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【総選挙2014】子育て世代・これから子育てをする世代が声を上げる選挙に!

吉田大樹労働・子育てジャーナリスト/グリーンパパプロジェクト代表

本日は、いよいよ総選挙だ。

最低の投票率になるのではないか、という報道も出ているが、とりあえず、まだ時間はあるということで、自分の立場からできる呼びかけをしてみたい。

それは、子育て世代やこれから子育てをする世代に向けてだ。

両親学級で伝えたこと

昨日、都内の両親学級でプレパパ・プレママ向けの講座を行った。

約50名の方が参加していたが、「明日はなにがありますか?」という問いかけに、「選挙」とすぐに回答できない人が何人かいた。質問の仕方もあったとは思うが、一般の人たちの関心の度合いを感じることができた。政治への関心が高くない状況に危機感を覚えた瞬間でもあった。

その場にいたプレパパ・プレママたちには、2つのお願いをした。

1つは、今日絶対に選挙に行くこと。そして、もう1つは、来年の4月から「子ども・子育て支援新制度」という新しい枠組みが始まるということだ。

これも知っているかどうかを聞いたら、4~5人くらいしかいなかった。認知度1割ということであろう。これから子育てをする世代がこの程度についてもっと関心を高めなければならない。消費税増税分が財源として使われることになるが、自分たちの問題ということを是非とも知ってもらいたい。新制度についても、筆者も委員である内閣府「子ども・子育て会議」で現在も議論しているが、来年4月から完璧な制度として始まるわけではない。今後も、制度を微調整しながら進めていくことになると思うが、予算の問題もあり、できることは限られてくる。「予算」を確保していくためには、その世代の声が何よりも必要となる。

その「声」とは選挙で「投票」するということにほかならない。どの候補者に、どの党に入れろということではなく、声は投票数、投票率という数字で跳ね返ってくる。

プレパパ・プレママたちにもう1問質問をしてみた。子育ては「楽しみ」か?「不安」か?ということ。

結果は、正反対のものとなった。プレママは約3分の2の人が「不安」があると手を挙げ、プレパパは約3分の2の人が「楽しみ」と手を挙げた。このプレママたちが感じている不安に耳を傾けることこそが大事ではないだろうか。この不安を「投票」という声に変換してもらいたい。

小さな一歩を踏み出そう

人はみなが大胆に変わることなどできない。みなが奇抜な発想をもって訴えられるわけでもない。日々生活していくだけで精一杯という人も多い中で、「政治」という何か程遠いものに意識を持っていくことは難しいかもしれない。

「結局、選挙に行っても何も変わらない」と思っている人も多いと思う。けど、この世代が声を上げなければ、政治が前向きに取り扱ってくれることはない。安心できる子育て環境の実現が遠のくばかりというだけではなく、次の世代をまともに育てられない国は早晩衰退していくことになりかねない。

選挙に行くというのは、小さな一歩にすぎないが、その一歩さえも棄権してしまうのは多額の税金が投じられている中で非常にもったいないことだ。

いま子育て世代やこれから子育てをする世代が大胆に変わることを提案はしない。今日、投票に行っても、政治がすぐに変わることはないかもしれないが、継続的に声を上げ続けることで変わる土壌が整うことになる。

その一歩は小さくてもいい。それは、「投票に行く」という小さなことでいい。

結果が見えている選挙かもしれない。しかし、今日投じる一票で少しでも接戦になり、競り勝つことができたら、それはあなたの一票で変わったということだ。あなたが投票しようと思う気持ちは、他の人たちにも必ず伝播をする。

少しでもこの世代が声を上げている姿を見せることができれば、それが次の選挙へとつながっていくことになる。

大義がないと言われた選挙ではあるが、大義とは「自分たちで見つけること」でもある。そのきっかけとなる選挙にできたら、「もうけもん」であろう。

労働・子育てジャーナリスト/グリーンパパプロジェクト代表

1977年7月東京生まれ。2003年3月日本大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。労働専門誌の記者を経て、12年7月から2年間ファザーリング・ジャパン代表。これまで内閣府「子ども・子育て会議」委員、厚労省「イクメンプロジェクト推進委員会」委員を歴任。現在、内閣官房「「就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針」に関する有識者懇談会」委員、厚生労働省「子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会」委員、東京都「子供・子育て会議」委員などを務める。3児のシングルファーザーで、小・中・高のPTA会長を経験し、現在は鴻巣市PTA連合会会長。著書「パパの働き方が社会を変える!」(労働調査会)。

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