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スポーツ業界に学生がアプリ・サービス開発で切り込む。夏のインターンシップの形に変化が起きている。

佐藤裕はたらクリエイティブディレクター
今年初めて開催されるパ・リーグ 学生ベースボールアプリ選手権

6月1日に全国で21就活をターゲットにしたインターンシップのPRイベントが開催され「令和就活」がスタートしてから早いもので2か月が経過した。ディスコ社の調べでは多くの企業がさまざまなインターンシップを実施する中、就活生の9割近くが夏休みに何らかのインターンシップに参加したいと考えている。また、5月末時点で興味を持っている業界を、10 分類の中から 3 つまで選択をすると文系の 1 位は「サービス」で、4 割強(44.2%)が選んでいる。2 位「メーカー」(36.9%)、3 位「商社」(32.1%)が 3 割台で続き、 比較的ポイントが分散している。

インターンシップの形が年々進化している

ここ数年の就活生をターゲットにしたインターンシップは、圧倒的に1Dayなどの短期間のプログラムが多い。内容としても、講義やほぼ会社説明会化されたインプット型。加えて学生の能力を企業側が把握するグループワークが多い。

学生の声はシンプルで

「企業の中身が見えない」

「社会を知る・自分を知るという意味では得るものがなかった」

というネガティブなものが多い。

一方で学生の満足度が上がるのは中長期型のインターンシップだ。社会や企業の課題を捉えて課題解決プランや新規事業を社員と共に考えるようなプログラムが流行で学生からの人気も高い。

社会やビジネス、企業の理解度が上がるだけではなく、自分自身の現時点でのビジネスレベルが可視化されるからだ。

インターンシップで無人島生活?

ここ数年で学生のインターンシップ参加率/企業のインターンシップ実施率が引きあがる中、注目をされて来たのは「無人島インターンシップ」である。企業のPR職の強いプログラムではなく、社員と無人島生活をする中で視野を広げ、自身と向き合って歩む道をクリアにしていくプログラムとなっている為、就活の方向性を模索している学生には一風変わったインターンシップが人気となる。

つまり、企業はさまざまな工夫を学生視点で考え、プログラム開発を続けているという事実がある。

ディスコ社調べ:学生のインターンシップ参加率/企業のインターンシップ実施率
ディスコ社調べ:学生のインターンシップ参加率/企業のインターンシップ実施率

プロ野球×テクノロジー?

そんな中、インターンシップだけでなく新しい取り組みを始めたのがプロ野球パ・リーグだ。

日本の夏の風物詩でもある「夏の高校野球=甲子園」と同時期にプロ野球界に学生がテクノロジーとアイディアを掛け合わせてプロ野球の課題解決にチャレンジするという新しいプログラムとなっている。

【-パ・リーグ 学生ベースボールアプリ選手権-】

スポーツ界を取り巻く環境

2020年東京オリンピックの見方を変えてみると日本政府のプロジェクトである「未来投資戦略2018」の1つとして、そもそもスポーツは成長産業として注目されている。

成長産業化に向けて、スポーツ経営人材の育成は重要視されており、異業界からビジネス人材を流入させる仕組みの整備などを進める必要がある。一方で、スポーツビジネスに興味を持つ個人は多いものの、スポーツ業界への就業はアスリートがそのまま競技団体へ所属することや縁故での採用が多く、異業界からの転職はハードルが高いという現状がある。そもそも、学生や転職者がスポーツ業界でビジネスを進めていくイメージがないのがリアルだ。

現在、スポーツ業界はリアルな働き方を知るきっかけや、個人が活躍する機会を創出することが変革ポイントとなっている。つまり新しい視点、価値を持った人材の流入を活性化させることがスポーツ産業の発展に繋がるのだ。

そこで、パシフィックリーグマーケティング株式会社とTECH PLAY(運営:パーソルイノベーション株式会社)の企画で「-パ・リーグ 学生ベースボールアプリ選手権-」が開催される。

画像提供:パシフィックリーグマーケティング株式会社&TECH PLAY
画像提供:パシフィックリーグマーケティング株式会社&TECH PLAY

新しい価値に触れることで学生の視野と価値観が変わる

これまでインターンシップでは当たり前だった業界やプログラムではない「新しい価値」が出て来ることはポジティブに捉えたい。そして、プログラムがビジネスや社会にリアルに触れることが出来るのであれば尚良い。

本来、学生が参加する夏のインターンシップは企業PRを体感するのではなく、

・社会全体を捉えるきっかけ

・ビジネスに触れることで得られる価値観や気づき

・自分自身の状態把握

・就活のリアルを体感することでの意識変革

・はたらくことへの期待感の醸成

上記のような領域に目的を置くことで、就職活動が本格化する年末年始に焦ることなく、周囲に流されずに自分の意志で活動が出来る。

夏のインターンシップの捉え方

とはいえ、夏のインターンシップ市場は就活生もいれば次年度に就活をする2年生も混在している。さらに学生によっては、方向性が定まっている場合もあれば、方向性を定める為にインターンシップを活用するなどコンディションが違う。

インターンシップは、「とりあえず参加」や「友達についていく」レベルは危険。

社会やビジネスの視野が狭い中で、偶然参加した企業が良く見えてしまって、自身の未来、キャリアと向き合うことなく感覚的に業界・企業選定をしてしまう可能性が高い。結果、就活後半でリアルに気付いて方向を変える、入社をしてリアリティショックを得るという流れになりがちだ。

すべての学生は、なぜ?インターンシップに参加をするのかを自分の価値観の中で考え抜いて、言語化をして欲しい。言語化が出来れば、市場で影響されたり、間違った判断をする前に冷静になれるものです。

新しい価値に積極的に触れて、今見えている世界をより広くすることに意識を持つことがヒントになる。

【参考】

※パーソル総合研究所×CAMP「就職活動と入社後の実態に関する定量調査

はたらくを楽しもう。

はたらクリエイティブディレクター

はたらクリエイティブディレクター パーソルホールディングス|グループ新卒採用統括責任者、キャリア教育支援プロジェクトCAMP|キャプテン、ベネッセi-キャリア|特任研究員、パーソル総合研究所|客員研究員、関西学院大学|フェロー、名城大学|「Bridge」スーパーバイザー、SVOLTA|代表取締役社長、国際教育プログラムCAMPUS Asia Program|外部評価委員などを歴任。現在は成城大学|外部評価委員、iU情報経営イノベーション専門職大学|客員教授、デジタルハリウッド大学|客員教員などを務める。 ※2019年にはハーバード大学にて特別講義を実施。新刊「新しい就活」(河出書房新社)

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