ゲーム漬けの子どもが心配だったら親もやってみよう -親が理解してこそポケモンGOのトラブルは防げる-

一度始めると熱中してしまうのは分からなくもないですが・・・。(写真はイメージ)
一度始めると熱中してしまうのは分からなくもないですが・・・。(写真はイメージ)

夏休みのはじめに、ちょうどポケモンGOが日本へも上陸。どこへ出かけても、スマホ片手にうろうろする大人や子どもを見かけることが多い夏休みとなりました。

子どもをお持ちの世代の方々にとっては、子どもへのスマートフォンの影響も気になるところなのではないでしょうか。

夏休みを控えた小学校低学年(1~3年生)の保護者会では、「すでに子どもが携帯電話やスマートフォンを持っている」と手を挙げた人は、あまり多くはありませんでした。一方、高学年(4~6年生)になると、かなり多くの人が手を挙げたと聞きました。私が住んでいるのは、学童保育が3年生までで終わってしまう地域であることもあり、塾や習い事など、1人で行動する範囲が広くなることも要因の1つだとは思います。

しかし、携帯電話だけでなく、小学校低学年でも、スマホ機能を省いたiPod touch や、親の1世代前のスマートフォンをゲーム用に使わせる家庭も増えています。実際に、私が毎朝目にする小学校2年生同士の会話でも、ちょっと前なら「妖怪ウォッチぷにぷに、どこまで進んだ?」、今では「ポケモン何匹捕まえた?」が挨拶代わり。かなりのご家庭で、子どもたちの間にまでスマホゲームが浸透している様子が垣間見ることができます。

「子どもにスマートフォンを使わせない」というのは、問題の先送りにしかなりません。どのように使っていったらよいか、何が便利で何が問題なのかを、子どもと一緒に考えてみることが大事です。

子どもがやりたいゲームは親も把握しておくことが大事

毎朝、周りの子たちがポケモンの話をするのを見て、うちの子だけ悲しそうにしょんぼりしている、そんな姿を見るのも少しかわいそうだな、と思います。自分が小学生のときは、テレビドラマであったり、音楽番組であったり、「昨日あれ見た?」「見た見た」といった会話をしていたのが、今の世代ではただゲームなだけ。そうとも思えます。

子どもが楽しく毎日を過ごすため、1日30分でもいいからゲームだって取り入れてあげたい。そんな風に思う親御さんも多いことでしょう。

そうは言っても、子どもは自制が利きません。「やめなさい」と何度言っても、何時間でもスマホに首ったけで困る、という話もよく聞きます。でも、ママ友と話していると、自分はそのゲームをやったことがない、という人が意外と多いことに気づかされます。

まずはどのくらい面白いゲームなのか、そしてどういった場面で、どういう行動が危険なのか、どのようなタイミングならゲームをやめやすいのか。そういったことを把握するためにも、子どもがどうしても、といった場合には、まず親がそのゲームをやってみることをお勧めします。

小説だって、ここの章まで読んでしまいたい、この段落までは読みたい。せめて、句点までは・・・、といった区切りがあります。ゲームも同じ。どのゲームにもそれ相応に「やめやすいタイミング」というものがあるので、「やめなさい」ではなく、「次の○○まで終わったら終わりにしなさい」と声をかけることで、すんなりやめるられるようになるかもしれません。

また、「スマホゲームは危険がいっぱいだから!」と突っぱねるのではなく、ポケモンGOだったら、「なぜ本名を付けるのはいけないのか?」「家の近くでやったらどうなる?」「歩きながらやったら何が危ない?」「ジムやルアーモジュールなどやるときに、回りに不審な人がいないか、なぜ気を付けないといけないか?」など、具体的な危険事項を、一つひとつ具体的に親子で話し合う。そうすることで、子どもはただ「いけない」「気をつけなさい」と言われるだけでは気づけないことまで、深く考えることができるようになります。

私はあえて子どもと一緒に初期設定から行い、「え? 『ゆき』ってつけないの?」「なんでお母さんなのに男の子を選んだの? 間違えてるよ」と言われるたびに、「どうしてだと思う?」と子どもの考えを聞いたり、お母さんはこう思うからこれを選んだんだよ、と説明を加えながら、ゲームを進めてみました。

子どもの使い方をしっかり管理する

自身のスマホやiPadなどでゲームをさせている人は、パスワード管理は必須です。小学校低学年では特に自制が利きませんので、親がゲームの時間を管理することが大事です。

「子どもには、私が晩御飯の支度をしている間だけスマホを渡してるから大丈夫」と思っている親御さんも要注意。小学生に「どうして晩御飯までだけの時間で、そんなに進められるの?」と聞いてみると、それ以外の時間にも親のスマホを使っていたことが発覚。パスワードロックの解除は、実はお手の物だったりするのです!

・・・自慢げに話してくれるのが、子どもらしいのですが。我が子も何度パスワードを変えても、どれだけこっそりやっていても、すぐに見破ってしまいます。

ゲームの時間を管理するためには、子どもがこっそり使っているのを見つけなければなりません。そんなときには、ホームボタンを2回押して、アプリを完全に終了させておくことをお勧めします。

子どもがこっそりアプリを使ったとき、アプリを慌ててホームボタンを押して終了させても、実はバックグラウンドで起動しています。次に使うときに、開きっぱなしになっているアプリを確認して、終了させたはずのゲームアプリが開いていたら、子どもに注意を促してみましょう。

被害者だけではなく、加害者にならないようにするために

スマートフォンは「携帯電話」ではなく、パソコンの一種です。ゲームだけではなく、LINEやメール、掲示板やインターネット検索をはじめとして、子どもはさまざまな機能を使いこなすことを覚えていきます。

東京都でも夏休みに向けて、スマートフォンによる犯罪に巻き込まれないようなパンフレットも作成し、保護者への注意を喚起するとともに、子どもへも注意を促しています。

しかし、ここでいう「犯罪に巻き込まれないように」というのは、“被害に合わないように”だけではないことに注意が必要です。

よく、スマホによる被害に焦点を当てた議論が多いですが、実は加害者になってしまうケースも往々にしてあるのをご存じですか? 小学校での会話の延長で、何気なく書いた公開での友だちの悪口や、近所のお店の悪口。それがきっかけで、いじめや営業妨害など、様々な犯罪につながっていく可能性があります。

こういったことは、学校側が子どもに教えるだけでなく、家庭内でのより細かい、子ども一人一人に応じた教育も必要です。

その「つぶやき」は犯罪です: 知らないとマズいネットの法律知識』(新潮新書)では、具体的な例を載せながら分かりやすい切り口で、被害者になることを防ぐ、そして加害者になることを防ぐといった観点から記述されており、親がまず勉強をするのにお勧めです。

こういった情報倫理の観点からの教育は、これからの子どもたちへは必須になっていくと思いますが、大人や高齢の方への情報倫理教育というのは、実は届かない壁となっているのです。なので、一緒に学ぶ機会がもっと増えると良いと思います。

(この記事は、JBPressからの転載です。)