きょう(7月7日)の21時、テレビ朝日系でドラマ「六本木クラス」の放映がスタートする。

韓国、そして日本で大きな人気を誇った「梨泰院クラス(2020年)」のリメイク版だ。

ここから夏にかけて始まる全13話。

ここではウォーミングアップの意味を込めて「韓国版のおさらい」を。原作はどんな作品で、どうスゴかった? 日本語版ではどんな違いが出てきそう? などなど。「韓国版が韓国でどう見られていたのか」という点を中心に。

できるだけネタバレなきようやります。いずれにせよリメイク版たるもの、「原作との比較」という話が出てくるのでは? そのための予備知識の注入としても。

原作がどれほどスゴかったのか

原作「梨泰院クラス」は同題のウェブマンガをドラマ化したもので、2020年1月31日から同年3月21日まで全16話放映された。

韓国では15歳以上が視聴可能の番組に分類されている。「言語、テーマ、模倣注意」という但し書きがある。要はちょっと強い言葉が多く、復讐というテーマ性をあまり子どもが真似しないように、というところだ。

韓国では初回から全国視聴率5%前後と、順調な出だしだった。中盤に少し下がる時期があったが、最終回は16%台を記録。これはJTBCのドラマとしては歴代3位に入るものだ。

  • 韓国での予告編

ニュース報道などでの評価が高い「JTBC」だが、ドラマにあっては全体的に「序盤順調だが、尻すぼみ」という傾向があった。「SKYキャッスル」(2018年11月23日~2019年2月1日)以来ヒット作に恵まれていなかった。しかし「梨泰院クラス」はこれを打ち破ったのだった。ちなみにウェブマンガ原作のドラマとしては韓国全体での最終回視聴率トップだったという。

2020年3月世論調査会社韓国ギャラップによる「韓国人が好きなTV番組」2位。そして同年「アジアテレビジョンアワーズ」でドラマ作品賞受賞。

…確かにかなりの人気だが…記録的には意外と地味。

この作品、じつは韓国では「日本で根強い人気」としても知られるのだ。

韓国ではこんな分析がなされている。

「コロナ禍の折、家で過ごす時間が長くなった」

「日曜劇場『半沢直樹』で復讐モノが流行り、その流れにNetflixで見られる『梨泰院クラス』も上手くハマった」

「起承転結があるストーリーが日本の男性の気持ちも掴んだ」

すでに分かっている韓国版との違い

韓国版と日本版、どんな違いがある? この点もみどころの一つだろう。すでに分かっている点、あるいは韓国で言われている点にはこういったものがある。

・日本版は地上波での放映。韓国はケーブルテレビおよび衛星放送でコンテンツ提供するJTBCでの放映。

・韓国では「金土ドラマ」として、週末にかけて2夜連続放映されたが日本では「木曜日」。

・全16話が13話になる。

・韓国版のチョ・イソに該当する麻宮葵の年齢。原作ドラマより1歳年上で登場する。韓国では満19歳から飲酒が可能だが、日本は20歳から可能なためだと思われる(韓国ドラマファンブログより)。

・韓国版の撮影期間は冬だっため、ハロウィンパーティーが登場するが、日本は夏の前に撮影されたため、夏祭りに設定が変更になっている(同)。

・キムチチゲのかわりに唐揚げが使われているシーンがある(同)。

韓国版への韓国内での批判、改善されるか?

何事にもツッコミというものはある。「梨泰院クラス」もそうだった。韓国で出た称賛・批判について、国内メディアで報じられたものを紹介しよう。さて「六本木クラス」ではどう作られているだろうか。

称賛

◆16話のうち序盤は速いテンポで高評価を得て、中盤以降は興味津々な内容で視聴率がアップしていった。韓国内では「原作の良さ」のほかに、パク・ソジュン、キム・ダミ、ユ・ジェミョンなどの演技力が高い評価を得た。

◆単なる復讐の話ではない、メリハリの利いた、起伏のあるストーリーにも高評価が与えられた。ストーリーのなかに「インフルエンサー」が登場する今日的な要素や、女性のキャラクターが全体的なストーリーを引っ張る点、単に人物が成長するだけではなくその背景にある苦悩を描いた点も評価が高い。

批判

◆しかし韓国版は11話からテンポが遅くなってこともあり、やや視聴率が落ちた時期もあった。以下の点が低評価だった。

・トニとおばあちゃんのストーリーが不自然。

・最終回近くで拉致された後に警察に連絡しなかった点。

・父が夢に出てくるシーンが多すぎる。

・最終回のラストシーンで走っている登場人物を車で捕まえられないわけがない。急に過去の告白シーンが挿入されるのも邪魔だった。

◆じつはキム・ダミが「ややミスキャスト」との評価も当初はあった。原作ではシックでクールな美女なルックスからインフルエンサーとなったという設定だった。キム・ダミの童顔・丸顔が合っていないのではないかという評価。彼女はその演技力で評価を覆した。

◆日本版では「長屋龍二(ながや・りゅうじ)」として登場する「チャン・グンス」役のキム・ドンヒの演技力に若干批判があった。兄であるチャン・グヌォンの悪役としての圧倒的演技と比べるとより評価が下がる面があった。

原作での名ゼリフはどうなる?

この作品、「名ゼリフが多い」ことでも知られた。原作(ウェブマンガ)作家でありドラマの脚本も手掛けたチョ・グァンジン氏は「名言メーカー」とも言われるほど。

「六本木クラス」ではどうなるだろう。以下のセリフ、原作を見た方ならご記憶では? 何話のどのシーンかは細かく示しません。ちょっと思い出して「ウォーミングアップ」を。  

※韓国のパワーブロガーがまとめた内容から、筆者が翻訳し直しました。Netflixの字幕とは一致しません。

セロイ

「父は、人は信念を持って生きなくてはならないと教えてくれました。同じクラスの友達が苦しんでいて、先生もそれを黙認している。観ていて不快で止めました。言葉も聞かず叩きました。いくらチンピラみたいなやつだとしても先生の前でそんなんじゃだめでしょ。僕が間違いを犯しました。罪を受け入れないといけないでしょう。しかしチャン・グヌォンに対する謝罪はできません。何一つ申し訳ないことはありません」

チャン・デヒ(チャンガ会長)

「退学になったとしても膝をつかないと?」

セロイ

「それが僕の信念です。父の教えです。これからもそう生きていきたいからです」

セロイ父

「過ぎれば全部思い出だ。卒業証書なんて高卒資格試験を受ければいい。父さんも小さい店を出す程度の金はある。大事なのはそういうことじゃない。『信念をもって生きよう』と家訓を決めたけど、俺はそう生きられなかった。おまえは俺と違って胸を張って生きてくれることを望んでいた。で、今日見てみたらそう生きてるじゃないか。どれほどに誇らしい息子かって。これからもそうやって生きろ。息子よ」

チャンガ会長

「信念、負けん気がなんてことはプライドを守ろうと使う単語だ。利益がなければただのこだわり、無駄に熱いだけということだ」

スア

「私、グァンジン大学に合格した。チャンガが奨学金をくれるんだって。あの日、あなたを警察に通報してやめさせて、そうやって得たものなの…ごめん…あなたほどに強くいられなくて、卑怯で…ごめん…」

※グァンジン大学は原作作家の「チョ・グァンジン」から来たものと思われます。はたして「六本木クラス」では?

セロイ

「僕の夢は警察でした。しかし瞬間的な怒りを抑えられず前科者になりました。前科者は警察になれないんですってね。理解し、断念します。警察は法を守ることが職業なので。誰よりも清潔で堂々としていなければならないので。それが僕が夢見て尊敬していた警察だから」

イソ

「あ~プライドみたいなもの? お店を閉めてもつぶれてもその程度のプライドが大事なの?」

セロイ

「なんだおまえ? いきなり言いがかりか?」

イソ

「あきれたからよ。商売する人は頭も下げられなきゃいけないでしょう。それで何? 商売しようって?」

セロイ

「前にも言っただろ? 何かモノを知ってるからって、余計なお世話だって」

イソ

「わかんない。わかんないんだけど、今、今だけ我慢して越えれば…」

セロイ

「今、一度! 今だけもう一度! 最後に一度! また、また一度! その瞬間は楽だろう。でもだな。その一回が重なって人は変わってしまうんだ」

さて本日21日、テレビ朝日で始まる「六本木クラス」。日本版リメイクはどんな作品に仕上がっているだろうか!?

参考:「六本木クラス」 細かすぎる原作との比較#1 「新は優香のリュックを取り上げようとしなかった」(筆者による)

※初回オンエア後に追加。