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激戦区の終盤情勢③ 全国比例=JX通信社 参院選終盤情勢調査

米重克洋JX通信社 代表取締役
(写真:イメージマート)

JX通信社では、今月10日投開票の参院選について、全国比例の最終盤情勢を探った。情勢分析にあたっては、今月9日に行った電話情勢調査の結果に予測モデルを適用して分析した結果に加え、自社アプリNewsDigestを通じた「スマホ出口調査」の中間集計も加味した。

なお、9日時点でも有権者の約1割は投票先を明らかにしておらず、情勢は変わる可能性がある。

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最終盤に自民が伸長、無党派取り込みを加速

全国比例では、最終盤に自民が伸長しており、3割台半ばから支持を集めている。前回調査では無党派層から2割の支持を集めていたが、9日に行った今回の調査では3割弱に支持を積み増している。職業別では、専業主婦層を中心に支持を拡大した。地域別では、九州を除く全国で支持が伸長している。

一方で、7月1日から3日にかけて行った前回調査と比べると、維新を比例投票先に上げる有権者がやや減った。各政党支持層別に見ると、維新支持層の7割のほか、立憲や自民、国民支持層の各1割、無党派層の1割強を固めている。一方で、足元の維新支持層の2割弱は自民に流れている状況だ。年齢層別では60代でやや支持を伸ばした。地域別では、中部と九州で支持が伸長している。結果、比例得票における「野党第一党」争いは、維新と立憲との間で激戦の度合いが増している。

立憲は、立憲支持層の7割弱のほか、社民支持層の1割、無党派層の1割強を固めた。前回調査と比べると、30代や70代、専業主婦層からの支持を伸ばしている。特に北海道で支持が拡大した。

参政党は3議席獲得の可能性も視野

国民と政治団体の参政党は、前回調査から支持を伸ばした。前回調査時点では1議席を固めて2議席目をうかがっていた参政党は、3議席を獲得する可能性が出てきた。無党派層では政党要件を満たす野党とも互角の戦いを展開する。特に中部、東北、関東で支持が厚く、子育て・教育や外交・安全保障を重視する層で支持を集める。

共産、れいわ、社民、N党は、それぞれほぼ横ばいか、やや後退している。

JX通信社 代表取締役

「シン・情報戦略」(KADOKAWA)著者。1988年(昭和63年)山口県生まれ。2008年、報道ベンチャーのJX通信社を創業。「報道の機械化」をミッションに、テレビ局・新聞社・通信社に対するAIを活用した事件・災害速報の配信、独自世論調査による選挙予測を行うなど、「ビジネスとジャーナリズムの両立」を目指した事業を手がける。

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