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唯一、勝率が3割を切るのは○○県……高校野球都道府県ランキング②

楊順行スポーツライター
2009年夏には県勢最高の準優勝(写真:岡沢克郎/アフロ)

 ①では、選抜高校野球大会と全国高校野球選手権大会の通算勝利数100勝以上、27位までをまとめた。28位以下はこうなる。表は左から順位、都道府県名、春夏通算勝敗数、()内はそのうち選抜大会、選手権大会で○数字は引き分け。さらに勝率、選抜大会優勝回数、選手権優勝回数の順。

次に100勝に達するのは……

28 福 井 95勝123敗 (36①45 59-78).436 1 0

29 茨 城 89勝101敗 (31-34 58-67).468 1 2

30 大 分 86勝102敗 (26-29 60-73).457 1 1

30 長 野 86勝133敗 (24-35 62-98).393 1 1

32 山 梨 75勝85敗 (32-27 43-58).469 1 0

33 長 崎 71勝95敗 (28-27 43-68).428 1 0

34 宮 崎 69勝92敗 (16-28 53-64).429 0 0

35 青 森 68勝85敗 (16-22 52①63).444 0 0

36 石 川 67勝94敗 (25-30 42-64).416 0 0

37 滋 賀 65勝99敗 (23②46 42-53).396 0 0

 福井は2022年夏終了時点で95勝で鹿児島と並び、北信越勢初の春夏通算100勝が見えていたが、昨年春夏、今春と初戦負け。昨夏神村学園がベスト4入りし、この春も1勝を加えた鹿児島が先に大台入りした。元気なのは山梨で、令和に入ってからの春夏つごう8大会で10勝(7敗)。勝ち星のうち8つは、昨春県勢初優勝を遂げた山梨学院によるもので、28位以下では勝率トップである。青森は、1993年夏に青森山田が初出場するまで、甲子園通算成績は16勝40敗だったが、山田に遅れて八戸学院光星も常連となると、93年以降では52勝45敗と堂々の勝ち越しだ。石川は、センバツ初の4強入りで滋賀を抜き、長く近畿の1弱といわれたその滋賀も、21年夏〜22年夏までの3季で近江が12勝を稼いでいる。

優勝歴があるのに勝率が低い県

38 三 重 63勝94敗 (28-34 35①60).401 1 1

39 秋 田 61勝102敗 (14-25 47-77).374 0 0

40 岩 手 60勝103敗 (15-23 45①80).368 0 0

41 鳥 取 58勝106敗 (20-29 38-77).354 0 0

42 福 島 51勝83敗 (11-22 40-61).381 0 0

43 佐 賀 45勝78敗 (6-16 39①62).366 0 2

44 島 根 43勝97敗 (11-31 32-66).307 0 0

45 山 形 38勝75敗 (10-13 28-62).336 0 0

46 富 山 37勝81敗 (7①18 30①63).314 0 0

47 新 潟 31勝74敗 (3-12 28-62).295 0 0

 これは以前にも書いたが、佐賀商と佐賀北の2校が夏に優勝している佐賀が、通算勝利数では43位というのは意外だ。夏は長く福岡などと代表を争い、またセンバツなら55年まで出場できず、そもそも出場回数が少ないことも一因にあるだろう。佐賀と同様、優勝経験がある県では、三重のランキングも38位と低い。

 私事ながら、筆者は新潟出身。00年代後半からは、09年夏の日本文理の準優勝などもあり、順調に白星を重ねていた。たとえば09年からの夏の6大会では11勝6敗だ。ところが、17年夏に日本文理が初戦を突破したのを最後に、令和に入っての白星がない。センバツに至っては9年間出場すらできず、唯一3割を下回る勝率も、通算勝ち星も最下位。夏の勝ち星だけは辛うじて山形を上回っていたが、それも21年に並ばれた。この夏……なんとか頑張ってほしいなぁ。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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