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祝! 日本ベスト8進出。侍30選手のうち、甲子園優勝経験者は意外にも……。

楊順行スポーツライター
栗林良吏(左)、佐々木朗希も、高校時代は甲子園未経験だ(写真:CTK Photo/アフロ)

 WBCで日本は軽〜く4連勝。準々決勝の相手はイタリアと、願ってもない展開となった。

 ところで、18日には第95回記念選抜高校野球大会が開幕することもお忘れなく。この大会には、侍30選手の母校のうち、ダルビッシュ有の東北(宮城)、高橋奎二の龍谷大平安(京都)、山田哲人の履正社(大阪)、源田壮亮の大分商、吉田正尚の敦賀気比(福井)の5校が出場する。敦賀気比が20日の初戦に対戦するのは、優勝候補の大阪桐蔭だ。

 畏友・戸田道男氏が制作した『プロ野球2023最強データ選手名鑑』(双葉社刊)には、NPB全選手の出身高校ランキングという興味深いデータが掲載されていて、それによると1位は大阪桐蔭の21人。OBだけでスタメンが組めそうな豪華な顔ぶれだ。たとえば、

[投 手]根尾 昂

[捕 手]森 友哉

[一塁手]中田 翔

[二塁手]浅村栄斗

[三塁手]中村剛也

[遊撃手]山足達也

[外野手]藤原恭太 正隨優弥 仲三河優太

 なんて具合。残念ながら、今回の侍のメンバーにはだれも入っていないが……。

たった1人の現役OBが侍メンバー

 対照的にたった1人の現役OB選手が侍メンバー、という例が意外と多い。ラーズ・ヌートバーを別にすると、

 戸郷翔征=聖心ウルスラ学園(宮崎)

 佐々木朗希=大船渡(岩手)

 大勢=西脇工(兵庫)

 山本由伸=都城(宮崎)

 栗林良吏=愛知黎明

 今永昇太=北筑(福岡)

 宇田川優希=八潮南(埼玉)

 甲斐拓也=楊志館(大分)

 中村悠平=福井商

 牧 秀悟=松本第一(長野)

 周東佑京=東農大二(群馬)

 の11人だ。このうち戸郷、今永、中村以外は甲子園経験がない。また、30選手のうち甲子園優勝を経験しているのは2014年センバツの龍谷大平安・高橋奎二だけで、ごく乱暴にいうなら、強豪校に入れなくても、甲子園で活躍しなくても、日本代表という夢をあきらめる必要はなさそうだ。

 出身校別ランキングで大阪桐蔭に続くのは、近藤健介の出身校・横浜(神奈川)で、16人。3位以下も記しておくと、

3位 13人 花咲徳栄(埼玉) 東海大相模(神奈川)

5位 11人 中京大中京(愛知)  広陵(広島)

7位 9人 仙台育英(宮城) 履正社(大阪) 智弁和歌山

10位 8人 北 海(北海道) 敦賀気比(福井) 九州国際大付(福岡) 九州学院(熊本)

 いずれも強豪で、今回の侍メンバーではほかに、高橋宏斗が中京大中京、村上宗隆が九州学院の出身だ。ちなみに中京大中京OBの11人は、すべて甲子園経験がある。逆に大分商は、過去20年に春夏1回ずつしか甲子園出場がないが、6人を輩出して24位タイだ。

 センバツ出場の36校を見てみると、上記ランキングに入っている6校のほか、慶応(神奈川)が7人で14位タイ、以下24位タイの6人に健大高崎(群馬)、31位タイの5人・専大松戸(千葉)、東邦(愛知)、報徳学園(兵庫)、高知、沖縄尚学が目立つ。現役NPB選手がいないのは9校だった。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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