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WBCもいいけど、センバツも開幕。8強を予想してみた

楊順行スポーツライター
2018年、センバツを連覇した大阪桐蔭。2度目の春連覇を狙う(写真:アフロ)

 18日から、第95回記念選抜高校野球大会が始まる。まあ野球ファンは序盤、WBCでそれどころじゃないかもしれないが……ともかく、優勝候補は大阪桐蔭で衆目の一致するところだ。なにしろ、藤浪晋太郎がエースだった2012年のセンバツ初優勝から昨年まで、中止となった20年を除く10大会のうち8回出場し、4回も優勝しているのだ。試みに、その間の勝敗を調べると25勝4敗で勝率.862。ちなみに同じ期間、夏も3回優勝の22勝3敗である。

 同じ過去10大会で二ケタ勝ち星を挙げているチームがほかに2校あって、龍谷大平安(京都)が10勝4敗、敦賀気比(福井)が10勝5敗。平安は14年、気比は15年の優勝校だ。そのときの平安の2年生エースが、現侍ジャパンの高橋奎二(ヤクルト)で、気比では平沼翔太(西武)がエースだった。

大阪桐蔭と敦賀気比の一戦で、勝ったほうが優勝?

 その気比は、初戦(2回戦)で大阪桐蔭と激突する。両者は、過去に二度対戦があり、平沼が2年生だった14年夏は、気比が6点を先制するが、桐蔭打線が平沼をKOして逆転勝ち。だが15年春は、気比の松本哲幣が2打席連続満塁本塁打という離れ業を演じ、平沼が完封を演じた。この対決はいずれも準決勝で、勝ったほうがその大会で優勝しているから、初戦での対戦はなんとももったいない。

 ほかに対象10大会で勝率が高いのは東邦(愛知)と高松商(香川)のいずれも5勝2敗。東邦は19年の優勝校、高松商は16年の準優勝校だ。18年準優勝の智弁和歌山も、6勝3敗で続く。勝ち星なら、準優勝が2回ある履正社(大阪)が9勝5敗で4位、健大高崎(群馬)が8勝4敗1分けで5位につけている。

 5割以上の勝率を残しているのは、勝ち数の順に5勝4敗の仙台育英(宮城)、4勝4敗の高知、3勝3敗の報徳学園(兵庫)、2勝1敗の常葉大菊川(静岡)、海星(長崎)、2勝2敗の作新学院(栃木)、東海大菅生(東京)、沖縄尚学、1勝1敗の大垣日大(岐阜)といったところ。ほかは負け越しか初出場、あるいは33年ぶりの北陸(福井)のように、過去10大会では出場がない。

 無理を承知で、この実績を当てはめて8強を予想してみると……トーナメントの一番左からABCDEFGHとし、Aは智弁和歌山。Bは、12年ぶりの東北(宮城)をはじめ初出場や久々出場が4校揃い、実績なら10大会で1勝3敗の山梨学院か。Cが履正社で、Dは海星か広陵(広島)。Eは初戦を突破すれば大阪桐蔭、Fは東海大菅生か沖縄尚学、Gは混戦から投手力のいい健大高崎が抜け出すか。Hは,夏春連覇の期待を込めて仙台育英といったところ。仙台育英は、春は過去10大会で5勝4敗ながら、夏は19勝6敗と横綱級の強さを見せている。

 ちなみに出場36校のうち、甲子園の勝利数では平安が103勝でトップ(通算では中京大中京[愛知]に次ぐ2位)。72勝の大阪桐蔭は広陵と1勝、東邦と3勝差の9位につけていて、両校に並ぶか、抜き去る可能性もある。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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