【どうする在宅勤務?】部下が突然テレワーク! マネジャーが押さえるべき4つのポイント

テレワークでマネジメントしたり、テレワークしている人をマネジメントしたり(写真:アフロ)

■「テレワーク」に対する不安

新型コロナウイルスの影響が全国に広がるなか、2月27日安倍首相は、全国の小中高校に臨時休校を要請した。3月2日から春休みまでの期間だ。

これを受け、翌28日、全国の自治体、民間企業が対応に追われた。電通、資生堂、リコー、キリンHDを含むビール各社が、数千人規模の社員に対し在宅勤務を指示したのだ。

1300社近くの税務顧問先がある当社も、中小企業のオーナーからひっきりなしに相談が舞い込んでいる。

「テレワークを指示する場合、どんなことに気を付けたらいいのか」

こんな相談が大半だ。

テレワークに必要なITシステムは完備していても、実際にやったことがない企業は多い。とくに中小企業は、そうだ。

「6名の社員に、小学校低学年のお子さんがいる。やらざるを得ない」

そう言った社長に、

「社員さんが不安を覚えていますか?」

と私が聞くと、

「いや。むしろマネジャーです。テレワーク社員を管理するマネジャーが不安を覚えています」

と答えた。私はうなずいた。その気持ちは、よくわかる。私自身も、まさに同様の経験を今しているからだ。

■ テレマネジメント3種類のケース

テレワーク社員の管理「テレマネジメント」には、3種類の形態が考えられる。

1.部下が在宅勤務、マネジャーは出社

2.部下もマネジャーも在宅勤務

3.部下は出社、マネジャーが在宅勤務

先述した中小企業の社長のケースは、「マネジャーは出社しているが、部下が在宅勤務」のケースだ。いっぽう、本社勤務している5000人を在宅勤務とした電通などは、「部下もマネジャーも在宅勤務」というケースになるだろう。

どのケースにおいても、いつも顔を合わせていた部下(マネジャー)が近くにいないことで、それぞれが言葉では表現しづらい感情を抱く。とくにマネジャーは不安だろう。

ただでさえ工数ではなく、成果に焦点を合わせた働き方に変わりつつある現代、部下たちがテレワークで正しいパフォーマンスが出せるかどうか気掛かりだ。

■ テレマネジメント4つのポイント

私の経験上、テレマネジメントにおいて「これさえ押さえておけば大丈夫」という秘訣はない。業務の特性や、それぞれの部下の性格、そして相性によっても、マネジャーが考慮すべきことが異なるからだ。

しかし「秘訣」はなくても、考慮すべき「ポイント」を提示することは可能だ。そこで今回は「テレマネジメント」における重要なポイントを4つ取り上げたい。

1)業務の見える化より成果の見える化

2)正しいフィードバックと評価

3)雑談と承認

4)同僚とつながる場の提供 → 最も大事

ひとつひとつ細かく解説していこう。最初に断っておくが、4つ目の「同僚とつながる場の提供」が、いちばん忘れがちだが、しかし大事なことである。ここだけは、必ず押さえるようにしよう。

■ 業務の見える化より成果の見える化

働き方改革時代となり、組織マネジメントは昨今、労働時間よりも成果に焦点を合わせはじめている。したがって「何をやったか」ではなく「何の成果を出したのか」という点をマネジャーは強く意識すべきだ。

在宅で勤務時間どおりに働いたという事実は、テレワークの観点からすると、ほぼ意味がない。それが重要というのであれば、もうそれは「監視」だ。

オフィスよりも在宅で働いたほうが緊張感が緩んで当然。同じ時間、働いたのなら、パフォーマンスが低くなるに決まっている。ましてや、小さなお子さんがいるのなら、なおさらだ。

だから、いつも以上に成果に焦点を合わせること。

個人の成果は必ず「組織目的」「組織目標」とリンクしている。であるからこそ、常に電話やWEB面談を実施し、組織の目的や目標は何かをマネジャーは伝え、部下の成果が何であるかを意識させるよう、つとめなければならない。

■ 正しいフィードバックと評価

上司(同僚も)が近くにいないと、部下は自身への関心が急激に減ったという感覚に陥る。

だから、これまで以上にマネジャーは、部下の成果へのフィードバック、評価を意識してやるべきだ。期待通りでも、期待以下でも、はっきり口にすることが大事だ。

「8割まで仕事が終わってるけど、どうして今日中に全部できなかった?」

「すみません。子どもがどうしてもそばにいると……」

「集中力が切れちゃうよね」

「はい。でも、明日は妹が子どもを面倒をみに来てくれるので、明日は取り戻します」

「わかった。テレワークは慣れないと思うけど、工夫してやっていこう」

テレワークがはじまってから、期待通りに仕事ができていない。なのに、マネジャーから何も指摘されず、ずっとスルーされていたら、自分自身に関心が向かなくなったと部下は思うだろう。

子どもがいなくて出社している同僚は、以前と変わらずマネジャーに厳しく言われているのに、私には何も声がかからなくなった。こう思われたら、テレワーク社員の疎外感はどんどん強くなっていく。

部下の事情を頭に置きながら、柔軟にフィードバックする度量が必要だ。

■ 雑談と承認

ふだんは顔を合わせても、ただ挨拶するぐらいの間柄であっても、テレワークする部下をマネジメントする場合は、頻繁に接点を持つ必要がある。

最低でも、1日1回は電話をかけたり、Zoom、SkypeなどでWEB面談をしよう。できれば顔を見て話すことが大事だ。その際、効果的に雑談を入れるといい。

「部長がA建設の仕事、とってきたらしいよ。5,000万円の契約だ。社長が大喜びしていた」

「へええ、そうなんですか。部長、嬉しいでしょうねえ」

「半年前から狙っていたからね。これから忙しくなりそうだって言ってた」

雑談が得意なマネジャーは悩まないだろう。しかし苦手な人は、事前に雑談のレパートリーを準備しておくといい。1分程度の雑談をいくつか準備しておくと、全然違う。

雑談もそうだが、相手を承認することも忘れないようにしたい。挨拶の延長線上に言うぐらいでいいのだ。

「それじゃあ、今日もお疲れさま。ありがとう。おかげで助かったよ」

このように、さりげなく言うのがいい。

■ 同僚とつながる場の提供

私がいちばん気になっているのが、経営者やマネジャーらがテレワークの課題を口にするとき、「縦」の視点しか持っていないことだ。

部下の仕事の成果、部下の仕事の評価、部下のキャリア形成など……。離れて仕事をする場合、これらをどうするかにばかり意識を向けている。「上司―部下」という縦のラインばかりなのだ。

しかし組織がまとまるには「横」の視点が極めて大事だ。だから積極的にそういう「場」を提供しよう。

リアルに集まることができないなら、ZoomやSkype、Teamsなど、WEB面談やWEB会議のシステムを活用するのだ。これらのツールをうまく使ってランチ会をしたり、夜の飲み会を企画してもいい。

「やりたいなら、自主的にやればいい」

と促して、主体的に動くメンバーばかりならいい。しかし、そういうことに部下たちが慣れていないのなら、マネジャーが率先して開催しよう。

たとえば夜の7時半から、だいたい1時間。

‐ オフィスの会議室に課長Aさん、係長Bさん、そして独身のCさん

‐ 子育て中のDさん、Eさん、Fさんは、それぞれの自宅から

‐ Gさんは小4の娘さんと

‐ そして親の介護に忙しいHさんは親御さんの家から参加

‐ 今回都合がつかない人、基本的に自宅からの参加が難しい4人は不参加

それぞれ缶ビールやジュース、おつまみ、お菓子などを手元において、飲み会をしてみよう。

「少し前までテレワークに憧れてたけど、意外と大変だとわかった」

「たまにはいいけど、やっぱりオフィスに出たほうが生産性あがるね」

「一週間も顔を見ないと、部長に会いたくなる」

「ふだんは会いたくないみたいだ!」

「部長って、愚痴ばっかり言うんだもん」

「でも、あの愚痴が恋しくなるときもあるよ」

「ははは! 言えてる」

やってみるとわかるが、意外に盛り上がるものだ。パソコンやスマホの画面に参加者の顔が全員映ると、自然とみんなに意識がいくからだ。リアルな飲み会とは、ここが違う。

全員参加は難しくても、ランチや飲み会などを繰り返していくと、それなりに横のつながりを維持できる。ぜひ、試してもらいたい。

■ 独自のテレマネジメントを編み出すべし

テレワークしている部下に毎日のように接触することで、マネジャー自身は「やってる感」を覚えるだろう。しかし、それだけをつづけていると、横のつながりが希薄になっていく。そして組織としての一体感を失っていくのだ。助け合いの精神も、同様に薄くなっていく。これだと組織のパフォーマンスが最大化しない。

テレワークにはテレワークのよさがある。

リアルでは構築できなかった組織の連帯感が、思いのほか生み出されることだってある。そのためには、テレワーク社員をマネジメントする独特のポイントを押さえ、かつ自分なりに工夫をつづけること。

新型コロナウイルスの影響がなくなっても、働き方改革時代である以上、どの企業にもテレワークの必要性は残る。だからこそ日本企業のマネジャーたちは、自分たちなりの「テレマネジメント」の勘所を押さえる機会にしてほしい。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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