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部下を潰す上司「クラッシャー上司」6つの口ぐせ

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

「君は何をやっても、だいたいうまくいかないね」

「いつも失敗ばかりじゃないか」

「みんなそう言ってるよ。全然ダメだって」

あなたは、このような、

「みんな」

「いつも」

「だいたい」

「全部」

「すべて」

「全然」

といった表現を使って部下にネガティブフィードバックをしていないか。もしそうなら、どんなに笑顔で優しく言ったとしても「クラッシャー上司」と呼ばれることになるかもしれない。

部下を潰す上司――それがクラッシャー上司だ。

■クラッシャー上司はなぜ理不尽なのか?

私がコンサルティングを行う中で、部下を潰しかねない上司に遭遇することがある。冒頭に書いた6つのフレーズを口ぐせのように使う。

しかし「クラッシャー上司」は自覚がなく、指摘されても無視することが多い。

「私がクラッシャー上司? パワハラ? モラハラ? あり得ない」

こう笑い飛ばすのが一般的だ。

彼らは、声の大きさや態度の執拗さではなく、「言葉の中身」や「言い回し」で部下を追い詰める。それにより、自覚のない「クラッシャー上司」が存在する。今回は、クラッシャー上司の口ぐせに焦点を当てて解説する。

部下を潰す言い方とは、まさに「理不尽な言い方」である。理不尽の反対は「論理的」だ。

論理的である、ということは「筋が通っている」ということ。つまり非論理的な発想や言い方を続けると部下を潰してしまう。筋が通っていないからだ。

■気を付けるべき「一般化」とは?

とりわけ注目すべきは「一般化」という心理現象だ。

「一般化」とは、ある事柄の一部分だけを見て全体を決めつけることだ。「レッテル」とも呼ばれる。客観的なデータや信憑性のある根拠もなしに、強い先入観や知識不足に基づいて物事を決めつける。そのため、部下には理不尽な印象を与えるのだ。

「一般化」の表現には、冒頭書いたとおり

「みんな」

「いつも」

「だいたい」

「全部」

「すべて」

「全然」

という言葉が含まれる。たとえば、

「【いつも】ミスばかり」

「何をやっても【全然】ダメ」

「【みんな】言ってる」

「【すべて】おかしい」

「【だいたい】間違っている」

「【全部】意味がない」

などが「一般化」の例である。

これは「部分」に着目して「全体」を評価する言い方だ。「100%」か「0%」の極端な表現になる。たとえ部下に「40%」のポテンシャルがあっても「0%」と評価するし、ミスは「100%」部下の責任と決めつける。

問題は、「一般化」の表現を繰り返すと、部下の「行動」ではなく「人格」の否定につながることだ。

たとえ10%や20%の可能性しかなくても、そこに光を当て部下の成長を促すことが上司の役割であろう。なのに「0%」とレッテルを貼ると、部下は意気消沈してしまう。その結果、部下を潰すことになるのだ。

上司は、部下に対して先入観を持ったり、不当なレッテルを貼るべきではない。これは「部下育成」において禁止事項である。部下との対話では、「みんな」「いつも」「だいたい」「全部」「すべて」「全然」といった決めつけの言い方を避けるべきだ。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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