「8割近い企業がオンラインで採用活動を実施している」「約7割の学生が売り手市場から買い手市場への変化を感じている」ことがディスコ社の最新調査で分かった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で就活市場は引き続き混乱状態だ。特に就活生は視野を広げて自分の可能性を広げる機会として期待をしていた3月からの合同説明会、OBOG訪問、リクルーター面談、会社説明会、就活イベントなどがリアルからオンラインに切り替わったことで本来得たかった情報を未だに得ることが出来ずにエントリーシートや志望動機の作りこみに苦戦をしている。

そこでコロナ禍のオンライン就活とどう向き合うべきかを「人事目線」で考えることで就活生の意識改革、行動変容につながるヒントを紹介したい。

そもそもエントリーシートは何のためにあるのか

就活生がエントリーシートを書き、添削を繰り返すことに時間を費やすことは「当たり前」になっているが、冷静に考えて欲しいポイントがある。

それは「エントリーシートに人事が求めるコトは何か?」ということ。これは人事のホンネでもあるが『就活生が会社訪問をして感じた環境面、社員との面談を通じて芽生えた感情』を評価することはないです。就職活動で会社のことを理解することは難しく、入社後リアリティ・ショックは76.6%という現実から考えれば、就活生が頑張ってエントリーシートに作りこむ志望動機はズレていることがほとんどだ。

冷静に「採用する側の視点」で考えて欲しい。人気企業では数万人のエントリーシートが送られて来る。そのすべて目に通す企業にとって、添削ばかりしているエントリーシートは部活、ゼミ、バイト、サークル、ボランティア、留学、インターンシップで構成されたガクチカと企業のビジョンに共感したストーリーに加えた環境や人との出会いを添えたモノばかりで、差別化は出来ない。

そもそも人事の選考フェーズでエントリーシートを見ない企業もある。面接官が使用する為であったり、AIを使用してスクリーニング機能としている企業も増加しているのが現実なのだ。つまりエントリーシートには『人事が会いたいと思わせる』『面接官に興味を持たせる』ことを念頭に構成していく必要がある。それ以外は残念ながらどれだけ頑張って添削を繰り返しても評価されず、面接時にいじってももらえない。

すべての企業に当てはまる志望動機の作り方

そもそも今年のようなオンライン就活になる前から、企業訪問で環境に惚れ込み、社員面談で共感したことをエントリーシートに書く必要はなくなっている。人事目線で根拠を強く感じる、そして面接時に話が盛り上がる志望動機の作り方を参考にして欲しい。

この企業は『誰に』『どんな価値を提供して』『誰から対価を得ているのか』『対価を得るために必要な能力は何か』

このストーリーを自分の言葉で語れれば、エントリーシートの記載も面接での志望動機も100点になる。からくりはシンプルで企業は「優秀な学生」を採用したい。ガクチカや自己分析の結果ではなく、今どんな力があって価値観の多様化が学生時代にどこまで進んでいるのかを知りたいのです。それは過去でも今でもなく、入社後の活躍イメージに繋がるからだ。

だから就活生に『自分の将来の為に社会人スタート時に必要な能力は〇〇で、△△のような環境が必要だと考えている。御社のビジネスモデルから考えて、それが最も叶えられると考えた』という内容で語られたら、面接官は「リアルな根拠」を感じてしまうのだ。そこに業界動向や競合との差別化などを肉付けすればより説得力が増してくる。

オンライン就活はどこで情報を得るべきか

では、企業の環境や人に関する情報ではなく本質的に企業のビジネスモデルを理解して、そこで必要となる能力や価値観を知るためにはどうすべきか?

まずは業界地図などを使用してその企業が属している業界全体の理解をしたい。歴史や今後の未来予測、特に新型コロナウイルスの影響も。その基礎を持ってオンライン説明会、社員面談で情報収集。そこに加えて企業のIR情報、公式サイトにある情報を積み上げていく。ここで終わると、自分の解釈が大きくなるので就活最前線を知るマーケター就活支援のプロフェッショナルの見解を得てすり合わせることが重要。

なお、就活の相談相手は要注意だ。先輩や若手社会人は出来る限り避けたい。親切な良い人達であっても今の就活のリアルを掴めていない且つ社会全体や自分の会社すらすべてを把握できていないのが現実。それでも親切に教えようとする情報が就活生の視野を狭めたり、間違った判断をさせてしまうのだ。

新卒採用に利害のない、社会・ビジネス全般の知識がある、今の就活市場の最前線を理解している、就活支援のプロフェッショナルに自分の解釈をぶつけることがベスト。SNSなどで先輩や若手社会人が就活応援でマッチングしやすいのはそこに「利害」があるからです。見極めて欲しいと強く主張したい。

人事視点でオンライン就活に勝つための5つのコト

これまでの就活と大きく情報収集の仕方が変わっている市場では『正解ではなく、人事視点ではどうなのか?』を常に考えることがポイントになる。最後に今日から出来る5つのポイントを紹介したい。

1、志望動機の考え方を変える

すでにお伝えしたように、企業のビジョンや環境、人軸で構成した志望動機は就活生目線となり人事に刺さるものではない。自分のはたらく未来、そしてライフデザインを考える中で社会人のスタートとして必要になる能力、それを開発する為の環境がどこにあるのか?を軸とする考え方に変えることが人事視点の「根拠」になります。

2、社会人との接点を工夫して増やす

就活の情報を先輩や若手社会人、そしてSNSで集めたくなる気持ちはよくわかるがリスクが大きすぎることに気づいて欲しい。就活最前線の理解、社会・ビジネスの本質理解があることが前提で、可能な限り新卒採用に利害のない専門家から情報を得ること。SNSは「公式」で発信されているものに限定した方がより安全でしょう。

3、IR情報との差に拘る

新卒採用におけるプロセスではIR情報に記載されている内容はほぼ反映されていないと考えて良い。新卒採用は学生に刺さる、魅力化できる情報を中心に構成しているので、事前にIR情報を読み込み、会社説明会などの情報と比較をして足りない情報をオンライン面談などで回収することで企業理解に厚みがでる。

4、就活のハイブリッド化

しばらくは主体がオンラインで間違いない。ただオンラインでは本来得るべき情報が取り切れないのも正直なところ。そこでおすすめしているのがハイブリッド型就活で、最終選考前後、内定獲得後にリクルーターに依頼をして個別面談、会社訪問を依頼して「リアルの機会」を自分で創出するということ。3密を避けた状態であれば現実的であり、リクルーターとしても採用したい学生からの要望には応えたいので可能なアプローチだ。そのリアル情報を踏まえて最終判断をしたい。

5、「就社」から「就職」の意識に切り替える

就活は気づけば「就社」の意識が強くなりすべての行動もそこに支配される。ただ、世の中はすでに終身雇用の時代は終わり、いかに自分のキャリアをデザインしていくかという時代に突入している。その企業で40年勤めあげるという視点ではなく、自分の働く未来、人生において必要になる「一歩」はどの環境で何を得る必要があるのか?という視点に切り替えることが重要だ。そもそも安定した業界や企業はもうなくなり、これからは自分自身の力が安定に変わるのだから。

コロナ禍の就活は誰も経験したことがないのです。だからこそ、リアルな情報をかき集めて自分なりの解を導き出して市場と向き合い続けることが必要になる。正解がないからこそ情報と行動が求められるのです。今日から出来るヒントでまず「小さな一歩」を踏み出して欲しい。必ず見える景色が変わります。

はたらくを楽しもう。

【参考】

就活相談はこちら:YU_EnjoyWork