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[高校野球]甲子園通算勝利。次の100勝到達は福井か、それとも……

楊順行スポーツライター
2007年夏の甲子園、佐賀北が優勝した佐賀県だが勝ち星順位は……(写真:岡沢克郎/アフロ)

 前回は、選抜高校野球大会と全国高校野球選手権大会の通算勝利数100勝以上までを示したが、順位にして27位以下もまとめるとこうなる。表は左から順位、都道府県名、春夏通算勝敗数、()内はそのうち選抜大会、選手権大会で○数字は引き分け。さらに勝率、選抜大会優勝回数、選手権優勝回数の順。

1 大 阪 394勝230敗(212⑤140 182-90).631 12 14

2 兵 庫 320勝248敗(176③151 144-97).563 6 7

3 東 京 316勝267敗(132①125 184①142).542 5 7

4 愛 知 309勝205敗(176③112 133-93).601 11 8

5 和歌山 233勝189敗(107②109 126①80).552 5 8

6 広 島 215勝153敗(96②75 119①78).584 5 7

7 神奈川 210勝130敗(81①54 129-76).618 7 7

8 京 都 207勝183敗(83①90 124①93).531 2 4

9 高 知 191勝127敗(93-64 98-63).601 2 2

10 愛 媛 188勝128敗(66-58 122①70).594 4 6

11 福 岡 155勝171敗(62①83 93-88).475 0 4

12 奈 良 148勝124敗(60-64 88-60).544 2 2

13 千 葉 145勝118敗(46-40 99-78).551 0 3

14 静 岡 143勝155敗(56-69 87①86).480 4 1

15 岐 阜 142勝116敗(67①48 75①68).550 3 1

16 徳 島 139勝111敗(73⑤52 66①59).556 5 1

17 香 川 133勝133敗(63-63 70-70).500 3 2

18 埼 玉 120勝99敗 (49①34 71-65).548 2 1

19 山 口 118勝132敗(36-59 82-73).472 1 1

20 北海道 118勝244敗(46-86 72②158).326 0 2

21 宮 城 112勝107敗(34-40 78-67).511 0 1

22 岡 山 109勝121敗(45①55 64-66).473 1 0

23 熊 本 107勝110敗(41-46 66①64).493 1 0

24 群 馬 106勝117敗(36②45 70-72).475 0 2

25 栃 木 104勝100敗(43②37 61-63).510 1 2

26 沖 縄 102勝86敗 (31-33 71-53).543 3 1

27 福 井 95勝121敗 (36①44 59-77).440 1 0

28 鹿児島 93勝110敗 (28②40 67-70).458 1 0

29 大 分 85勝100敗 (25-28 60-72).459 1 1

30 長 野 85勝132敗 (24-35 61-97).392 1 1

31 茨 城 84勝99敗 (30-33 54-66).459 1 2

32 山 梨 73勝83敗 (30-26 43-57).468 1 0

33 長 崎 70勝94敗 (28-27 42-67).427 1 0

34 宮 崎 69勝90敗 (16-28 53-62).434 0 0

35 滋 賀 65勝97敗 (23②45 42-52).401 0 0

36 石 川 64勝91敗 (22-28 42-63).413 0 0

37 青 森 63勝82敗 (13-20 50①62).434 0 0

38 三 重 62勝92敗 (27-33 35①59).403 1 1

39 秋 田 61勝101敗 (14-25 47-76).377 0 0

40 鳥 取 58勝105敗 (20-29 38-76).356 0 0

41 岩 手 57勝102敗 (15-23 42①79).358 0 0

42 福 島 50勝81敗 (11-21 39-60).382 0 0

43 佐 賀 44勝77敗 (6-16 38①61).364 0 2

44 島 根 43勝96敗 (11-31 32-65).309 0 0

45 山 形 38勝74敗 (10-13 28-61).339 0 0

46 富 山 37勝80敗 (7①18 30①62).316 0 0

47 新 潟 31勝73敗 (3-12 28-61).298 0 0

過去2回優勝なのに……佐賀の不思議

 次に100勝を視野に入れているのは福井だ。ことに、2015年のセンバツで優勝した敦賀気比が10年代以降で21勝(10敗)と勝ち星を伸ばしている。17年以降、昨年までの5年間(中止になった20年を除く)で明豊が11勝している大分も、このところ元気だし、山梨学院が優勝した山梨は、27位以下では勝率トップに躍り出た。ほかに、長く近畿の1弱といわれてきた滋賀も、21年夏〜22年夏までの3季で近江が12勝と順位を大きく上げ、1990年代中盤に青森山田、遅れて八戸学院光星が出てくるまでは弱小だった青森は、2010年以降なら通算28勝20敗と勝ち越している。

 不思議なのは、夏に2回の優勝経験がある佐賀が、通算勝利数では43位ということ。夏は長く福岡などと代表を争い、またセンバツなら55年まで出場できず、そもそも出場回数が少ないことも一因にあるだろう。122という総試合数は新潟、山形、富山に次ぐ少なさだ。佐賀と同様、優勝経験がある県では、三重のランキングも38位と意外に低い。

 そして……センバツでは、過去に決勝未進出県だった山梨が優勝。これで、いまだ決勝に進んでいないのは山形、富山、島根の3県となった。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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