゃんの刺繍のジャケットを着ているので、よりリラックスしてレッドカーペットの上を歩くことができたのでしょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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