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【これで悩み解決!】「モチベーションをアップさせるモチベーション」を上げるたった一つの方法

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

■「モチベーションをアップさせる方法」は無数にある

「どうしたらモチベーションが上がるんだろう。そのやり方が知りたい……」

いまだにモチベーションをアップしたいという人がたくさんいる。何かをやり遂げよう、何かを継続しようと考えたとき、意欲・やる気・モチベーションといったものが大きく関わるからだ。とはいえモチベーションをアップさせる方法というのは、インターネットで検索すればわかるとおり、多種多様にある。

そう。「モチベーションをアップさせる方法」は無数にあるのだ。

具体的には記載しないが、モチベーションをアップできる「A」という方法、「B」という方法、「C」という方法、「D」という方法があったとして、それぞれ試して自分に一番適した方法を選べばいい。それだけだ。ダイエットしたり、資格試験をパスしたりするのとは比較にならない。たかがモチベーション。モチベーションをアップさせるなんて、いとも簡単にできるものなのだ。

もし「A」も「B」も「C」も「D」も、いずれの方法も試したけれどダメだった、というのであれば他の「E」とか「F」の方法を探して試したらいい。これを繰り返せば必ず見つかるはずだ。

先述したとおり、モチベーションをアップする方法は膨大にある。ダイエットの方法と同じぐらいに、世界じゅうの人たちに開発され、世に出ているのだ。それを否定する人はいないはずだ。

何種類あるだろう? 10種類だろうか。100種類だろうか。1,000種類だろうか。世界じゅうで開発されているわけだから、探せば必ず自分と相性のいい方法が見つかるはずだ。就職先や結婚相手を見つけるのとは全然違うのだから。

■「右腕をケガして血を流している人」にたとえてみる

ところが、モチベーションが上がらない、どうしたらモチベーションがアップするのかと、いまだに疑問を抱く人がたくさんいる。著名な方が開発した、素晴らしいノウハウがフリーで手に入る時代になったにもかかわらず、「モチベーションが上がらない」「モチベーションが上がらない」と言う人がいまだにいるのが現実だ。

私はこのように嘆いている人を、3つの種類に分けてみたいと思う。

(1)「モチベーションをアップする方法」を知りたいと言っているだけ

(2)「モチベーションをアップする方法」を探しているだけ

(3)「モチベーションをアップする方法」を試しているだけ

なぜこの3つに分類したか? 「右腕をケガして血を流している人」のケースで考えてみると理解は深まるはずだ。

(1)「右腕のケガを治す方法」を知りたいと言っているだけ

(2)「右腕のケガを治す方法」を探しているだけ

(3)「右腕のケガを治す方法」を試しているだけ

右腕にケガをした。しかも血を流している。だから大きな問題だ。誰だって治療する方法を知りたいと思うだろう。とはいえ特殊なケガでないのなら、治療する方法はたくさんあるだろうし、正しい治し方を知ったり、治してくれる人に出会えば、すぐにそれを実践するはずだ。

したがって、

「右腕をケガして血が止まらないんだ。まいったよ、ホントに」

と言っているだけの人を見たら「なんだこの人?」と普通は思う。また、

「右腕をケガして血が止まらないんだ。ネットで治療方法を調べてみたんだが、それが本当にいいんだろうか。よくわからない。だから他にもっといい方法があるかもしれないと思うから探してるんだ」

このように言う人に対しても、「なんだこの人?」と誰でも受け止めるだろう。先述した「血が止まらないからまいったよ」とただ悲しんでいる人に比べればマシだが、探して見つけたんだったら、いったん行動しなよと普通は思うはずだ。

つまり、「知りたいと言っているだけの人」「知りたくて探しているだけの人」は何かがおかしい。普通の感覚ではないと言える。

また、

「右腕をケガして血が止まらないんだ。ネットで治療方法を調べてやってみたんだが、なんかうまくいかない。どうしようか、困ったなと思って」

このように治療法を実際に調べ、キチンとやってみたという人ならどうだろう。「知りたいと言っているだけの人」「知りたくて探しているだけの人」よりもマシだ。なぜなら「知りたくて探して試している人」だからだ。

とはいえ、まだ血が止まらないのなら悲嘆にくれてないで、はやく別の方法を探すべきだ。つまり流れ続ける血を止め、元通りの右腕になる――問題解決するまでトライするのが普通の感覚だ、ということである。

私はこのケースと同じ、普通の感覚で「モチベーションをアップさせたい」という人と接する。相手を特別視することもない。

だから「モチベーションをアップしたい」と言う人には「その方法を教えましょうか」と尋ねるし、「モチベーションをアップする方法を探している」と言う人であれば「その方法をいくつか試してみたらどうでしょうか」と助言する。

そして「モチベーションをアップする方法をいくつか試しているのですが、なかなかうまくいきません」と言われたら、「モチベーションがアップするまで諦めないことです」と指南する。

■「モチベーションをアップするモチベーション」について

しかし、ほとんどの人が(1)のように、「モチベーションをアップする方法」を知りたいと言っているだけだ。(2)の「モチベーションをアップする方法」を探す人はいるが少数派。(3)の「モチベーションをアップする方法」を試すだけ、というレベルの人は滅多に会わない。

したがって「モチベーションをアップさせたい」と言っている人のほとんどが、誰かにアドバイスされたり、処方箋をもらっても、試すこともしないのだ。一度試すことはあっても継続しないのである。問題が解決するまでやろうとしない。

自動販売機で缶コーヒーを買うように、機械に硬貨を数枚入れたら「モチベーションがアップした」というぐらいのリーズナブルな手法でない限り、何もしようとしない。

つまり「モチベーションをアップさせたい」と言い続けている人は、単なる怠け者か、それとも「モチベーションアップさせるモチベーション」が足りないのか、どちらかと言える。

ダイエットができない。英語の勉強が続かない。受験勉強に精を出すことができない。これらの理由はそれこそ「モチベーション」が引っ掛かってくるのかもしれない。「ダイエットするモチベーション」「英語の勉強を継続するモチベーション」「受験勉強に精を出すモチベーション」……といった具合にだ。

それと同じだと考えよう。「モチベーションをアップしたいのだが、なかなかモチベーションが上がらない」という人は、「モチベーションをアップするモチベーション」が足りないのかもしれない、と。

しかし、もしもである。もしもこの「モチベーションアップするモチベーションを向上させる方法」が存在したとしても、このような人はその方法を探したり、探し当てて試し、モチベーションアップするモチベーションが向上するまで諦めずに試すだろうか。

結局はそれさえしないのではないか。それどころか、そのための「モチベーション」がまた必要になってくる気がする。ということはつまり、「モチベーションアップするモチベーションを向上させるモチベーションを上げる方法」が必要になってくる、ということなのだ。

つまり、堂々巡りなのである。

■「モチベーション難民」にならないために

モチベーションをアップしたいと年がら年じゅう思っている人は、袋小路に入っている。それを自覚すべきだ。モチベーションをアップさせるためには、モチベーションが必要だからだ。

お金を増やすためには、お金が必要だ。さらにお金を増やすためには、さらにお金が必要なのだ。潤沢な資金を持っている人がお金を増やしていく。素晴らしい人脈がある人が、より素晴らしい人脈を形成できるのである。

何事も最初はゼロからのスタート。何もないところから何かを得たいのであるなら、一所懸命、がむしゃらになって頑張るしかない。内的動機付けなど、どうでもいいのだ。どんな動機だろうが関係がない。

要するに、やればいいのである。とりあえず動きはじめるのである。そうすることで、何もなかったはずの場所に火種ができ、その小さな火種がモチベーションとなって、さらに大きな火を起こしてくれる。

「モチベーション難民」になるのはもうやめよう。モチベーションという7文字のカタカナを頭に思い浮かべている暇があったら、「やれ」という2文字の平仮名に置換し、自分に投げつければいい。それでいいのだ。

「モチベーション」で悩んでいる人は、堂々巡りを繰り返している。それを自覚するだけで一気に視界が広がることを、多くの人に知ってもらいたい。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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