日本国内のコンピュータグラフィックス(CG)分野の研究者が集まるカンファレンス、「Visual Computing(VC)」が9月28日(火)から10月1日(金)にオンラインで開催されます。このカンファレンスは、CGに関する技術の国内最高レベルの発表および情報交換の場として1993年から開催され、本年で29回目を迎えます。

今年は豪華講師陣による「チュートリアル」も予定されており、注目を集めています。

VCでは研究の裏側も知ることが可能

通常、学会というのは、厳正な査読(審査)により選別された研究成果の口頭発表、今後が期待される研究活動のポスター発表などのプログラムが用意されています。これに加えて「招待講演」もVCの魅力の1つです。招待講演では例年、ACM SIGGRAPHなどを始めとする著名な国際会議に採択された研究者が招待され、研究成果についての講演に加えて、どのようにしてアイデアを思いついたか、どのように研究を進めていったか、といった論文採択までの長い道のりのノウハウなどを聴講することができます。

通常の学会発表では、論文の技術的な部分や結果にしか触れないので、こういった研究の裏側を知ることはほとんどできません。VCでは、こういった研究対象になる前のエピソードや、失敗の結果、論文投稿時の査読結果、それに対して何をブラッシュアップしたら採択に結びついたか、などの知見を共有しています。これにより、国際的な活躍をする次世代を育てるようなコミュニティとなっています。

産業界と学術界の橋渡し的側面も

VC2021の第29回運営委員長 藤代一成教授(慶應義塾大学)からのメッセージに、『研究成果の発表のみに留まらず, 産業界と学術界の橋渡し,およびクリエイターと技術者・研究者の交流の場として拡大されています.』とあるように、VCでの交流がきっかけで産学連携の研究が始まった事例も少なくありません。

29回目となる今回より,産学の交流の機会をより一層創出することを目的に,VC (Visual Computing) を後援するイベントとして VCC (VC communications)を併催することとなりました. 世界的にもハイレベルなCG技術の研究開発から,現場への技術還元まで,幅広く議論する場であるVCをVCCがサポートし,より活発な交流の場を提供します.

(https://cgvi.jp/vc2021/「VC+VCC 2021とは?」より引用)

このように、オンラインではありますが、企業と学生・研究者との繋がりを広められる環境が提供され、これまで以上に産業界と学術界の橋渡し的側面も期待されています。

初の試み「チュートリアル」とは

Visual Computing 2021では初の試みとして「チュートリアル」を実施します。「深層学習のCG応用」をテーマに、CG分野の主要な研究トピックに関し、そのトピックならではの深層学習の応用について、基礎知識から研究動向、実装面に渡って解説いただくといった構成。講師陣は、国際的に最前線で活躍している研究者で構成されており、とても豪華なチュートリアルとなっています。

また、チュートリアルの最後では、特別パネラーとして、スクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏も含めたメンバーでのパネルディスカッションが行われます。どのような話が飛び出すのか楽しみな企画であること間違いなしです。

チュートリアル企画

テーマ: 深層学習のCG応用

日時: 9月28日(火) 8:50 - 17:30

深層学習 (deep learning) がCG分野の既存技術の成果を次々に塗り替えています. その成果は単に汎用的な深層学習の手法を適用して得られた訳ではなく,むしろCG分野特有のドメイン知識を 注意深く組み込むことによって達成されています.本チュートリアルでは,CG 分野の代表的な研究トピックの トップランナーの研究者を講師としてお招きし,そのトピックならではの深層学習の応用についてご講演いただきます. 特に,そのトピックに関する基礎知識,研究動向,実装面について解説していただきます. さらに,CGに関連した深層学習の企業での実応用の実際や将来について,有識者によるパネルディスカッションを行う予定です.

https://cgvi.jp/vc2021/tutorial/ より引用

チュートリアルではCG分野の主要な研究トピックに関し、そのトピックならではの深層学習の応用について解説していただく。
チュートリアルではCG分野の主要な研究トピックに関し、そのトピックならではの深層学習の応用について解説していただく。

学生聴講者は参加費無料

参加登録は必要ですが、学生の聴講者は会員・非会員問わず無料での開催となっています。「深層学習って何?」「知りたいけれど、ちょっと難しそう。」と思っている学生さんは是非、この機会に参加してみてはいかがでしょうか。